お悩み:その71
60歳になりました。これからファッションでどんなことに気を付けていけばいいですか?(60歳・専業主婦・東京都)
地曳さんのお答え
『50歳、おしゃれ元年。』(集英社文庫)
を上梓してから10年以上が経ち、読者も+60歳になられた方々が増えたからでしょうか。同じようなお悩み、たくさんの方々からいただいています。
「50代になったら昔のルールは通用しない!」「若見えの狙い過ぎは厳禁!」と、私の著書の中で何回か書いてきましたが、60代になっても基本は同じです。「60歳だからこれを着るべき」とか「こんな格好をしてはみっともない」「年甲斐もない」といったことはすべて忘れて、着たいものを着ていいんです。まわりに何か言われても、それは過去の時代に生きている人たちだからガン無視でOK(笑)。
ただ、あまりに若見えを意識し過ぎると、どうしても昔の自分の最盛期を狙いがち。つまり過去のヘアメイク、ファッションをしちゃうんですね。時代も自分も変わってるんだから昔の服が「似合わなくなった」「着られなくなった」となるのは当たり前です。
脅すようで申し訳ないのですが、これからあなたは50代のときよりも遥かに打率が落ちる=似合うものが少なくなってきます。
そうすると、服探しをすること自体が怖いし億劫になっちゃうんだけど、軽やかに生きたいなら軽やかにトライ! エラーを恐れずに! です。ちょっとでも「いいな」と思う服を見つけたら、すぐに試着室へGO!
今の世の中「失敗しない方法」といった考え方が多くないですか?
私もそうですけど、人生折り返し地点を完全に過ぎちゃったので、むしろ失敗を楽しむ勢いで自分の好きな服探し、自分を助けてくれる服探しの旅に出ましょう。
このプロの私ですら試着したものが全然似合わない! なんてことはざらですよ。そうしたら「わ~、おっかしい! 私、全然似合わな~い!(笑)」って自分で自分を笑ってやればいいです。
洋服だって似合わないとわかったら、次に進めます。試しもしないで最後の正解だけ得ようとすると、+60歳のファッションに成功はありません。
そして、洋服を選ぶ際は、照準を「今」に定めること!
「来年も着れるかしら?」とか考え出すと、無難でボヤけた服を選びがちになります。今着て似合えば、それは完全に買い! 来年着られるかどうかは来年の自分が考えればいいんです。
今の時代にアジャストさせるという意味で、1シーズンにひとつ、トレンドものもおすすめです。そうすれば常に新しい時代の風を取り込めて、自分を刺激することができます。今の時代をキャッチしてアップデートしたもの勝ち!
最後に重要なこと!
60代になったらとにかく清潔感をキープしてください。
+60歳の方々で“イケている人”と“ちょっと残念な人”の決定な違いは、清潔感があるか否かです。今の言葉でいうと、透明感でしょうか。
髪の毛がパサパサしていたり、肌がカサカサしていると同じ服でもどんよりとした濁った印象になっちゃうんですよ。少しくらいシワやシミがあっても大丈夫だけど、清潔感がなくなると途端に疲れと重さが全身から溢れ出ちゃう。
だから毎日きちんと保湿! 髪も顔も身体もとにかくクリームを塗って塗って塗りまくってください(笑)。
アフター還暦でも生き生きとした軽やかなファッションを楽しんでください。
人生綱渡り、みんなで一緒に渡りましょう!
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