コロナウィルスが世界を震撼させています。
サンフランシスコで仕事をしている息子が1月31日から出張で来日、2週間後に会社の友人の結婚式がインドのムンバイであるという事で出国しましたが、インドはその前の時点でアメリカに住んでいようがどこに住んでいようが中国パスポートの人は入国拒否という厳しい決定。結婚式に数人が参加できないという事態になりました。
ウィルス性疾患の大流行といえば17年前の2003年SARS(重症急性吸器症候群)を思い出します。当時は息子が10歳で調布にあるアメリカンスクールの小学校に通っていました。バブル崩壊以降、経済の低迷が続く日本に比べ、当時の中国やシンガポールの経済は破竹の勢いでした。将来を見据えてアジアのヘッドクオーターを東京ではなく上海やシンガポールに移そうという考えが高まり、公表はされていなくても、水面下ではオフィスが日本から次々と出て行く準備段階に入っていました。アメリカンスクールの駐在員の移動の状態を知る事はアメリカ企業が今後どのような方針で世界経済を進めていこうかを知る事に直結します。つまりどんな経済誌よりも先読みする事が出来るのです。
100年の歴史を誇る日本のアメリカンスクールもこの先の生徒の激減を予想し、今後経営をどうしていくかと頭を抱え始めた時に、SARS問題が起こったのです。
その時はWHOが流行期と規定する2003年の3月から2003年の7月までに日本での確認例は(今考えると奇跡的?)一件もありませんでした。これは在日の外国人家族に大きな安心を与え、衛生、健康管理における日本への信頼度を飛躍的に高めました。その結果多くの駐在員から要望があり、ヘッドクオーターを海外に移転させるのを踏みとどまらせたのです。あの時SARSの流行がなければ、多くの外国企業は日本を離れていたかもしれません。経済的にはある意味、災い転じて福となす事件でした。
今回のコロナも同じ事が起こって欲しいと何処かで願っていた私は甘すぎました。
結果はむしろ真逆で、ダイヤモンド・プリンセス号などへの感染対策で日本の信頼が大きく揺らいでいます。17年前とは人も物も行き来する桁が違い過ぎます。
東京オリンピックまであと5ヶ月。
手洗い、うがい、時差通勤 etc. とにかく自分たちが出来る事を粛々と行い、晴れやかな日が1日も早く来ることを皆で祈りましょう。
3月15日に日本橋三越で講演会を行います。
「若々しく楽しく年を重ねる極意」
3月15日(日)10:30〜12:00
下記よりお申し込みくださいませ。ぜひご一緒いたしましょう。