手首や指のストレッチで関節を緩めてメノポハンドを予防
パソコンやスマホを操作したり、家事全般など、考えてみると日常の動作は指の関節を曲げて力を入れる動きがほとんどです。そんな毎日の繰り返しで、いつの間にか手の筋肉が硬くなり、手指に負担がかかっている可能性があります。
「日常生活では、手首も指も、握る方向にばかり力を使っています。また、これまでも話をしてきましたが、年齢とともに筋肉や腱がどんどん硬くなっていくのです。
そこで、普段から筋肉をほぐしたり、緩めたりしてあげると、手指の不調の予防につながる可能性があります。そこで、隙間時間に日常生活で動かす手の動きとは反対の方向、つまり手首や指を伸ばすストレッチを行って筋肉や腱を緩めてあげましょう。そうすることで、更年期世代の手の不調(メノポハンド)の改善に役立ちます。
ただし、関節が腫れていたり、痛みやしびれなどの違和感がある場合には、症状がひどくなることがあるので行わないでください。その場合はストレッチを行う前に、早めに専門医にかかることをおすすめします」(下江隆司先生)
筋肉を緩めるストレッチとマッサージ
「指と手首のストレッチ」で親指以外の4本の指を手前に引いて、指の関節まわりと手首をほぐします。「親指ぐるぐる回し」は親指の根元から動かすように意識して、親指の付け根をほぐすエクササイズです。「親指・小指の付け根マッサージ」は手のひらの硬くなった筋肉をほぐして緩めていきます。
指と手首の根元をじんわりほぐす「指と手首のストレッチ」

左腕を前に出してひじを伸ばし、手と腕がL字になるように手根を前に突き出します。右手で左の4指を体のほうへ押して、手首が伸びたと感じるところで10秒キープ。一度、力を緩め、これを3回行ったら反対側も同様に。
記事が続きます
親指の付け根をほぐす「親指ぐるぐる回し」

両手の親指以外の指の腹をつけて、指でふんわりしたドーム形を作ります。左右の親指がぶつからないように、付け根からぐるぐると親指を20回回しましょう。反対回しも同様に。
硬く強張った手のひらをほぐす「親指・小指の付け根マッサージ」

手の親指の付け根を、反対の手でイタ気持ちいい力で10秒ほどもみほぐします。小指の付け根も同様にもみほぐしましょう。反対の手も同様に。痛みを感じたら、すぐに中止してください。
どのエクササイズも一度にたくさん行うよりも、毎日少しずつ継続することが大事。隙間時間を見つけて行えば、気分転換にもピッタリです!
【教えていただいた方】

手外科専門医・指導医。和歌山県立医科大学整形外科学講座講師。医学博士。日本整形外科学会専門医、日本足の外科学会認定医、厚生労働省認定臨床研修指導医。診察を行いながら、更年期と女性の手指の不調に関する疫学調査や臨床研究に積極的に取り組んでいる。
イラスト/てぶくろ星人 取材・文/山本美和



