更年期の体に足りなくなった女性ホルモンを補って、不調を改善してくれる治療法、HRTは、実際、どう使うの?
HRTの実際
投与方法と薬剤の種類
HRTはエストロゲン剤が基本ですが、厚くなる子宮内膜を"掃除"するためにプロゲステロン(黄体ホルモン)剤も併用するのが一般的(子宮がない場合はエストロゲン単独で使用)。エストロゲン剤は飲む錠剤、貼るパッチ剤、塗るジェル剤、腟に挿入する錠剤などで、体調やホルモン値の変化に合わせてオーダーメイド的に処方。定期チェックを受け、医師と相談しながら替えていくのが普通です。
◆HRTで乳がんのリスクが上がる?◆
HRTと乳がんは直結して考えられがちですが、2006年以降、「エストロゲンのみの使用では乳がんの発症は減る」が定説に。2016年、7つの国際学会が共同で発表した声明では「乳がん発生率リスクは1000人当たり1人以下と、とても低い」「7年未満の使用であれば、エストロゲンのみの投与ではリスクは上昇しない」とされています(「ホルモン補充療法ガイドライン 2017年度版」より)。
ただし、エストロゲン単体での使用は子宮体がん(子宮内膜がん)のリスクを高めるおそれがあるため、子宮がある人は黄体ホルモンとの併用が基本です。
日本でのHRTの普及率は、先進諸国と比べると驚きの低さ。
自然の生き方を好む日本人の国民性も関係しているといわれています。
[HRTの普及率 各国比較]
イラスト/カツヤマケイコ 構成・原文/蓮見則子
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