老後や死への不安
Q.
更年期より、その先、老後や死に向き合って生きなきゃいけないと思うとそのほうが不安。(46歳・会社員)
A.
老後を不安に思うのは、今、具体的な悩みがないということで、こんなに幸せなことはありません
「“生きなきゃいけない”という表現をされていますが、生きたくても生きられない人もたくさんいます。老後や死に対して不安になるということは、今現在は特に具体的な不安がないということで、こんなに幸せなことはありません。20年前の自分は、今の年齢になった自分を心配していたでしょうか? もしそうだったとしても、当時、心配していたようにはなっていないはずです。そう考えると、先の心配ばかりして過ごすのは、もったいない時間の使い方です。昨日と今日を比べると、一歩進んでいることはあります。年をとることに対して、ネガティブな変化でなく、よい変化を探すほうが幸せになれますよ」
※この企画で取り上げた悩みは、2022年7月28日〜8月10日にWebマガジンOurAgeで募集したものです。
【高尾美穂先生ってどんな人?】
イーク表参道副院長。産婦人科専門医。さらにスポーツドクター、ヨガ指導者でもあります。産婦人科医になったのは「一人の女性の体を、初潮を迎えたとき、生理痛やPMSで悩んだとき、恋愛をして性交渉のことで悩んだとき、妊娠・出産のとき、更年期、閉経後と、人生を通して長く診ることができるから」だそう。診療のかたわら、NHK「あさイチ」への出演をはじめ、多数のメディアやSNSで情報を発信。音声配信アプリstand.fmの番組「高尾美穂からのリアルボイス」ではリスナーの多様な悩みに回答しています。著書に『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)など。脳外科医の夫あり
撮影/山田英博 高尾美穂<アイキャッチ背景写真> 取材・原文/和田美穂