「育て食べる楽しみ、それは大きな喜びに」
この気持ちは畑で野菜と向き合うようになって、知ったこと。
自分の手で種を撒き、苗を植え、無事の成長を願うよう、寄り添い、見守り、応援し、ようやくの収穫を待って、台所へ。
（写真は5月下旬、大根の間引き中の姿）
先日は今季初、キュウリ第一号を無事収穫！
最初に出来た実は小さめで収穫したほうが良いと教わってきたので、
（次の花や実がつきやすくするためだそう）
次なる実への期待を込めて、迷わずカット！
その夜、モズクに添えて食べたら、なんとも青青しく、出来立ての歯応えしっかり！
毎年、収穫が追いつかないほどの速さで成長していくキュウリ、今年もしっかり食べ尽くすぞ！！
待ちに待った夏野菜のシーズンがいよいよ始まりました。
なんて言いながら、育てているのに上手く食べられないものが我が家に。
数年前、テレビ番組のロケで２週間ほどインドに滞在した際、現地コーディネーターさんから「加藤さんそろそろイタリアンとか食べたりしませんか？」と泣かれたほどカレーが大好きで、隙あらばいつだって食べたい！と思うものの一つ。
ナンと合わせて楽しむインドカレーも、タイ米を絡めて食べるタイカレーも、無印良品でずらりと並ぶレトルトカレーも、畑近くにある喫茶店でいつも頼むカレースパゲティも、６年通った名古屋で毎週食べたスタジオ近くのカレーうどんも、「カレー」と名のつくものはスルー出来ない性分。
2020年の夏、長く通うビストロの方が「紀子さん、これもらってくれませんか？」と、小さな種をプレゼントしてくれました。
彼女は私が野菜を育てていること、スパイスを含む辛いものが好きなことを知ってくれているので、いつもそうしたものをお裾分けしてくださるのですが、今回は種・・。
種の発芽、上手く出来るかな・・・でもせっかくだし・・と、不安ながらもいただいて帰ることに。
２ヶ月後、水を含ませたキッチンペーパーの中からヒョロヒョロの芽が二つ！
そう、いただいたのはカレーリーフの種！
そんなカレーリーフ、育てた経験がある人は口を揃えて、「難しいんだよねー、大体枯らしちゃう！」とこぞって言うので、その種が無事に発芽してくれたことにひとまず安堵したものの、どのタイミングで土に植えようか・・温度管理は・・？
畑なら師匠に相談したり出来るけど、お家で一人、頂き物の命を上手く育めるかなあ・・不安続々。
さらに同じタイミングで、日本にカレーリーフを広めたと聞く、「ケララの風モーニング」の沼尻さんのお店で食事をいただいた夜、「その苗、持って帰っていいよ！」とお裾分けしてもらう事にもなり、この日からドキドキのカレーリーフ４株との暮らしがスタートしました。
小さなポットの中に、たっぷりの土を入れ、
（おうちプランターではevoの「野菜・ハーブがおいしくなるオーガニック肥料」を使用しています）
太陽の光がしっかりと当たる、キッチンの窓枠に。
水をあげすぎて根を腐らせないよう、光で葉が焼けないよう、でも過保護になりすぎるのもね・・と、ほどほどのチェックで見守る日々。
すると、暖かな気温となった2021年の5月には、ここまで成長を。
カレーリーフ用にと買ったこの小さなポットでは、いよいよ根が伸びにくいかも・・と、夏が来る前に大きなポットに植え替え、かつ、部屋の中から外へと置き場所も変えて、自然な気温を浴びさせることにしました。
すると小さいながらも、指で葉を撫でると、頬が緩むような柔らかで爽やかなフレッシュな香りがしっかり。
それでも料理に使うには葉が少なすぎるし、もうちょっと大きくなるまで眺めながらしばしの我慢。
8月になると「そもそも暑い国出身でしたもんね！」と言わんばかり、バテそうな暑さをも嬉々として迎え入れ、みるみるうちに葉を伸ばしていきました。
うっかり風で倒れてしまわないよう、支柱をしてみたり、虫食いされていないか、葉に触れてチェックしてみたり。
カレーリーフは何かしら食べられる実を付けるものではないものの、日々の成長が見れるのは、お家プランターの楽しいところ。
種を分けてもらってから１年、枯らさずにここまで来れた事にひとまず安心し、ようやくビストロの彼女に無事の成長報告が出来ました。
そして11月、畑の白菜は日に日に下がる気温に喜ぶ一方、プランターのカレーリーフは寒さにヒヤヒヤ。
またしても室内の日当たりの良い場所に移動させ、いよいよ料理での出番も増えるかも！と、料理上手さんに聞いたり、レシピを検索したり。
なのになぜだか気がつくと、私が作るカレーは、
大量に収穫したホウレン草をいかに消費するか！に気を取られ、市販のルーとペースト状にしたホウレン草でカレーを作ってしまったり、「たくさん採れたよ、カリフラワー！」なんて、
蒸して細かくしたカリフラワーをご飯代わりとした野菜カレー、目玉焼きトッピング・・。
スパイスとテンパリングすると良いと読んでいるのにも関わらず、一枚のカレーリーフも使用しない、うっかりカレー。
（市販のルーがあまりにもしっかり美味しいので、すっかり満足しちゃうんですよね）
せっかく伸ばした葉の出番は一度もないまま、ただひたすら静かに冬を乗り切り、ようやく迎えた今年の春。
ある朝、プランターの前を通り過ぎると触ってもいないのに、ムンとカレーリーフの香りがその付近一帯に広がっていて、これほどに強い香りを感じたことがこれまでなかったので、何が起きたかと近づいてみると、そこに小さな新芽を発見！
「あぁ、また嬉しい成長が見れたなぁ・・」と喜んだ数日後、より生き生きとした香りを感じたので、再び見てみるとそこにはなんと・・、
「この季節待ってました！」と言わんばかりに弾ける、可憐な花が！
さらにその花から放たれる香りは、葉の何倍も強いように感じられて、花の可愛さとその香りに惹かれて近づく虫のよう、しばし見惚れてしまいました。
それぞれのタイミングは違いながらも、４鉢中３鉢に可愛い花が咲き、思ってもいなかった楽しみ方を見せてくれた、カレーリーフ。
畑でなくとも、手をかけ、見守り、応援する姿勢があれば、豊かな成長に触れることが出来るのだなあ・・と、大きな喜び。
「お味噌汁に入れても美味しい」「どんどん摘んで葉は冷凍保存すればいい」「カレーに合わせずとも、気軽に使えるハーブ」
寄せられたありがたきアドバイスを、いつの日か実行出来るよう、引き続きこの愛おしいプランターを大切に、育てていこうと思います。
加藤紀子
YouTube 「加藤紀子畑チャンネル」 https://www.youtube.com/c/katonoriko
公式ブログ 「加藤によだれ」 https://ameblo.jp/katonoriko/
