↑R大沢駅から広がる新潟の風景。当時は4月だったのに、山の上にはまだ雪が…
ミホ ミワさん、学生時代は冬といえばスキーよね。サークル仲間とわいわいガヤガヤ、懐かしいわ~。
ミワ そうそう。映画「私をスキーに連れてって」に感化されて、白いウエアを買ってカレーをこぼして大失敗した覚えがある(笑)。
ミホ (笑)。私たちの頃はスキー全盛期ですものね。そして、スキー場といえば温泉! 有名なスキー場がある長野や東北にもたくさんのいいお湯があるものね。
ミワ 数年前、スキーは行けなかったけれど、まだ雪が残っていた4月に越後湯沢駅から電車でJR大沢駅に向かって、秘湯の宿「大沢館」にいっしょに行ったわね。
ミホ あそこのお湯は秘湯の会にも所属しているし、私の好きな鄙びた温泉感たっぷりの、すごくいい温泉。露天風呂からの眺めも最高だったし、じんわりと肌に染みる温泉が本当によかったわ~。ミワさん、次のお休みに行きましょうよ。
ミワ ところが、現在、新しく生まれ変わるために休館中なんですって(2025年1月20日現在)。再オープンしたらすぐに行かなきゃね。
ミホ ぜひ、ぜひ!
急な坂道を上っても行く価値アリ! 源泉かけ流しの硫黄温泉「山の湯」
↑新緑の季節には緑に囲まれる高台にある「山の湯」
ミワ その帰りに越後湯沢の公共浴場に立ち寄ったのを覚えてる? 駅の観光協会の方に「駅から近くて、いい日帰り温泉を教えてください!」と伺ったら教えてくださったところよ。
ミホ もちろん! “温泉の質がダントツ”と教えてくださった「山の湯」ね。駅から歩いて行ったら最後の上り坂がきつかった~。でも、温泉のため!と思ってがんばったわね。
ミワ そう! 坂の上に建つ、山小屋風の建物が目印よ。硫黄温泉独特の温泉卵みたいなにおいがしてきて、気分が上がったわ。
ミホ 駅から近いのに源泉かけ流しのお湯がドバドバとたっぷり出ているなんて、あの坂を上る価値があるわよ。本当に温泉好きにはたまらないスポット! しかもこんないいお湯にワンコイン(¥500)で入れるなんて夢のよう。
ミワ 地元の方々からは「やまんぼちゃ」と呼ばれて親しまれていて、湯治場のような役割を果たしているそうだから、毎日通われている方も多いのでしょうね。うらやましいわ~。
↑こじんまりとした浴槽は自然光が入る、気持ちのよい空間
ミホ 私たちが伺った午前中も、もう地元の方がお湯を楽しんでいらっしゃったものね。ここのお湯は単純硫黄温泉(低張性アルカリ性高温泉)で、ほんのり白濁したお湯が特徴ね。湯船につかった瞬間にお湯が濃い! って感じたわ。
ミワ お湯に体を沈めて腕をなでると肌がツルツル♡ まさに美肌の湯だったわね! かの文豪・川端康成先生もつかったという由緒ある温泉なのだそうよ。
ミホ じゃあ私たちもきっとすごい文章が書けるようになるわね。
ミワ 書けるようになるまで通い続けなきゃ(笑)。
ミホ ここは高台にあるから、湯上りに座敷から見た外の山々の景色も気持ちがよくて…。時間を忘れて、まったりできたし。あ~、また行きたくなってきてしまったわ。
山の湯 Data
住所 新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢930
電話番号 025-784-2246
営業時間 6:00~21:00(最終受付20:30)
定休日 火曜日
料金 大人¥500、小人¥250
やさしいお湯は出た後もポカポカが長続き「駒子の湯」
ミワ ミホさん、あのとき、もうひとつ駅で紹介いただいた温泉覚えている?
ミホ 山の湯より広めで女性に人気と教わった温泉かしら?
ミワ そうそれ。その「駒子の湯」に、「山の湯」に行った次の年に伺ったの。
ミホ どうだったの?
ミワ それが「山の湯」から歩いて10分ほどしか離れていないのに、全くお湯が違うのに驚いてしまったの。
ミホ 硫黄温泉ではないのね?
↑浴槽も洗い場も広くてゆったり♡ ゆっくりと入れます
ミワ ナトリウム・カルシウム塩化物温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)。無色透明でさらっとしたやさしいお湯だから、温泉初心者さんにはとても入りやすい泉質。お湯の成分が汗の蒸発を防いでくれるから、保温効果が高いのも特徴のひとつ。冬に伺ったんだけれど、出た後もずっとポカポカだったもの。いっしょに行った友人は硫黄温泉がちょっと苦手だから、クセのない駒子の湯を「気持ちいい~」ってとても喜んでいたわ。浴槽も広めでゆったりとつかれて、癒された~。
ミホ 私はツウ好みの「山の湯」派!
ミワ ミホさんはそう言うと思っていたわ(笑)。温泉は好みがあるものね。源泉かけ流しの硫黄温泉を堪能したい方は「山の湯」、さらっとしたお湯がお好きな方は「駒子の湯」がおすすめね。ところで「駒子の湯」の由来をご存知?
ミホ 知らないわ。
ミワ 川端康成先生の小説「雪国」の主人公・駒子にちなんでつけられたのですって。
ミホ 湯沢は「雪国」の舞台になった場所ですものね。
ミワ ミホさん、よくご存知ね。「駒子の湯」には「雪国」の資料展示コーナーもあったの。お湯から出たら畳の休憩室でまったりしたりゆっくり過ごせるのもいいわね。駐車場も広いから車で来る方には、とても便利な公共浴場だと思うわ。
駒子の湯 Data
住所 新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢148
電話番号 025-785-7660
営業時間 10:00~21:00(最終受付20:30)
定休日 木曜日
料金 大人¥500、小人¥250(4歳~小学生)
ミホ 越後湯沢は新幹線なら東京から1時間15分ほどで行けるでしょ。日帰りで温泉と新潟産のお米やへぎそばなどなど、おいしいお食事を楽しむのもいいわよね。
ミワ ミホさんは、駅構内にあるワンコインの利き酒でしょ(笑)。利き酒中のお顔はとてもうれしそうだったもの。
ミホ そこは越後湯沢ではもちろん欠かせないスポットよ(笑)。駅にある酒風呂は混んでいて入れなかったから、次回はそちらも楽しみつつ、また日帰り温泉めぐりもいいわね。
ミワ そうね。では今度、ササッと日帰りで湯沢の温泉めぐりに出かけましょ!
【ミホ&ミワ プロフィール】
ミホ
健康、医療、美容、ダイエットをテーマに雑誌やWEB、書籍で執筆するヘルスケアライター。ワインエキスパートの資格あり。20年以上前に温泉ソムリエを取得。温泉と酒と鉄道をこよなく愛す。特に秘湯が好きで、過去に「日本秘湯を守る会」のスタンプ帳を2回コンプリートした経験あり。最近ハマっているのは推し活(平野紫耀くん強火担・Number_i箱推し)。
ミワ
ダイエット、美容記事のほかトラベル媒体でラグジュアリーホテル、宿の取材歴多数。健康と美容と旅を追求するヘルスケア&トラベルライター。温泉好きが高じて温泉ソムリエを取得。温泉とマッサージと猫をこよなく愛し、いいお湯を求めて、全国の温泉を渡り歩く。
取材・文/山本美和