よいしょ!と腰をかがめてひっくり返すは、サツマイモ!!
ツル返しと呼ばれるこの作業、隙あらば土の中にどんどん根を張るツルを適度に引っ剥がし、余計なサツマイモが育たないようにする大事な作業。
(地中のサツマイモに集中して栄養が行くよう、促してあげるそう)
一週間に一度ほどツルを返しては寝かせ、また向きを変えて返して・・
もうすぐの収穫まで、願いを込めながら頑張ります。
「秋茄子は嫁に食わすな」
そんなことわざがありますが、生産者の特権でたくさん食べまーす!と、まだまだ楽しんでいるナス。
今年は普通のナスとマーブル柄のナスを植えました。
最初に実がついたのが7月初旬。
夏野菜として味わい、勢いはそのままに秋野菜としても寄り添ってくれて。
油との相性も良く、お味噌やお醤油とも親しめ、和食にイタリアンにインド料理やトルコ料理に・・・。
「実はこう見えて歌も落語も出来て、ホームランも打つしボクシングもやるっす、しかもダンスしながら5ヶ国語話せるっす!」
ナスって万能!! ノットおたんこナス!!
と言いながら、このナス。
無事に育っているかどうか、花が咲き始めた時点でチェックすることが出来ると教わりました。
順調な場合『長花柱花(ちょうかちゅうか)』と言って雌しべが雄しべよりも長く、自然と花粉を届けやすい状態になっているそう。
(これが噂の長花柱花。雌しべ、長っ!)
一方、雌しべが短く雄しべが長い状態の『短花柱花(たんかちゅうか)』になっていると、風がどれだけ頑張ってもうまく花粉を届けることが出来ず、お花が咲くだけで終わってしまったり、実になっても元気なナスになれなかったりするそう。
未熟な私はどうしても実を採ることに意識が行きがちだったのですが、これを知ってからナスのお花から届くメッセージにも注意して、葉を落としたり、土に肥やしを蒔くなど必要なケアをして応援するようになりました。
にしても、「短花柱花!」「長花柱花!」って時代劇で聞くセリフみたいで(完全に、サイコロ振って「丁か半か!」 あのシーンです))、忘れにくく良いネーミングだなあ・・。お花を見ながら毎回思います。
そう、私にとって畑は、学びと笑いを与えてくれる場所。
その昔、ドラマ「金八先生」で、「人という字は人と人とが支えあっているから成り立つんだ!」みたいなことを言うシーンがあったような記憶がありますが、まさか空中でナス同士が支え合うことがあるとは!
一体何があってこうなった??
しかも二週間後には
支えあったまま喧嘩することなく、顔と同じくらいまで大きくなるとは!!
秋の畑支え合い運動!!
これぞまさに・・・
『言うことナス!!!』
失礼しました〜!!
加藤紀子
公式ブログ 「加藤によだれ」 https://ameblo.jp/katonoriko/
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