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「フェムケア」と「フェムテック」の違いとは? ブームじゃなくて、女性特有の体問題の解決は重要課題!

「フェムケア」=デリケートゾーンのお手入れのこと、「フェムテック」=セルフプレジャートイが代表ととらえられがちだったりする昨今。「そんな話は聞きたくない!」という声も。「フェムケアもフェムテックも、本来は女性の健康問題に寄り添ったもの。実は以前からお世話になっているんですよ」という富永先生の声に、耳を傾けてみませんか?

「フェムケア」「フェムテック」の正しい定義を知っていますか?

OurAge読者の皆さん、こんにちは。富永ペインクリニック院長、富永喜代でございます。

性に対するとらえ方を、現代版にアップデートしましょうよ、とお伝えした第7回。いろいろな考え方はあるけれど、「他人の意見は受け入れられない!」と、頑固にはなりたくないですよね。

そのためにも必要なのは、柔軟性なんじゃないかと私は思うんです。

それは昨今の「フェムケア」ブームにも言えること。言葉だけがひとり歩きをしているせいか、性のことをタブー視されて育った世代の中には、「フェムケアだのデリケートゾーンケアだの、うるさい。もう聞きたくないし、放っておいて」と、寝た子を起こすな! と思ってる人も少なくないんよね。
けんど。ここで改めて、フェムケアとはなんぞやという、その定義をお伝えしておきますね。

 

「フェムケア」とは、テクノロジーの力に依存せず、女性特有の健康問題をサポートする製品、サービスのこと。

 

定義から言うと、昔からある大人用の紙オムツもフェムケアのひとつなんよね。

80歳を越えた私の母は現在、隣県の実家で父と暮らしておりますけれども、骨盤底筋が緩み、寝ているだけでもお腹に力が入ると尿もれをしてしまう病気「腹圧性尿失禁」があるため、オムツではなく、尿もれ専用の吸水ショーツ(&替えも添えて)を送ってあげています。

こういうショーツは、「水分を吸収する特殊な繊維」というテクノロジーから生まれた製品なので、定義上では「フェムテック」のカテゴリーなんですね(「フェムテック」とは、女性特有の健康や性にまつわる問題をテクノロジーで解決するための製品やサービスのこと)。

生理用品に関しても、最近はタンポンだけではなく、腟内に入れる経血カップや生理用の吸水ショーツも誕生するなど、日進月歩の進化を遂げているのはご存じのとおり。

 

でかパンツも幅広ブラも、昔からあった「フェムテック」

そう考えると、フェムテックについても実はそう難しくとらえる必要ってないんですよ。

 

例えばデパートの下着売り場では、昔から中高年用のパンツを売っていますよね?

素材はコットンがメインで、クロッチ(デリケートゾーンが当たる場所)の面積も広くなっていて、冷えないようにおへその上までしっかりはけるタイプのでかパンツ。

あれ、クロッチ部分が広いパンツっちゅうのはね。更年期前後の女性はホルモンの影響であそこの皮膚や粘膜が薄くなるから、実に理にかなっとるわけ。よく考えれば、もうあれがフェムテックの走りだったんよ。

OurAge世代の皆さんだって、10代や20代女子向けの化繊だったりフリルがついとったり、タンガ(Tバック)的なパンツなんか、もう金もろうてもはけませんよね?

かゆくなるし擦れるし、「何しよんで!?」(何してくれちゃってるの)って感じじゃないですか(笑)。

 

ブラジャーについてもそう。先日、うちの病院のスタッフと話していたんですけどね。
20代(30代もいけるかな?)のときのブラのホックって、1つとか2つで留まるでしょう? でも、気づいてます?

50も越えていくと、たいていはおっぱいが緩なって脇に流れていくし、背中にお肉もついてくるしで、そんなホックの少ないブラでは食い込んで、ボンレスハムみたいになるんです!

…っていうことは、カップが大きくなって、ひもの幅が太くなって、ホックが4つくらいになったブラも、繊維や素材にこだわった「フェムテック」。

あれも、女性の加齢に伴う体の変化、ホルモンの変化に寄り添ってくれていたんやな…。そう思うと、「フェムケア」も「フェムテック」も自分ごとに、身近に感じられるようになってはきませんか?

 

現代のフェムテックといえば、セルフプレジャートイ。
真面目に作られたその背景を知ってほしい!

そして現代のフェムテックの代表というと、セルフプレジャートイ…となるわけですが。

40代、50代女性にとっては、まだまだハードル高く感じる人は多いですよね。恥ずかしいとか、はしたないとか。

けんどさ。セルフプレジャートイも、実は日頃お世話になっとるでかパンツや幅広ブラの延長線上にあるものなんぞ、と言うとどうでしょうか?

 

セックスはもうしたくないという人でも、今パートナーがいない人でも、セルフプレジャーによって快感を得ると脳内の幸せホルモンが分泌されて、ストレスや不眠の解消になるなど、女性のQOLを総合的に高めてくれます。

 

日本では男性器の形をしたグロテスクな「大人のオモチャ」のイメージが強すぎるせいで、セルフプレジャートイが受け入れがたい女性が多いのは致し方ないけれど…。

一方で海外では、女性が快感を得ることの大切さに超真剣に向き合って、研究・開発をしている人たちがたくさんいるんですよね。

 

例えば2014年にドイツで誕生した世界初の吸引式バイブレーター「ウーマナイザー」の誕生秘話は興味深いですよ。

 

ウーマナイザーは、ドイツの発明家ミヒャエル・レンケ氏とその妻のブリジット・レンケ氏が夫婦で協力し合いながら開発したもの。きっかけは、「女性の10人に1人は、生涯オーガズムを得られないでいるらしい。それ、どういうことや?」となったから。

ほんで、クリトリスには8000個以上の神経が存在することを突き止めて、振動ではなく、吸引の刺激に着目。

吸引の強さや圧力の加減を夫婦で何度も試した結果、(「それだと強すぎて痛いわ」的な会話があったらしいです)商品化につながったという。

 

このストーリー、すごくないですか?

おかげで、それまで振動式のタイプのみだったバイブレーター界に、吸引式という風穴をあけたというわけ。

 

世の中には、女の人にとっての気持ちよさ、またその気持ちよさを味わってもらいたい! 性への罪悪感という壁を突破してほしい!と真剣に考えている人たちが少なからずいる。

そしてセルフプレジャートイは、そんな社会課題として向き合って生まれた製品であるという事実も、ぜひ知っていただきたいなと思いました。

 

女性のストレスが激増する現代。
自分の好きなタイミングで、ストレス発散から不眠解消までできるセルフプレジャーは、とても貴重な習慣です。
なかでも、使用した98%の女性がオーガズムを得られるウーマナイザーは、手軽に「自分を解放してくれる」フェムテックです。

今日のストレスは、今日のうちに解決して。
セルフプレジャーで、すっきり切り替え。自分らしい新しい明日を迎えましょう!

富永先生のおすすめは、ウーマナイザーシリーズの「プレミアム2」。

 

「医療用シリコンでできているので、丸洗いができるんです。また、タッチセンサー付きなので、手を離すと自動で止まる機能も。なんというか、“もう終わったんだね”というムードをわかってくれる(笑)優れものです」

 

 

【教えていただいた方】

富永喜代
富永喜代さん
麻酔科医
公式サイトを見る
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富永ペインクリニック院長。医学博士。日本麻酔科学会専門医。 1993年より聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務、2万人を超える(通常1日2名のところ、1日12名)臨床麻酔実績を持つ。2008年愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業。痛みの専門家として全国でも珍しい性交痛外来を開設し、1万人超のセックスの悩みをオンライン診断している。性に特化したYouTubeチャンネル『女医 富永喜代の人には言えない痛み相談室』は、チャンネル登録者数28万人、総再生数は6600万回超。SNS総フォロワー数44万人。真面目に性を語る日本最大級のオンラインコミュニティー『富永喜代の秘密の部屋』(会員数1.6万人)主宰。『女医が教える性のトリセツ』(KADOKAWA)など著書累計98万部。

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撮影/天日恵美子 角守裕二(花) 取材・文/井尾淳子

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