更年期の悩みは婦人科で相談
── そろそろ更年期も気になっている。
「睡眠障害っていうのでしょうか。短時間で目が覚めてしまうんです。短時間でも熟睡できている感じはあるんですが、長くは眠れない。朝は6時半に子どもを起こして、バスに乗せて、掃除機かけて…って、やることがいっぱいあって忙しいから、午後になるともうもたない。眠気が襲ってきます」
── ホットフラッシュも経験したので、今回のドラマの収録に入る前に、思いきって婦人科を訪ねたという。
「血液検査も受けました。そろそろちゃんと調べて、必要なケアをするべきだなと思って。それまでは更年期に効くといわれる漢方薬を飲んでいたのですが、『飲んでいるから大丈夫』っていう暗示みたいな感じもあったのかな? やっぱり女性ホルモンはどんどん減っていくわけだから。どこかで『まだいいかな』みたいな気持ちもあったけど、ちゃんと本腰を入れて、病院に行って、しっかり診てもらおうと思いました。まだ劇的によくなったわけではないので、試しながらですけど」
── 更年期と俳優業と子育てと。ただでさえ忙しいのに、睡眠不足は大問題。
「お風呂が救いですね。ソファに座って台本を読むと眠くなってしまうので、子どもが学校に行っている間に1時間ぐらい湯船につかっていることもあります。台本を読み終わるまで出ないと決めると、汗をかくし、老廃物が出てむくみが取れるし、台詞も覚えられます」
── できることを、少しずつ。その積み重ねが、今の吉瀬美智子さんをつくっている。そして、これからは?
以前のインタビューでは、「自分は目標を立てて、今何をするべきか逆算して考えるタイプ」だとおっしゃっていました。
「ああ、それはたぶん離婚前ですね(笑)。あの頃は何も怖いものはなくて、未来に向かってガーッと突進していましたけど、それが崩れちゃったから。自分が正しいと思ってやってきたことなど、いろいろ見つめ直したんです。明日生きているかもわからないんだから、5年10年先のことは考えません。とにかく本当に今が楽しければいい、今のこの幸せを大事にしたいと思うようになりました」
── 人生の荒波は誰にでも。そのつど大変な思いもするけれど。
「痛みを知るというか、そういう経験があると、人に優しくなれますね。離れていく人もいれば、力になってくれる人もいる。全部受け入れて、これからも仕事にワクワクしながら、毎日を頑張ろうって思っています」
吉瀬美智子さん
Michiko Kichise
1975年2月17日、福岡県生まれ。モデルとして活躍の後、2007年本格的に女優デビュー。おもな出演作に、ドラマ「ハガネの女」シリーズ、「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」「シグナル 長期未解決事件捜査班」などがある。出演するNetflixシリーズ「御手洗家、炎上する」は’23年7月13日配信スタート
撮影/土山大輔(TRON) ヘア&メイク/山下景子(KOHL) スタイリスト/道端亜未 取材・文/岡本麻佑
吉瀬美智子さん「第一子出産で20kg、第二子出産で10kg太って元に戻しました」
吉瀬美智子さん「体型キープのためにテレビを見ながら運動、デンキバリブラシ、お弁当作りなどあれこれやっています」