HAPPY PLUS
https://ourage.jp/life/more/392087/

50代、「ちょっと疲れた…」と感じたら、休みの日にはあえて軽い負荷をかける

疲労のもととなるストレスはそこらじゅうにあり、オンラインでいつでもどこでもつながってしまえる令和の時代。50代が休養によって疲労を回復させるには、寝て体を休めることだけではなく、そこに+αとして「活力を高める」ことを加えるのがポイント。休養に詳しい片野秀樹先生に、活力の高め方を聞きました。

「活動」「疲労」「休養」の三角形では疲れは取れない

疲れたら寝ればいい──当たり前と思っていたこの事実、ですが50代にはこれだけでは通用しなくなっているのは第3回でお伝えしました。
ではどうしたら、日々の疲れを取り除けるのでしょうか。

 

「私たちは、職場や学校などに行って仕事や勉強をしたり、家庭のことや親関係のことなどさまざまな『活動』をします。

活動すると当然のことながら『疲労』を感じますね。疲労を感じたら『休養』を取ります。

こんなふうに、私たちは『活動』『疲労』『休養』の3要素でできたトライアングルを繰り返しています。

 

でも第1回でお伝えしたように、約8割の人が日常的に疲れを感じているというのですから、このトライアングルはどこか間違っている、もしくは足りないのではと言わざるを得ません。

 

スマホの充電に例えてみましょう

夜の間に充電をして100%になっている状態から、日中の活動によって10%くらいまで減ります。夜にまた充電器につないでおくものの、50%までしか充電できないうちに朝を迎えてしまう。
翌日は50%のところからスタートですから、早い段階で充電が枯渇してしまうのは目に見えています。

 

これを私たちに置き換えてみると、『こんなにパワーが少ないのでは満足に仕事ができないな』と簡単にイメージできるでしょう。
もちろん、急性疲労の段階でしっかり寝ることで、100%のフル充電にもっていけるならそれでOK。
でも、ただ寝るだけでは、体を機能させるシステムそのものが低下している50代は、そこまでもっていけない人が多いのも事実です」(片野秀樹先生)

記事が続きます

休養に活力を足すことでフル充電にもっていける

そこで片野先生が考えるのは、休養に+αをすること。

 

「+αとは『活力』です。

辞書で『疲労』という言葉を引いてみてください。

対義語のところには『活力』とあるはず。

前述のトライアングルに、疲労を打ち消す『活力』を加えて『活動』『疲労』『休養』『活力』の四角形にするのです。

 

休養で50%までしか戻せないところに、活力を高めることでフル充電に近いところまでもっていく。

そうすれば、翌日はエネルギーがたくさんある状態からスタートできるということです」

活力を加えるには『軽い負荷をかける』のがいい

では活力を高めるには、具体的にはどうしたら?

 

「逆説的に聞こえるかもしれませんが、『あえて軽い負荷をかけること』。

『超回復理論』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

あえて負荷をかけたトレーニングをすると、その直後は疲れて体力が一時的に低下しますが、そのあとに十分な休養をとることでトレーニング前より体力が向上するという現象です。

 

激しい筋トレを行った後に2~3日筋肉を休ませることで、トレーニング前よりも筋繊維が大きくなる、というのも同じ理屈。筋トレをする人にはおなじみかもしれませんね。

休日には軽い負荷をかける
休養にあえて軽い負荷を加えることも、これと同じ理論で活力を高める効果が見込めるのです。

 

記事が続きます

元の体力が10だとして、負荷をかけることで8まで一時的に下がる。でも回復時には11に上がっている。

そして次の休日には同じように負荷をかけたうえでしっかり休めば、回復時に12に…というように、

加齢で低下する基礎体力に抗い、徐々に基礎体力を上げてバランスをとっていけるのです。

 

 

当然のことながら、今疲弊し切っている人は、まずは十分に体を休めてマイナスを0の状態までもっていくことが先決です。

ですが、まだちょっと疲れているけれど気持ち的には余裕があるな、という人はぜひ軽い負荷をかけて活力を高めることを試してみてほしいと思います。

ヨガやハイキングなどの運動系はもちろんのこと、本を読んだり映画を観たり、習い事をしたりといった運動以外のことでももちろんOK。

 

50代にとっての正しい休み方は、ただ『寝る』だけではなく、軽い負荷をプラスすること。

まずはこれを覚えてほしいと思います」

 

イラスト/二階堂ちはる 取材・文/遊佐信子

 

【教えていただいた方】

片野秀樹
片野秀樹さん
博士(医学)
公式サイトを見る

一般社団法人日本リカバリー協会代表理事、ベネクス執行役員。東海大学大学院医学研究科、国立理化学研究所客員研究員等を経て現在は老人病研究、未病研究等に携わる。休養に対する社会の不理解を解消すべく、多方面で活躍。著書に『「休み方」を20年間考え続けた専門家がついに編み出した あなたを疲れから救う 休養学』(東洋経済新報社)がある。

 

 

片野秀樹先生の話題の書籍はこちら!
『「休み方」を20年間考え続けた専門家がついに編み出した あなたを疲れから救う 休養学』

あなたを疲れから救う 休養学

MyAge

大人のからだバイブル vol.3 「アラフィフだって痩せられる」

OurAgeの人気記事が1テーマムックに!
何度も読み返せる保存版OurAgeです。

MyAge
試し読み Amazon Kobo 7net

この特集も読まれています!

子宮筋腫特集~症状から治療まで
フェムゾーンの悩み解決
ツボ・指圧で不調を改善
40代からでも「絶対痩せる」
広瀬あつこさんの「若返りメイク」
閉経の不安を解消
記事が続きます

今すぐチェック!

60㎏超の50代女子が3ヵ月で痩せた! 40代、50代のための大人の痩せ方とは?

60㎏超の50代女子が3ヵ月で痩せた! 40代、50代のための大人の痩せ方とは?

<前の記事

<前の記事
第3回/なぜ50代は寝ても疲れが取れないのか

次の記事>

次の記事>
第5回/50代の疲労回復には「あえて運動」がいいワケ

この連載の最新記事

令和の休み方は「休養ファースト」で

第10回/令和の休み方は「休養ファースト」で

疲労回復効果を爆上げするのは「休養の組み合わせ」

第9回/疲労回復効果を爆上げするのは「休養の組み合わせ」

「心理的休養」で心の活力を上げよう

第8回/「心理的休養」で心の活力を上げよう

この連載をもっと見る

今日の人気記事ランキング

今すぐチェック!

OurAgeスペシャル