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舞台のサブスクで観劇の幅が広がり、楽しみ倍増!【芸術鑑賞の定期便 recri】

はたこ

はたこ

美味しいごはんとお酒を供に、人と語らうことが何より好きな獅子座50代。Jリーグ、アイドル、演劇、料理家……どこにでも推しを作りがちな推し体質。料理が趣味で、自宅リノベ後はおもてなしにはまっています。

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職業柄エンタメはチェックしないと!と自分に言い訳しつつ、映像や音楽、電子書籍……ありとあらゆるエンタメコンテンツのサブスクに加入。毎月の支払い総額が怖いこの頃ですが、今秋から“舞台のサブスク”も始めてしまいました。 今年30作品以上を観た観劇好きにとっても、これが思った以上の満足度。その仕組みと魅力をご紹介します!

たくさん観ている割に、あれ、選ぶ作品が偏ってる?

小学生の頃に加入していた「こども劇場」で演劇に出会って以来、ずーっと生の舞台が大好き。家族と観ていた劇団四季、高校生時代から祖母に連れられて通った歌舞伎、旅行先のNYブロードウェーやロンドンで魅了されたミュージカルに、新人時代に仕事でよく伺った小劇場の舞台……。

 

子育てが一段落したあたりから、また舞台熱が再燃。この2~3年はコロナ禍で大打撃を受けた演劇界への応援の気持ちも込めて、足繫く劇場に通っています。気が付けば今年は30作品以上観ている……でも、あれ私の作品選び……人気キャストや大有名演出家のものなど、好きな人目的で選んだ作品ばかり?!

舞台のパンフレット 宝塚、NODAMAP、帝劇、ミュージカル、小劇場

劇団四季や東宝といった王道エンタメ育ちで元々ミュージカルが好きなこともあって、どうしても大作を選びがち。昨年、宝塚に推しができて、ラインナップにはさらにキラキラ感が。こうやって最近観た作品のパンフレットを並べると相当ミーハーなセレクトですよね。

もっと観劇の幅を広げたい……ところにもってこいのサービス!

あらためて振り返ると、観ているのは、私が行かなくても別に困らない満員御礼の舞台が大半。これで演劇界の応援になります?もっと観る作品の幅を広げたい、殻破れよ!と思っていたところ、久々に会った友人から「はたこさんが舞台に通っている様子をみて、私も月イチで観劇を始めたんですよ。何観ていいかわからないからまずはサブスクで」という報告が。

 

それが今回ご紹介する、芸術鑑賞のチケットサブスクリプションサービス「recri」との出会いでした。

芸術鑑賞のチケットサブスクリプションサービス「recri」から届いたチケット

「recri」は2021年4月にスタートしたサービスで、現在は大きく“舞台”と“アート”の2ジャンルを対象にしています。私は月に一度、舞台のチケットが届く「舞台プラン」(月額7900円)を利用中。

 

利用の流れは

1:毎月10日まで/翌月鑑賞したい日時をすべて選んで登録

2:毎月11日~13日頃まで/提案された候補から好きな作品を選ぶ

3:翌月1日頃/チケットが解説レターとともに郵便で届く

 

●えー。サブスクなんて都合が悪くなってチケットが無駄にならない?

→都合のいい日時を日にちだけではなく、昼、夜の時間帯別に登録できるので行けそうな日程を細かく登録できる(OKな日時が多いと提案される作品の選択肢も増えます)し、日時と作品が提案された時点で予定が合わなければ別日程に変更も可能。忙しいときはその月の利用を簡単にスキップできます。

 

●好みじゃない作品が選ばれちゃわない?

→最初に「お届けチケット診断」で自分の興味関心や気分をあらかじめ登録しておける(いつでも更新可能)し、提案された候補が気分でなければ変更可能

 

というわけで、とてもよくできた仕組み。私も10、11月と連続でチケットを無駄にすることなく観劇をすることができました。

サブスクで実現した素晴らしい作品との「セレンディピティ(偶然の出会い)」

『セツアンの善人』の歴代ポスター

私のサブスク観劇デビューは、世田谷パブリックシアターで10月16日~11月4日まで上演されていた『セツアンの善人』。劇場で配られるチラシなどで見た、主演の葵わかなさんのインパクトのあるメイクと衣装は記憶にあったものの、自分でチケットを手配するところまでは至らなかった作品でした。

 

チケットと一緒に送られてきた解説レターから、作品紹介の後半を引用すると

~~~

原作は、20世紀最大の劇作家と称されるドイツの劇作家・ベルトルト・ブレヒトが、

第二次世界大戦中に執筆した作品。自身が徴兵された経験などから、

反戦の訴えや資本主義への風刺など、社会性が強い作品を多く残したことで有名です。

「人はどこまで善人でいられるのか」「お金で幸せになれるのか」

今をいきる我々に通じる、普遍的で痛切なテーマが描かれています。

善き人でいることと、幸せに生きることは両立できるのでしょうか?

~~~

 

私が二択に答えていくチケット診断で登録してあったのは

「感動や興奮を重視したい」<「学びや発見を重視したい」

「流行りの話題作は押さえたい」<「時代を超える名作は押さえたい」など。

自分で選ぶと“感動や興奮の話題作”に偏りがちなので、まさに求めていた作品ですね。

 

劇場には、過去に上演された際のポスターの数々が飾られていて、大好きな松たかこさんも今回、葵さんが演じる主人公の娼婦シェン・テと冷酷なビジネスマンで架空の従兄シュイ・タ(一人二役)を演じていました。なんでもっと早く出会わなかったのよ、残念!と。

 

久しぶりの世田谷パブリックシアターはキャパ約600席。帝劇や新橋演舞場といった大箱続きの身にはとてもありがたい臨場感が味わえる劇場で、演出はその芸術監督を2022年から務める白井晃さん。数々のブレヒト作品を手掛けてきて今こそ!と満を持して『セツアンの善人』の上演を決めたのだそう。

 

移動式のキューブが連なる未来的なセットや追加されたエレクトリカルな新曲は令和版ならでは。葵わかなさんの想像以上に力強い「語り歌」、『光る君へ』の演技で気になっていた木村達成さんのイケメンダメ男っぷり! 名作が見事なまでにアップデートされていて、偶然の出会いをくれた「recri」に感謝でいっぱいになる良作でした。

2作目は、100年以上前の作品とは思えない予言的SF作品『ロボット』

シアタートラムで上演していた『ロボット』

一作目が私のニーズにすっぽりハマったこともあり、いそいそ出かけたサブスク2作目は、シアタートラムで11月16日~12月1日まで上演された『ロボット』。チェコの作家カレル・チャペック(有名な紅茶屋さんの名前としても知られていますね)が約100年前に書いた作品で、“ロボット”という言葉は彼が生みの親だと、今回初めて知りました。

 

AIが急速に普及して、シンギュラリティの到来がにわかに現実味を帯びる2024年ですが、この作品で描かれるのは「ロボットの発達によって労働から解放されて退化していく人間と、団結して反乱を起こし、人類抹殺を企てるロボットの姿」(recri解説レターより引用)。

 

座席数200人台のシアタートラムで、元宝塚トップスターの朝夏まなとさんの歌声を聴く贅沢は鳥肌もの。人間として1人生き残るアルキストを演じる水田航生さんの慟哭、渡辺いっけいさんをはじめとするベテランの役者さんたちのユーモアとシリアスが瞬時に切り替わる演技。帰り道、続く余韻のなかで、「recri」さんに感謝のSNS投稿をしたところ、速攻でオフィシャルさんに反応していただき、リポストされた他の方の感想もチェック。やっぱり期待以上ですよね~。

偶然の出会いが次の興味につながり、興味の幅が広がるのがサブスクの醍醐味!

2作品続いた成功体験で、これはハズレなし!と確信した舞台のサブスク。私のような、毎週末のように観劇していても自分で選ぶものがどんどん偏るタイプはもちろん、recriを紹介してくれた友人のように、舞台を観に行ってみたいけれど何を選んでいいかわからない、という人にもいい仕組みだなぁとあらためて実感。偶然の出会いが次の興味につながり、興味の幅が広がっていくのがサブスクの醍醐味ですよね。

 

サブスクなので、お高いチケットも一律で観に行くことができ(一部、追加料金で選べる作品も選択可能)、えっ、この人気作品もサブスク対象なの!と驚くラインナップの幅広さもうれしい限りです(当たり前ですが選んだ日時でラインナップは左右されます)

 

現在は関東地方限定のサービスとのことですが、空席応援にもなりますし、何より仕事もエンタメもコミュニケーションも、なんでもオンラインの現代生活において、生の観劇体験は心揺さぶられる貴重なリフレッシュ空間です。電波の届かない空間バンザイ!

 

美術館や博物館、企画展の展覧会チケットが届く「展覧会プラン」は月額2400円。舞台と展覧会のチケットが1回ずつ2か月にわたって届く初回2回限定の「お試しプラン」(月額3500円×2)もあるようなので、気になった方は百聞は一見に如かずで、この偶然の出会いによる知的好奇心が広がる楽しさを体験していただければと思います。

 

詳しくはこちらから↓

「recri」https://subscription.recri.jp/

 

以上、すっかり回し者みたいになりましたが、もちろん王道エンタメ作品も大好き! 今は来年2月いっぱいで建て替えのため閉館してしまう帝国劇場とのお別れがひたすらツライです……。現帝国劇場の私的千穐楽は、ようやく1枚だけチケットを確保した『レミゼラブル』。大学時代、卒業旅行で訪れたブロードウェーで出会って以来(先日片づけをしていたらリーフレットとチケットが出てきました!)、舞台でも映画でも追い続けてきた作品。映画公開時には前職場でレミゼ特集を作ったのもよい思い出です。

『レミゼラブル』のパンフレット

2025年も、自分が好きな作品に加えて、どんどん進化するサービスで普段選ばない作品にもアンテナを張って、日々を豊かに生きていけるといいなと思います。歳を重ねるごとに硬くなっていく殻を破りたい! 帝国劇場も閉まるし、これを機会に少しペースダウンしないとお財布ももちませんけれど、サブスクはお得だからいいですよね(笑)

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