ap bank fes’23 初日のラインナップに大興奮
音楽プロデューサーの小林武史さんとミスチル櫻井和寿さんの呼びかけで2005年にスタートしたap bank fes。
自然エネルギーや環境問題を身近に考える場として、さまざまな取り組みが行われていて、数多くあるフェスの中でも意識の高さには一目置いています。
私も、浜田省吾さんが出演した初年度最終日を含め、過去2度ほど行ったことがあるのですが、実は正直、ひたすら音楽を聴いていたいタイプの人間にとっては、行くのが大変な割には各アーティストの持ち時間が短くて、必ず行きたいとまでは思っていませんでした。すみません。
・・が、今年のラインナップが発表されたとき、これはもう絶対に行く!と。
昨年、デビュー30周年ツアー『半世紀へのエントランス』の福岡ドーム、日産スタジアム、そしてACIDMAN主催フェス『SAI』と、3度もライブを観て愛が再燃したミスチルに加え、宮本浩次に小田和正ですって~‼(興奮しすぎて敬称略)。
さらに真心ブラザーズも好きな私にとっては、まさに神ラインナップ。チケットが無事当選して良かったです。
いざ、東京から会場へ
東京から、つま恋の最寄り駅である掛川までは新幹線こだま号で1時間39分。そこから乗車時間を事前予約していたシャトルバスで20分。・・のはずが、駅前には人人人! 列に沿って掛川駅周辺をぐるぐる歩いて戻って、乗るまでに45分かかりました。
バスを降りてからも、まだまだ歩きますよ~。
なんだか懐かしい、つま恋リゾートの入口です。社員旅行(もはや死語?)で来たこともあったな~。
オーガニックコットンや再生ポリエステルで作られたオフィシャルグッズの案内板を横目に
ゲートをくぐると、ようやく会場に到着した感が。
プレイエリアには水遊びできる場所や、竹のブランコにジャングルジム、
ナチュラルな雑貨の手作りワークショップなど、自然の中で一日中楽しめる場所がたくさん。(熱中症には要注意)。家族連れが多いのも、このフェスの特徴です。
ap bank fesのこだわり
ライブは15時からなので、お昼に着いた私は、まず腹ごしらえ。
ガッツリ系の多いフェス飯とは違い、ヴィーガンのベジカフェや自家製酵母・薪窯焼きのベーカリー、ナチュラルワインバーにジビエ料理など、こだわりのお店は、どこもおいしそう!
国産食材やフードロスへの取り組みなど、安心・安全な「食」のために努力しているお店が選ばれているようです。
「色んなおかずをちょっとずつ」の文字に惹かれて私が選んだのはにじのこやさんのおべんとボウル。富山県高岡市のお弁当屋さんらしく、ホタルイカの素干しが乗っていました(笑)。
ap bank fesでは、できるだけゴミを出さないようにと、マイ箸やマイカトラリーの使用を呼びかけていて、私はカトラリーだけでなくマイカップも持参。
会場にはマイ食器洗い場があり、ごみの分別も10種類。HPには、それぞれのリサイクル方法まで明示されています。
櫻井さんの発案で、今年初めて社会と暮らしと音楽とというサブタイトルを付けたap bank fes’23。
地球環境はどんどん悪化していると感じざるをえない猛暑の中、あらためて「社会と暮らし」を考えるきっかけになりました。
ライブが控えているのであまり体力は消耗したくないと思いつつ、見晴らしの良い場所があると必ず登ってしまう私。
とても気持ちの良い景色が広がっていました。
そして、こんなところにフォトスポットも発見! せっかくだからと撮ってもらった自分の写真は、とても幸せそうでした(笑)。
いよいよライブエリアへ!
さて、ようやくライブエリアに入ります。
観客数は3万人。座って観られるゆったりエリアと、前方ブロック指定の立ち見エリアに分かれていて、もちろん私は立ち見エリアのチケットを購入。
最前のブロックではありませんでしたが、ほぼど真ん中の場所をキープできて、とても見やすかったです。(これまでで一番近いミスチルだったかも)
ap bank fesは、Band Actとしてミスチルが3日間出演することと、小林武史さん(キーボード)と櫻井さん(ギター・ボーカル)を中心に結成されたBank Bandがゲストを迎えて演奏するのが一番の特徴です。
小林さんと同様に超人気プロデューサーである亀田誠治さん(ベース)や、小倉博和さん(ギター)に加え、サックス、トランペット、チェロ、バイオリン等々、今回は総勢11名のBank Band。ゲストアーティストとのコラボでは、櫻井さんがコーラスに回ったりもします。
セットリストの一部をご紹介
ライブはBank Bandからスタート。
「よく来たね 大変だったんじゃない?」という櫻井さんの優しい歌声で始まる『よく来たね』に、会場中がじ~ん。つま恋での5年ぶりの開催、コロナ禍を耐えてのフェス・・いろんな思いが駆け巡りますよね。
続いて小田さんの『緑の街』をカバーし、『奏逢 ~Bank Bandのテーマ~』、そして中島みゆきの『糸』をカバー。
(ちなみに、1992年にアルバムの1曲として発表された『糸』を、最初にカバーしたのがBank Band(2004年)。以来、岩崎宏美、JUJU、福山雅治、五木ひろし、工藤静香ら、なんと148人がカバーしていた! ・・なんてことを検証していたテレビ番組「私のバカせまい史」、とても面白かったです)
Salyuを迎えて2曲演奏後、真心ブラザーズは、夏のお約束曲『サマーヌード』を間に挟みながらも『人間はもう終わりだ!』と『素晴らしきこの世界』というap bank fes向きの攻めた選曲がカッコよかった。
Individual Act、Anlyの次に登場したのはMr.Children!
1曲目は30周年ツアーでもやらなかった『CROSS ROAD』。続いて、同じく1994年のアルバム『Atomic Heart』に収録されていた『雨のち晴れ』が演奏されて、オールドファンの私、感激!
『横断歩道を渡る人たち』や『口がすべって』の歌詞に聴き入り、『祈り ~涙の軌道』や『Your Song』にうっとりして、計8曲はあっという間に終了してしまいました。
そしていよいよ、待ってました!の宮本浩次さん。
小林さんのピアノで始まった『今宵の月のように』に、沸き起こる大歓声。
さらに、やはり誰もが知る名曲『悲しみの果て』で畳みかけ、ドラマ主題歌となったソロの代表曲『冬の花』や『P.S. I love you』、祝祭感あふれる『ハレルヤ』と、いつもの破天荒で圧倒的なパワーは猛暑の中でも健在です。
「さすがBank Bandです。水を飲む暇も与えてくれません!」と、彼らの演奏力を称えるMCで観客を笑わせ、「会うたびにポジティブにしてくれる男」と櫻井さんを呼び込んでの『東京協奏曲』。
宮本さんと櫻井さんがコラボしたこの曲は小林さんの作詞作曲によるもので、Bank Bandのアルバム『沿志奏逢4』に収録されています。(銀座和光の時計塔で撮影されたモノクロのMVもとても素敵なので、ぜひご覧ください!)
宮本さんのソロライブでも披露されていたし、絶対に演奏するだろうとは思っていたけれど、実際に2人のナマの歌声で聴けて本当に嬉しかったです。
小田和正さんとBank Bandの共演は『the flag』『so far so good』『たしかなこと』、そして小田さんのキーボードによる『生まれ来る子供たちのために』の4曲。どの曲も櫻井さんと一緒に、美しいハーモニーを聴かせてくれました。
1979年にオフコースで発表された『生まれ来る子供たちのために』は、2006年にBank Bandもカバーしているメッセージ性の強い曲。でもこの曲が書かれた頃より日本が良くなっているとは到底思えず、せつない気持ちにもなってしまいました・・。
今回のap bank fesは、セットチェンジの間、スクリーンに著名人の言葉が映し出される「言葉のリレー」という試みもあり、このフェスの目的をより明確にしていました。
出演アーティスト達の歌詞の引用もあれば、坂本龍一さんや忌野清志郎さん、文化人類学者・辻信一さんの言葉などなど。
「『奪い合うシェア』は分断を生むけれど、『分け合うシェア』は幸福をもたらす」的な言葉(うろ覚えです)があって、いいなと思ったら大好きなファッションブランド、ミナ ペルホネンのデザイナー皆川明さんの名前が出てきて「おぉ」と感動したりもして。
ライブの最後のパートは櫻井和寿×小林武史。
小林さんのピアノだけで歌われた『HERO』は、それはそれは素晴らしかったです。
そして最後はSalyuも加わっての『to U』。2005年に発表されたBank Band初のオリジナル曲で、ap bank fesのテーマ曲ともいえる楽曲です。
立ち見エリアに最後までいると新幹線の最終に間に合わないかも・・という情報があったので、私はこの曲を聴きながら自分のブロックを離れたのですが、一応、遠い場所から、最後に全員集合するところまでは見届けましたよ。
帰りの新幹線で
ライブの終了予定時間が19時30分なのに、22時04分の新幹線に乗れないなんてことがあるの?と半信半疑でしたが、とにかく帰りのシャトルバスに乗るまでが長かった~。これなら50分かけて駅まで歩いたほうが良かったかも?と思うほど行列は進まず・・。
後ろ髪を引かれつつも、早く出る決断をして正解でした。(一応、私は最終1本前の21時48分発のこだまに乗れて、静岡でひかりに乗り換えました)
そして新幹線のトイレで、この日初めて鏡を見たら・・。ひゃ~。鼻だけ真っ赤に日焼けしていました。
帽子にサングラスで、頬のあたりは日焼け止めを塗り直したりもしていたのですが、確かに、鼻を忘れてた~。久しぶりの野外フェスだったのと、この日は曇りだったので、ちょっと油断していた部分もあったかもしれません。
本当にライブは感動したし、行って良かった!と思っていますが、いらないところに夏の思い出を焼き付けてしまった私です。