あれ、リノベ後の片付け報告をするのではなかったかしら……前回読んでくださった方のつぶやきが聞こえる気がしますが、私は獅子座の女。夏は遊び優先で、この1か月で片付けはまったく進んでいないのでした(汗)。
エプロン姿にフライパンのアイコンの通り、料理やお菓子作りが気分転換や息抜き。家事のなかでも苦手な掃除や洗濯、片付けは共働きの夫に任せて、もっぱらキッチンに立っています。
気になるレシピ本は全部買う主義だし捨てられないから、キッチンに作ったレシピ本専用棚(上記写真参照 笑)はまたまた満員御礼状態ですが、来る人の顔を思い浮かべながら何を作ろうかと考えるのは大好きな時間。
がんばりすぎても続かないので、おもてなしのモットーは
1 身近な食材で
2 ヘルシーなのにお酒に合う気軽なレシピを
3 皿数多めに作って豪華に見せる
こと。今回はその条件を満たした「ポルトガル料理」と「韓国料理」で私がヘビロテしているレシピと、愛用のレシピ本たちをご紹介したいと思います。
おすすめその1/身近な食材で作れ、珍しがってもらえるポルトガル料理
きっかけは以前の職場でお仕事をご一緒していた、文筆家でポルトガル料理研究家の馬田草織さん。著書を読んでいつか行きたいと思っていた料理教室「ポルトガル食堂」に昨年8月に参加。昨年末にはポルトガル現地を旅したことでマイブームに火が付きました。
(左)『ポルトガルのごはんとおつまみ』 馬田草織著・¥1760/大和書房
(右)『ホルモン大航海時代』 馬田草織著・¥1650/TAC出版
左は、もうそろそろ作ってないレシピがないのでは?と思うくらい愛用しているレシピ集。2014年に出版された本ですが、2022年の重版以降、私の周囲の食いしん坊たちがこぞって手に入れ、絶賛しています。魚介やお米など日本人にはなじみ深い食材を、素材をいかしてオリーブオイルや白ワインビネガーなどでシンプルに味わうポルトガル料理。使う食材はほぼ、近所のスーパーで手に入るもの。手順もシンプルで、馬田さんが旅したときの思い出や思い入れとともに軽快につづった文章で紹介されると、料理がそんなに得意でなくてもつい作ってみたくなる!
右は馬田さんの最新刊。彼女が自分や娘さんのためにパパっと作る普段ごはんの熱烈なファンなのですが、この夏、そんな日常ごはんのレシピが共感しかないエッセイとともに一冊に。掲載されているレシピは和食とポルトガル料理。どれも、食べなれたはずの食材で作られているのに、どこか無国籍な情緒の漂うたまらなく食欲をそそる料理たちは、ほぼ1人前で作れるものなのもうれしい。おもてなしにも使えるレシピがありそうで、これからいろいろ試す予定です。
豚、鶏、タコ、鱈……ボリューム感あるメインはおもてなしに最適!
よく作るメインは、左上から時計回りに「豚肉とあさりのアレンテージョ風」「たことげんこつじゃがいものオリーブオイル焼き」「チキンピリピリ」「干しだらのコロッケ」(すべて『ポルトガルのごはんとおつまみ』に掲載のレシピ)
聞きなれない料理もありますが、「豚肉とあさりのアレンテージョ風」は豚肉とあさりとじゃがいもの炒めものだし、「たことげんこつじゃがいものオリーブオイル焼き」はその名の通りのシンプルなロースト、「チキンピリピリ」はちょっと唐辛子の効いた手羽先焼き(写真の時はストックの手羽中で作りました)、「干しだらのコロッケ」はポルトガルの干しだらの代わりにスーパーで手に入る甘塩たらで作る方法を馬田さんが教えてくれます。ポルトガル料理を作る必需品は、ちょっと良いオリーブオイルと白ワインビネガー、スパイスのパプリカくらい。
このあたりのどれかをメインに、切っただけーとか和えただけーみたいな簡単な副菜をいくつかと、ポルトガル風の炊き込みご飯かお隣の国スペインの名物パエリアといったごはんものを組み合わせればおもてなしメニューは完成。
切るだけ、和えるだけのヘルシー副菜に締めは華のあるご飯もの
左上から時計回りに、スペインのガスパッチョと同じ材料を刻んで作る「アレンテージョ風ガスパショ」、ポルトガル名物のオイルサーディンの缶詰で作った「いわしと玉ねぎのマリネ」、「甘塩たらとえびごはん」(ここまで『ポルトガルのごはんとおつまみ』に掲載のレシピ)、最後は家にある材料で私が適当に作ったフライパンパエリア。
ワインはポルトガルの微発砲ワイン「ヴィーニョベルデ」に始まり、お気に入りのダンやドウロといった産地の赤ワインなど。ポルトガルワインはとてもリーズナブルなので1人1本空けても怖くない(笑)。ぜひ、いつもの食材が見違えるポルトガル料理を食卓のレパートリーに加えていただければと思います。
おすすめその2/脱焼肉!野菜たっぷりの韓国日常料理
次のおすすめは韓国料理です。実は韓国にはACL(サッカーのアジアチャンピオンリーグ)応援旅行で20時間滞在したことがあるだけの私。もともとレパートリーにあった韓国料理は……焼肉、豚キムチ炒め……サムギョプサルぐらいだったでしょうか。
そんな、家で作れる韓国料理は肉で濃い味!という固定概念が覆してくれたのが、この2冊。
(左)『ミッパンチャン』 北坂伸子著・¥1760/主婦と生活社
(右)『あたらしい韓国料理』 キム・ナレ著 ¥1700/主婦と生活社
『ミッパンチャン』は韓国語で“作り置きができる常備菜”のこと。キム・ナレさんの『あたらしい韓国料理』も“くり返し作る、いつものごはん”レシピが、シチュエーションや季節ごとにたっぷり紹介されています。どちらも色とりどりの野菜を自然にたくさん摂ることができ、マンネリになりがちな野菜料理のバリエーションをぐっと広げてくれます。
先にちらりと書きましたが、昨夏、私史上最重を記録して以来、これでは未来が危ういとダイエットと筋トレに励んでいます。韓国のメイン料理は、たんぱく源の肉をたっぷり食べつつ野菜も一緒に摂れ、鶏肉をシンプルに煮込む参鶏湯や余計な脂を落とせるポッサム(ゆで豚)など、素材も調理法もダイエットに最適な料理が多い!
参鶏湯メインのときは野菜の簡単な副菜と、しめに韓国風おにぎりのチュモッパを用意。参鶏湯は一度、クコの実やなつめといった薬膳の材料さえそろえてしまえば、煮込むだけで簡単に作れます。おもてなしのときは丸鶏だと見栄えがいいけれど、手羽元で作っても十分おいしいです。
食材の組み合わせも調理法もヘルシーな韓国の常備菜
左上から時計回りに)「魚のユッケ風」(『ミッパンチャン』掲載)、「アスパラと玉ねぎの塩チャプチェ」「粉ベースのジョン えびと春菊/とうもろこしと玉ねぎ」、「ズッキーニのくるみあえ」(以上3品は『あたらしい韓国料理』掲載)
使う食材はたんぱく源、野菜、ナッツ類が多くてバランスがよく、使う油もごま油やえごま油とヘルシー。ジョンの粉も使用量は最小限と、糖質を控えたいダイエッターには感涙もの。お酒が進みすぎてせっかくのヘルシー献立の努力が台無しになったりもするのですが、それは置いておいて(笑)
この日は、宝塚の推しの退団公演を前に、リノベの際に導入したプロジェクターとロールスクリーンで仲間と鑑賞会を。ヘルシーな韓国料理とワインで夜遅くまで盛り上がりました。推しに夢中で写真が適当なのしかなくて申し訳ないです(汗)
こんな感じですっかりその楽しさと気軽さに味を占めている自宅でのおもてなしライフ。実は今、いちばん凝っているのはバスクのピンチョス料理で、昨年末の旅行で訪れたサンセバスチャンのバルの影響なのですが、それはまたの機会に。