女性の悩みに冷静かつ温かいアドバイスをくれると評判の産婦人科医・高尾美穂先生に、読者の悩みを相談する連載です。今回は、人に相談しにくい性交痛のお悩みについて。
性交痛の悩み
Q.
更年期で腟が乾き、何度も膀胱炎に。性交痛もひどく、夫婦間の空気が悪くなったこともあり、夫になんと言っていいか悩んでいます。(53歳・主婦)
A.
痛みがあることを夫にわかってもらいましょう。腟剤やジェルを使うことも選択肢に
「痛みを我慢してセックスするのはつらいものですよね。この場合、婦人科で相談して、エストリオールという女性ホルモンの腟剤を処方してもらうのがよいと思います。腟内で効果を発揮し、潤いを高めてくれるので性交痛の緩和につながります。または、ジェルなどを使ってセックスの際の滑りをよくするのもよいと思います。それだけでなく、夫に性交痛があることを伝えて、よく話し合うことも大切です。彼の希望にもよりますが、つらいなら挿入以外の方法でセックスを楽しむなど、いろいろ方法はあると思って、打開策を相談してみましょう」
※この企画で取り上げた悩みは、2022年7月28日〜8月10日にWebマガジンOurAgeで募集したものです。
高尾美穂先生ってどんな人?
イーク表参道副院長。産婦人科専門医。さらにスポーツドクター、ヨガ指導者でもあります。産婦人科医になったのは「一人の女性の体を、初潮を迎えたとき、生理痛やPMSで悩んだとき、恋愛をして性交渉のことで悩んだとき、妊娠・出産のとき、更年期、閉経後と、人生を通して長く診ることができるから」だそう。診療のかたわら、NHK「あさイチ」への出演をはじめ、多数のメディアやSNSで情報を発信。音声配信アプリstand.fmの番組「高尾美穂からのリアルボイス」ではリスナーの多様な悩みに回答しています。著書に『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)など。脳外科医の夫あり
撮影/高尾美穂<アイキャッチ背景写真> 取材・原文/和田美穂