野菜作りを始めたのと結婚したのがほぼ同じくらいのタイミングだったので、とにかく「野菜を使った料理」を覚えること、喜んで食べてもらえることを意識していた日々。
その時には『インスタ映え』なんて言葉はなかったけど、それでもちょっとおしゃれに見えるようにとか、好きなお料理家の方のレシピや盛り付けを真似して、「のりちゃん、やるねー」と、夫からの「いいね」を待っていたような。
それから時間は過ぎ、春菊は茎がポキっと折れるところで収穫するとか、ほうれん草は葉全体を優しく掴んで引っこ抜くタイプと根元下2センチをナイフでカットすると葉を無駄に折ることなく採れるものがあるとか(種類で違うという学び) 、経験で覚えた幾つかの事が自然と出来るようになって、いくばくの成長はあるのかなあ?とふと思ったり、お料理の方も、大根は繊維が多い上の方はサラダ、真ん中は煮物、先は辛いからおろしなどの薬味、それでも食べきれなかったら干して保存、葉の部分は茹でたり炒めたり・・アレンジ自由!なアイデアをいつしか身につけたりして、スーパーでラップに包まれ、欲しいサイズのものしか手に取ってこなかった時代を思うと、「変わるんだな、人って!」なんて、照れくさくなったり。
(ちなみに新鮮な大根の葉のギザギザは、素手で触ると痛く感じる時があるということすら知らなかった派です)
青大根、紅芯大根、二種のサラダ。(スライスして塩もみした後、オリーブオイル、ナンプラー、ピンクペッパーで和えるだけ)
カロリーを意識する女子会ご飯で、お米と細かく切った大根を一緒に炊き、焼いてほぐしたシャケと炒めた大根葉の混ぜご飯。
畑メイトさんと畑の野菜持ち寄りランチを楽しんだり(トマトやトウモロコシなどのビタミンカラーが少ない冬の時代)
去年取得した“いなり寿司マイスター”の腕前を見てもらうべく、いなり寿司も一緒に。
いつかNHKの『サラメシ』さんに取材してもらえないかな〜(地味すぎるか・・)。
こんな風にシンプルだけど飽きない野菜を使った料理を作りたいと考え楽しむようになった一方で、調理の時に「あ〜、使えない」と捨ててしまう野菜の皮や種、芯、外葉などを、どうにかならないか・・そんなふうに考える自分がいました。
「さっきまで野菜の一部だったのに、切って捨てられた途端に“生ゴミ”と呼ばれるなんてどうにも切ない・・」そうも感じていました。
ゴミ出しの朝、ネットが掛けられているにもかかわらず、カラスにつつかれ、道に飛び出たものは我が家の野菜ではないかしら?と不安になる日もありました。
そこで10年以上前、一度トライして失敗した“コンポスト”にリトライしてみることに!
コンポストとは家庭から出た生ゴミなどの有機物を、微生物や菌の働きで分解発酵させ、“堆肥”にする処理法のこと。
そして堆肥になったものは再び土の栄養分として、テラスのオリーブやローズマリー、セージのプランターに入れてさらなる成長を願おうではないか!
ゴミは減る、植物は喜ぶ、一石二鳥な作戦!!
(というかもうやってらっしゃる方は世界中にいっぱいいて、今更ながらでごめんなさい)
そこで色々と情報を求め調べた結果、まずは手頃な値段で試せるこちらを購入してみました。
こちらは定期的に基材を送ってくださるシステムがあり、かつ分からないことはすぐにラインで相談できるという、なんとも頼れそうな存在。
早速説明書を読みながら袋の中に基材を入れ、カバンに入れたら(ファスナー付きで外部からの虫の侵入を防いでくれるそう)、さよなら野菜を投入!
(この日は畑で虫にガジガジかじられた白菜の外葉、みかんの皮などを投入)
いつかはこうした野菜で“ベジブロス”(さよなら野菜で作るスープ)が作れたら理想的だけど、まずは捨てるたびにモヤモヤしていた気持ちが「元気な土つくりになるのなら!」と前向きになり、さよならできるようになったのは大きな一歩かも? そう思えるようになりました。
説明書には「雨風が凌げる屋根の下で」と記されていて、屋根の下に設置してみたものの、私が留守の時に激しい横殴りの雨が降ったら・・そう想像するとなんとも心配で心配で、こんな風なプロテクト。
さよなら野菜が愛おしくなるなんて、本当、変わるんだなあ、人って!
そんな畑にも待ちに待った春が。
小さな種達がまた健やかに成長してくれますよう!
加藤紀子
公式ブログ 「加藤によだれ」 https://ameblo.jp/katonoriko/
「加藤紀子のエスプリ カフェ プラス」 http://www.ellebeau.com/electore-journal/n_kato/