夫との関係の変化や問題が増える更年期。女性の悩みに冷静かつ温かいアドバイスをくれると評判の産婦人科医・高尾美穂先生に、読者の悩みを相談しました。
夫にイラつく
Q.
単身赴任を終え、定年退職した夫と同じ空間にいるとイライラして耐えられません。必要なこと以外は会話が続かない。彼はウォーキング以外は外出をせず、地域に友だちもなく、携帯ゲームばかりしています。家事はできますが、言わないとやらない。私も伝えるのが下手で、つい自分でやってしまいます。このままではよくないと思いながらも、何も言えずにいます。(58歳・アルバイト・夫・娘と同居)
A.
伝えるのが下手だと決めつけず、彼にタスクを与えて判断してみましょう
「この方は、自分は伝えるのが下手と決めつけていますが、下手でもいいので、例えば、“健康のために社会とつながることも大事なのでは?”などというように、夫に自分の思いを伝えてみてはどうでしょう。彼は単身赴任の経験もあるようなので家事はひと通りできるはず。男性はタスクを与えるほうがやる気になるので、TO DOリストを紙に書いて渡すなど、やってほしいことを具体的に伝えてやってもらいましょう。それでもやらないような人なら、このまま一緒にいるべきか考えるといいと思います」
※この企画で取り上げた悩みは、2022年7月28日〜8月10日にWebマガジンOurAgeで募集したものです。
【高尾美穂先生ってどんな人?】
イーク表参道副院長。産婦人科専門医。さらにスポーツドクター、ヨガ指導者でもあります。産婦人科医になったのは「一人の女性の体を、初潮を迎えたとき、生理痛やPMSで悩んだとき、恋愛をして性交渉のことで悩んだとき、妊娠・出産のとき、更年期、閉経後と、人生を通して長く診ることができるから」だそう。診療のかたわら、NHK「あさイチ」への出演をはじめ、多数のメディアやSNSで情報を発信。音声配信アプリstand.fmの番組「高尾美穂からのリアルボイス」ではリスナーの多様な悩みに回答しています。著書に『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)など。脳外科医の夫あり
撮影/高尾美穂<アイキャッチ背景写真> 取材・原文/和田美穂