いよいよ暖かな日差し、気温が生活の中に入ってきて、目覚めから嬉しい季節となりました。
長い期間、着ぐるみのようにモコモコとした格好で作業をしていた畑でも、ようやくロングTシャツ一枚で過ごせるようになり、ああ、なんと軽やかなこと!
どこかから聞こえるウグイスやシジュウカラの可愛らしいさえずりを耳に、出るが先か抜くが先か、まずは草取りから作業スタート。
先日は小さな草が群がっているぞ・・と観察したら、草に混じって大葉が芽を出していました。
確かに去年、そのエリアはまるで森のように大葉が茂った場所で、葉はもちろんのこと、穂じそまで楽しんでいたので、その時に種が落ちていたのだろうなあ・・。
種まきせずともまた芽吹いてくれるだなんて、なんてありがたい!
今年もたんまりの成長が楽しみとなりました。
種まきといえば去年、自宅コンポストで出来た堆肥を畑に撒いたら、ある日そこからカボチャとトマトの芽が!と喜ぶと、まさか実まで付け、再び美味しく食べることができました(詳しくは第59回『ここにカボチャがいる理由』を!)。
そこでふと、育った野菜を全て収穫しきるのではなく、敢えて残し、種が付くまで待ち、その種を採取して蒔いてみたら、どれぐらいの確率で発芽し、実を付けさせることが出来るのだろう?
こんなことを思い立ち、挑戦してみることに。
トライする野菜は大根。
というのも去年の今頃、葉を落として地中で保存していたはずの大根から、再び地上に葉が現れるほどに成長し、その葉に、花が咲いた後に鞘を付け、人生で初めて“ナマの種”に触れることが出来ました(普段はお店で売っている乾燥した種を蒔いているので、生の種を見る機会はありませんでした)。
「これがタネになるのかー!」と興奮したものの、その時はなぜか、蒔くという発想には至らず、畑メイトさんと鞘を齧りあって「大根の味がするー!」と、新たな大根の世界を発見して終わった私たちが、「食べるではなく、撒こう!」 こう思うって、少しは成長した・・・のかな。
霜に当たって痛んでしまう前に、一旦抜いて葉を落とし、食べたくなったら土から掘り起こすスタイルとして、地中保存した今年1月の初め。
そこから数本は食べ切ったものの、残りをそのままにしておいたら、3月中旬には去年同様、葉が地上に顔を出しました。
土から実を通して水分を吸収し、上昇していく気温とともに葉を伸ばしていくのだなあ・・・なんて思ったのも束の間、小さな花を咲かせていた、4月の初め。
ちなみに大根の”花言葉”は「潔白」「適応力」。
「潔白」は実も花も白いことから、「適応力」は一年中出回り、あらゆる調理法にも対応し、また、栄養面もしっかりあるという所から来ているとのこと。
「大根の花のように凄いね!」
こんな言葉をいつか耳にする日が来ますように・・・と願いつつ、数日後には、ぷくりと膨らんだ鞘を確認することが出来ました!
(去年はこの鞘を味見して終わりました)
ここから、種取りが出来るまではあと少し!
鞘の中のフレッシュな種が熟すのを待って、その後鞘から取り出して乾燥を。
どの状態が熟したことになるのか、しっかり様子を見ていかなくてはならないけど、無事に採取出来たら、秋の畑に蒔いてみたいなあ。
10年前の春、この場所で「種ってどう蒔くのか、右も左も分からない」と戸惑っていた私が、同じ場所で「種を採って蒔いてみたい」と望むようになるなんて。
野菜だけではなく、好奇心まで育ててくれる畑に感謝しつつ、待ちに待った気持ちのいい気温の畑でお弁当!
久しぶりにそんな時間も楽しんでこようと思います。
加藤紀子
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