船の上で、サウナとジャグジー、豪華な夜ごはん、白夜の夕陽を満喫!
今回、どうしてもやりたかったこと、それは船の旅です。
フィンランドでは、7人に1人がボートを持っていると言われ、実際、私の友人の中で、ボートを持っている人は何人もいて、「散歩に行こう!」くらいのテンションで、近くの島に行くのに乗せてもらったこともあります。
この夏、フィンランドで再会したときも「今年の夏休みは、何をするの?」と聞いたら、「夫とボートでバルト海を横断するよ!」「ボーイフレンドとボートでストックホルムに行くよ!」なんていう返事をする人たちも。怖がりの私は「なんて勇敢なの!」と驚いたのですが、北欧の人たちにとっては、特にめずらしいことではないそうです。
もちろん危険と隣合わせなので、近場でもしっかりライフジャケットは着用しますし、島に着岸するときは、いつも笑顔の友人も今まで見たことのないくらい真剣な表情になります。「自然の厳しさを知っているからこそ、自然の美しさも楽しみも享受できる」というのが北欧らしいなと思うのでした。
私にとっては、自らボートを運転して海を渡るなんていうのは、夢のまた夢の話ですが、「北欧で豪華なフェリーに乗る」という旅のチョイスは、案外簡単に手に入ります。
今回選んだのは、豪華客船「タリンク&シリヤライン」のバルト海クルーズ。
タリンク&シリヤラインには4路線あり、フィンランド(ヘルシンキおよびトゥルク)とスウェーデン、フィンランドとエストニア、スウェーデンとエストニアの間を運航しています。
今回は、船で一晩過ごしてみたい!と思ったことと、360度どこを見渡しても水平線の海の上で、サンセットを見る!という夢を抱き、17:00ヘルシンキ発、翌朝10:00ストックホルム着の「セレナーデ号」を体験してきました。
乗船するや否や、マスコットキャラクター、あざらしのハリーくんがお出迎え! いくつになってもかわいい子には癒やされますね。
いざ出航です。船内探索は後にして、デッキに出て、海の上からヘルシンキの眺望を楽しみます。青空の下、ビールやワインを片手にみんなご機嫌です。
群島に囲まれたフィンランド。船は小さな島々を横目に航行していきます。島の姿も見えなくなり、追いかけてくるカモメもいなくなったら、船内へ。
セレナーデ号は、船といっても、移動式ラグジュアリーホテルのよう。季節ごとにメニューが変わる豪華なビュッフェに、イタリアン、グリルステーキ、シーフードなどお好みに合わせて選べるレストラン、大人の夜を楽しむバー、バンドやダンスなどが楽しめるエンターテイメントショーなど、プログラムが充実しています。
船のメインストリートとなっているのが、こちらのプロムナード。全長143mもあり、ここに人気ブランドの免税店やレストランが並んでいます。
北欧好きとして外せないのは、やっぱりマリメッコのお店。免税なのでかなりお得です!
人気の花柄「プケッティ(花束)」のシリアライン限定カラーのアイテムもあります。
他に、個人的に惹かれたのは、サウナ&ジャグジー。しかもサウナは、フィンランド政府観光局が選ぶ国内サウナベスト100に選ばれるくらいのクオリティ。フィンランドには人口約550万人に対し、約200万ものサウナがあると言われているので、ベスト100に入るということは本当にすごいことですよね。熱々の石に水をかけて、蒸気を起こす、フィンランド式サウナ「ロウリュ」を堪能しました。
温まったらジャグジーへ。大きな窓から空も見えて、開放感いっぱい! 北欧の人には船の旅もサウナも特別めずらしくないからなのか、意外とサウナもジャグジーも空いていました。なので、思う存分足を伸ばして、体を解放。心身ともにリフレッシュできました。
サウナから出たら、少しお腹が空いたので、再びプロムナードへ。グルメなフィンランドの友人がおすすめしていたのは、「グランドビュッフェ」。「特にお酒をたくさん飲みたい人は、飲み放題だから十分に元が取れるよ!」とアドバイスしてくれました。そう、フィンランドの人たちは本当によく飲みます(笑)。
私たちは、船に乗る前にふらっと立ち寄ったカフェのランチが驚くほどボリュームたっぷりだったので、夜はライトミールをチョイス。次回は腹ぺこで来ないと!と心に誓ったのでした。
他に気になったのはロブスターのお店。見るからに新鮮でとてもおいしそうでした!
お部屋のタイプはいろいろあって、こんなスペシャルな部屋もあります。マリメッコキャビン「コモドア」。これまではセレナーデ号のみでしたが、2024年9月よりシンフォニー号にもできたそう。家の寝室もこんなふうにかわいくしたいなあなんて思ったり。
私が泊まったのはこちらの部屋「デラックス」。海を望む部屋にしました。ボーダー柄のカーテンが船乗りの気分。この窓からの景色をおかずにお酒がいくらでも飲める!というくらい、一晩、とても贅沢な時間を過ごしました。
部屋についていたワインで乾杯! グラスもちゃんとありましたが、ラベルを撮りたくてこの写真です。
白夜だったので、日没は夜の11時ごろ。デッキに出て、水平線に沈むサンセットを味わいました。
そして明け方、ストックホルムに近づくに連れ、群島が見えてきました。
さあ、あと数時間でストックホルムに到着です。朝ごはんへとまいりましょう。
海を眺めながらの北欧スタイルの朝ごはん。フレッシュサーモンとニシンの酢漬けは欠かせません。スウェーデンの定番、クリスピーなライ麦クラッカー「クネッケブロード」もおいしかったです! ニシンの酢漬けとよく合います。
そうしていよいよ、ストックホルムのヴァルタハムネン港に到着。地下鉄に乗って街の中心部へ。そこには憧れの美しい街並みが広がっていました。
次回は、スウェーデンを代表するセラミックアーティストのスティグ・リンドベリやリサ・ラーソンを輩出した製陶所「グスタフスベリ」の町を訪ねます。
⚫︎タリンク・シリヤラインについて
公式サイトは、日本語の案内が充実しているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。また、北欧専門のフィンツアー など、タリンク&シリヤラインのバルト海クルーズ込みのツアーもあります。個人旅行はちょっと不安という方もツアーで楽しめますよ。
新谷麻佐子さんの北欧旅連載
『今人気の田園ツーリズム。フィンランド、ラトビア、エストニアに行ってきました!』