『君島十和子のおいしい美容「腸活レシピ」』を発売した、美容家の君島十和子さん。
今年59歳とは思えぬ美貌と可憐な姿を維持する彼女が、日々意識していることとは?
OurAge読者に伝えたい健康習慣、そして自身が60代、70代に向けて心がけている暮らし方について、さらに話を聞いた。
(十和子さんが腸活に目覚めたきっかけと今を語ったインタビュー前編はコチラ)
撮影/露木聡子 取材・文/石井絵里
君島十和子さん
Profile
きみじま とわこ●1966年5月30日、東京都生まれ。雑誌モデルや女優として活躍後、結婚を機に引退。現在は美容家であり、自身のスキンケアブランド「FTC」のクリエイティブディレクター。メディアで活躍しながら、SNSでの飾らない姿が大好評。『十和子道』(集英社)、『アラ還十和子』(講談社)など、ライフスタイルや美と健康の秘訣を書いた著書多数。YouTube:君島十和子チャンネル Instagram: @ftcbeauty.official
噛み方・飲み込み方にも美と健康のヒントあり
日々パワフルに活動している十和子さん。その秘訣を聞いてみると「食べるものの種類はもちろん、“食べ方”についても意識したほうがいいと思いますよ」という答えが。
「私は毎日の食事の中で、よく噛むことを意識しています。そして、なるべくのどの真ん中を通して飲み込むようにしています。
というのも、人って噛み方や飲み込み方にもクセがあって、どうしても同じような方向の歯やのどの筋肉を使うらしいんですね。
年齢を重ねていくと、飲み込む力が衰えていきます。だから今から、バランスよく噛んだり飲み込んだりすることをトレーニングして、嚥下する力を保っておく努力が必要なんです。
自然と食事をするスピードもゆっくりになり、食べすぎも防げると思っています」
日常生活の中で筋活&骨活を
同時に「全身の筋肉&骨量キープ」も心がけているとか。確かに十和子さんの姿を拝見すると、ウエストを始めとした全身が、びっくりするほど細いのに引き締まっている。姿勢がよくて、体幹もぶれていない。その秘密はどこに?
「筋力が落ちると血流が悪くなり、全身の細胞の老化も加速してしまいます。これだけ人前で美容や健康についてお話している私が筋力不足でヨレヨレの姿では、説得力がないだろうというのもあるんですけど(笑)、『今とこれからの自分のためにも筋力をつけないと』と思って、週に2~3回のウォーキングなどを習慣づけています」
また40代、50代と年齢を重ねるにつれて、明らかに代謝が落ちているのを感じたのも、積極的に歩いたり走ったりするようになった理由のひとつとか。
「朝晩必ず体重計に乗っているのですが、50代前半までは、前の晩に食べすぎて体重が1㎏増えたとしても、翌朝には500gぐらいは戻ったりしていました。それが次第に、増えた分の1㎏が減りにくくなっていて…。『あ、これは代謝が落ちているな』と実感しましたね」
今は筋肉を鍛えて代謝アップを促すと同時に、骨量も減らさぬよう“骨活”も意識。とはいえ特別なことではなく、毎日の中で自然に続けられる動作を行っている。
「ウォーキング中に、ジョグの動きを入れています。フォームだけは走る形を作り、速度は歩くぐらいのペースに落としてから、トントントンとリズミカルに足を動かす。こうすると、かかとから骨に刺激が与えられると思っています。
ウォーキングの行き帰りには、歩道橋など、あえて階段のある場所を選んでいますね。これは筋肉と骨、両方を鍛えられる場所。自宅の階段でも『筋活&骨活!』と思いながら、昇り降りをしています」
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「暗闇ラジオ体操」は体と向き合う大事なナイトルーティン
そして並行して行っているのが「暗闇で行うラジオ体操」。ラジオ体操と言えば朝や明るい光のもとで行うイメージが強いけれど、「暗闇」にはどんな意味があるのでしょう?
「目を閉じて視覚情報を遮断すると集中力が増し、体の隅々まで意識がいきます。最初は子どもたちや夫が近くで寝ていたから暗い中で始めただけで、このことには偶然気がついたのですが(笑)。
今は足元に転倒防止用のライトをつけ、薄暗闇の中で目を閉じてラジオ体操をしています。
自分の体に集中すると、『今日は全身がふらふらするな』、『三半規管が弱まっている?』、『バランス感覚をもう少し鍛えたほうがいいかもしれない』など、わかってくることがたくさん。
暗闇ラジオ体操は、今では入眠前の大事なルーティンになりました。お風呂に入り、髪を乾かしてスキンケアをしたあと軽く行ってから30分ぐらい読書をすると、すーっと眠りに入っていけます」
体の声を聞いてその動かし方を研究するだけではなく、パーソナルトレーニングを受けて、プロの意見を求めるのも忘れない。
「自己流の運動だけでは使いやすい筋肉だけを鍛えてしまいがち。私の場合、上半身の筋肉が少ない、股関節が硬くて足が開きづらいなどのウィークポイントがあるんですね。
特に股関節の柔軟性は、将来の健康にも関わること。段差でつまづいて大腿骨骨折などにならぬよう、今から内転筋(おもに太ももの内側にある筋肉)を鍛えるなど、先生とトレーニングを行うことで乗り越えたい課題がいっぱいです」
体は通信簿みたいなもの。コツコツ続けた結果が現れる
OurAge読者や、さらに若い世代にも「今すぐにでも始めたほうがいい美容&健康習慣は運動です」というアドバイスが。
「私は50代になるまでほとんど運動をしてこなかったので、今、頑張っていますが、早くから筋力をつけて、同時にタンパク質を摂取していればよかったと思っています。
筋力をつけたうえで、腸にいい食事を組み合わせて自律神経を整えましょう。自律神経は脳の中枢にあり、女性ホルモンを司る場所にも近いので、更年期世代の方は、自律神経を乱さないようにすることが大事です。
腸活も筋トレも、1日や2日で結果が出るものではないですが、食事と運動をどれだけ丁寧にできているかで、体はまるで通信簿のように結果を出してきます」
では60代、70代を見据えて、十和子さんが意識していることは?
「『アラ還十和子』という本も出させていただきましたが、この先は『アラ古希十和子』です(笑)。
正直なところ、見た目の美しさについては、50歳を過ぎて二の次、三の次になりました。そして58歳となり、この先を考えると、どれだけ自分のメンタルが整っているか、体力があるかが重要だと思うように。
健康でさえいれば、最新の美容情報もキャッチできます。10年後、20年後の未来は、想像を超えたアンチエイジング方法が当たり前になっているかもしれません。皆さんも私も心身が健やかであれば挑戦できるかもしれませんよね。
そのためにも今は、自分の体に心地よいこと、楽しいことに集中して生きる。そんな姿が周りからすれば“綺麗な大人”と映ることがあればうれしい、と思っています」
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『君島十和子のおいしい美容「腸活レシピ」』
著者:君島十和子(主婦の友社 1,870円)
日々をより健やかに過ごすために、十和子さんが追求してきた「腸活」メソッドを凝縮させたレシピ本。愛用の食材、調味料、腸の状態をさらに整えるライフスタイルの紹介も。「インスタライブでの人気レシピを集めた1冊ですが、ご自宅のキッチンで何度も読み返したり、『これが食べたい!』と、ご家族でページを開いてもらえたらと、書籍の形にまとめました」。