夫との関係が変化してくる更年期世代。女性の悩みに冷静かつ温かいアドバイスをくれると評判の産婦人科医・高尾美穂先生に、夫のモラハラに対する悩みを相談します。
夫のモラハラ
Q.
夫に家事のやり方などを叱責されることが多く、また、友人と出かけることに文句を言われたり、行動を制限され、つらいです。でも離婚する勇気もなく…。不満を伝えてみようかと思うものの、聞く耳を持ってくれるタイプではなく、逆ギレされそうでできません。どうしたらいいでしょうか。(52歳・主婦)
A.
夫を変えるのは難しい。家庭内別居を検討しつつ、同時に自立する取り組みを
「この方は、つらいと思いながらも長年その状況を許容してきてしまったので、今から夫を変えることは難しいと思います。対策としては、家事のやり方に文句を言われるなら、彼にやってもらう。行動を制限されるなら、言わせておいて自由に行動するといいと思います。それでもまだ何か言われるようなら、経済的に自立して離婚をすることです。その勇気や覚悟がないなら、家庭内で夫と自分の居場所を1階と2階に分けるなど、家庭内別居をするのもよいと思います。同時に経済的に自立できるような取り組みをすることも大切です」
※この企画で取り上げた悩みは、2022年7月28日〜8月10日にWebマガジンOurAgeで募集したものです。
【高尾美穂先生ってどんな人?】
イーク表参道副院長。産婦人科専門医。さらにスポーツドクター、ヨガ指導者でもあります。産婦人科医になったのは「一人の女性の体を、初潮を迎えたとき、生理痛やPMSで悩んだとき、恋愛をして性交渉のことで悩んだとき、妊娠・出産のとき、更年期、閉経後と、人生を通して長く診ることができるから」だそう。診療のかたわら、NHK「あさイチ」への出演をはじめ、多数のメディアやSNSで情報を発信。音声配信アプリstand.fmの番組「高尾美穂からのリアルボイス」ではリスナーの多様な悩みに回答しています。著書に『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)など。脳外科医の夫あり
撮影/高尾美穂<アイキャッチ背景写真> 取材・原文/和田美穂