※現地の桜の開花が早まったため、タイトルおよび本文の一部を訂正しました。詳細は記事末尾をご参照ください(2021.4.5)
春、桜。青空に薄紅色の桜の花が幾重にも重なる姿は、この時期だけの絶景。えも言われぬ美しさに、全身で「春…!!」を感じてしまいますよね。
コロナの影響でゆっくり座ってお花見はできないけれど、近所の桜をふらりふらりと見て歩く“桜散歩”は、やっぱりこの季節にはずせない楽しみです。
都内の桜はもう盛りを過ぎてしまいましたが、私の故郷、信州の桜は4月中旬…遅い年だとゴールデンウィーク頃に見ごろを迎えます。子どもの頃は、テレビで卒業や入学の映像が映るたび、3月末なのに桜が咲いていることが不思議でなりませんでした。
400本の桜が連なる、知られざる桜の名所。長野県岡谷市の「横河川土手」
私の故郷、長野県岡谷市の、実家のすぐ近所を流れる横河川(よこかわがわ)は、諏訪湖に流れ込む小さな川。昔はここでホタルやメダカをとったりしたものですが、今も川べりには野の草が元気に生い茂り、田舎らしいのどかな景色が広がっています。
鉢伏山のふもとにある出早(いずはや)神社から諏訪湖畔までの約4キロにわたって流れる、この横河川の堤防を彩るのが、約400本の桜の並木。
多くはソメイヨシノですが、場所によっては年を経た老木の枝花が豊かに垂れ下がり、うっとりするほど美しい「桜のトンネル」が堤防の土手道を包み込みます。
桜並木の根元には地元の人が丹精した黄水仙や芝桜、ムスカリなどが一面に咲き誇り、桜色とのコラボレーションがそぞろ歩きの目を楽しませてくれます。
これらはどれも週末に帰省した際の昼下がりの写真(コロナ以前のもの)ですが、ご覧のとおり、周辺にほとんど花見客もなく、地元の人がのんびり散歩したり、河原で家族がお昼ご飯を食べたりする姿がちらほら見える程度。
日本各地にはもっと素晴らしい桜の名所がいっぱいありますが、ここは文字通り「知られざる」というところが最大の魅力(笑)。壮麗な桜並木をほぼひとりじめできる、私の大好きなお花見スポットなのです。
↑こちらは対岸の様子。こ~んなふうに自転車でしばらく走っても誰ともすれ違わないって、都内や有名なお花見スポットではちょっと考えられないですよね♪
場所はJR中央線の岡谷駅(新宿からは特急あずさで2時間ちょっと)から車で約10分ほど。
…ですが、付近にさしたるお店もなく、駐車場もないので、正直あまり観光客向けではありません。それでも、4月の中旬、見頃の時期にもしお近くにいらっしゃる機会があれば、ぜひ横河川を訪れてみてください。
「あ~、生きててよかった!」と思わず笑顔になるような、幸せな絶景が待っていますよ。
【記事訂正のご報告とお詫び】
本記事公開日の3月30日、岡谷市と市観光協会が横河川沿いの桜の開花を宣言(29日)したとの報道がされました。現地に確認しましたところ4月5日(月)には見頃を迎えたとのことです。