これまで野菜が持つ成分や栄養素について、耳で聞いたりどこかで読んだりするレベルで、「山芋は食物繊維がいっぱいだから便秘にも効果あるんでしょ??」とか、「キュウリには利尿作用があるからむくみに効くらしいよ」とか、野菜に詳しい専門家の方が聞いたら「その情報、薄っ!」なんて怒られてしまいそうな捉え方で日々過ごしておりますが、先日の畑で、「だからこの野菜は元気になるって言われているんだ!」と感心、感動することがありました。
関東にも大きな被害を残した大型台風が去った翌朝、何事もないことを願って車を走らせ、畑の景色が見えた瞬間、「ああ・・今年もか・・・」と肩を落とす景色が目の前に。
この間までイキイキ元気にツルを伸ばしていた師匠畑のカボチャやうりずん豆などが柵ごと斜めに倒され、切ない姿になっていました。
「でもねー、まだマシ!去年の方が酷かったから!」風の向きによってどう荒らされてしまうのか・・な状況の中で上陸前にケアをされていたのもあったのか、師匠ファミリーは慣れた様子で野菜のケアを手際よく進めていました。
ならばカトノリ農園は・・・? 台風事前ケア、施してないけど大丈夫?
割烹着と長靴、いつもの格好に着替え、一人、恐る恐る畑へと近づいてみると・・・
ズッサーーーッ・・里芋は根ごと掘り起こされている状態・・・。
葉が大きく広い分、風を思いっきり受けてしまったのだろうなあ(涙)。去年も同様に倒されてるし、来年こそ何か策を練らなくては!と誓わざるを得ない状況。
そしてこちらもズッサーーーッ・・。里芋同様、葉の大きなオクラも残念ながら横たわっておりました。
今年は7月の長雨の影響でオクラの成長も非常に遅く、ここにきてようやく実がつくようになって喜んだばかりだというのに縦横無尽に倒されてしまって、なんともかわいそうな姿に・・。しばし呆然としたものの、見ていても仕方がないので、どうにか立ち直ってくれないものかと、茎を痛めないよう起こし、支柱を挿し、支え、チープなケア方法で緊急ケア。全部のオクラとは言わない、八本あるうちどれかだけは復活して!そう願いながら作業をしてみました。
その日から二日後、畑メイトさんと一緒に畑へ。
彼女には被害状況を伝えてあったので悲しみを共有しながら野菜の元へ近づくと・・
オクラが立った!!
オクラ、復活!!
次に実を付けようと、花まで咲かせて復活!! 強い生命力を持って私たちの到着を待っていてくれました。
「手をかければきちんと野菜は答えてくれますよ」何処かからそんな言葉が聞こえてきそうな出来事に、心から嬉しくなりました。
そしてこのオクラ、もともとはアフリカ出身の野菜で、猛烈な暑さの中でも生き抜くために表皮には細い産毛を身にまとい、周りの温度を敏感に感じ取り、成長していくんだそうです。(買うときにこの産毛が見えるものを手に取ると新鮮な証です)。
さらにアフリカの大地で乾燥に負けないよう編み出されたオクラ術があのネバネバ成分で、この時期に「ちょっと食欲がないんだよね・・」な時にでもスルスルと喉を通って、知らぬうちに体を励ましてくれるとも。
私は専門家ではないので、薄らぼんやりとした個人的感覚でしか栄養や成分については語れないのですが、この見事な復活劇を見て、野菜が持つ生命力が放つ栄養がなんとなく知れたような、見えたような気持ちになりました。
あ、あくまでも気持ちなので、本当の成分は・・・食べて感じてみてください!!
汗かいて地固まる。
もちろんこの夜は軽く茹でたオクラと納豆(ネバネバ仲間)をツマミにお疲れ様ビールをゴクリ、味わいましたー!!
加藤紀子
公式ブログ 「加藤によだれ」 https://ameblo.jp/katonoriko/
「加藤紀子のエスプリ カフェ プラス」 http://www.ellebeau.com/electore-journal/n_kato/