これまでいろんな人を見てきだけど、一番努力できるタイプは、見栄っ張りの人ですね。人前でいい恰好したいから、自分の欲望を抑制することができるんです。
たとえば同窓会で友達から「若いねぇ!」って言われたい一心で、ダイエットや美容に励むことができる。本当はだらしなく酒を飲んで寝たいところを「やべえ!」って我慢できたりとか(笑)。家では汚い恰好をしていても、人の目を意識して、外出のときは、きちんとしたおしゃれして出かけるとか。日本人には少なくないタイプだと思う。
そういう人は、ブログやフェイスブックなんかやるといいわよね。「だらしないところは見せられない」ってすごく頑張ると思うし、生活に張りが出ると思う。
「見栄」って良くない意味で使われることが多いけど、美しく生きようと努力することができるんだから、けっして悪いことばかりじゃないと思いますよ。
あと、見栄っ張りで競争心の強い人は、自分よりちょっときれいで、ちょっと賢くて、ちょっと性格が悪い女がそばにいると一番努力すると思います。
性格がいい友達だったら、「彼女は性格もいいし、モテて当然ねぇ」って納得しちゃうけど、性格悪かったら、「あんなに性格が悪いのにチヤホヤされて!!」ってムカつくじゃない?(笑)。その闘争心が自分の頑張る糧になるのよね。
ただ、この手はみんなに通用するわけじゃなくて、競争心の薄い人には効果なし。だから、自分は目の前に何をぶらさげられたら動くのだろうと。それがわかってないと、結局、自分を動かせない。
だから己を知るということが何よりも大切なんです。そして自分の性格を利用すれば、きっと努力も長続きするはず。
「プライド」コーラス2007年2月号扉
取材・文/佐藤裕美