「歳をとると一年なんてあっという間だから」
いつだったかこう言われ、
「みんなに平等に流れている時間がそんな風に感じることなんてあるだろうか?」なんて思ったけど、あっという間というか、一瞬というか、寝返り一回まばたき二回というか(意味を持たないことわざみたい)、言われた通り、毎日は忙しくあまりにも早く過ぎて行きました。
暖冬傾向と言われるこの冬、確かに露地栽培でピーマンが12月中旬まで収穫できて嬉しいと思う一方、大量の青虫がキャベツに発生し、私達の食べる分がどんどん奪われてしまいました。
(キャベツ色したフンを見て「畑のキャビアや〜」と言ってみたら、畑メイトさんから「違うから」と冷静に注意されたのもいい思い出)
そこで今回は2018年をきちんと締めくくり、2019年さらに成長出来るよう、畑で得た学びと反省を振り返りたいと思います。
収穫した野菜や毎年仕込むお味噌、ワークショップで教わったお醤油を使って作ったおせちを食べて新年がスタート、その2週間後に東京は数年ぶりの寒波により大雪に見舞われました。
「雪だなんてちょっとワクワクしたりする自分がいるかも!」
その非日常に盛り上がっていた一方、畑の野菜達は無抵抗のまま雪に覆われておりました。
「大変っ!」慌てて雪を払ってみると、寒さに負けない白菜もいれば、春菊とは挨拶できないままお別れで心しょんぼり。
『雪予報、浮かれることなく畑の心配』。一つ心に刻みました。
3月のある日にはハウスでキュウリの苗作り!
違う2種の苗を融合させて病気になりにくい苗にする“接ぎ木”という作業。
「お店で接ぎ木された苗を買うこともできるけど、自分たちでやった方が勉強にもなるし、安いよね!」
畑師匠から手ほどきを受けて毎年やらせてもらうものの・・。
まず最初に穂木(ほぎ)となるキュウリの苗の先をカミソリで薄くスライスしてから、台木(だいぎ)となるカボチャの苗にY字に切り込みをいれ(キュウリにはカボチャのペアが多いのだそう)、この二つを丁寧にドッキングさせたところでクリップでキープ!
ちなみにこの苗、どちらも貝割れ大根ほどの細さゆえなかなかに難しく、指先緊張タイム。
それでも夏に元気なキュウリと会えるのが楽しみとなる、大切で嬉しい時間。
その甲斐あってか、キュウリは何本も実をつけ、初夏の食卓を潤わせてくれました。
同じく盛り上げてくれたのはこちらの枝豆も!
ビールのお供に枝豆!ではなく、枝豆のお供でビールをゴクリ!
畑から帰った後のこのセットは何よりのご褒美、たまらない美味しさを実感します!
一方、年頭で冬の雪による被害を学んだ私たち(私と畑メイトさん)は、猛暑だ!台風だ!と夏バージョンで盛り上がる天候の中で慌てたり泣かなくても済むよう、葉野菜以外の野菜達ケアとして、それぞれの野菜に支柱をしっかり立てることを心がけました。
するとこのうりずん豆や、トマト、キュウリ達はツルが絡みやすいのか青空に向かって気持ちよさそうにぐんぐんと伸び、その姿はたくましくもあり微笑ましくもあり。
なんて安心したはずなのに、この夏何度も畑を通りすぎた強すぎる雨風は「邪魔だ!邪魔だ!」と言わんばかりに
作戦むなしく、支柱も枝も遠慮なくなぎ倒されるパターンにより、トマト一発アウト・・・。
『台風で、強制終了いと悲し』
倒しますよ・・とお手紙くれたらいいのになあ・・・。
そして「秋といえばやっぱり芋掘りだよね!」と、4月に植えた里芋、海老芋を掘り起こします。
途中、台風に倒されてダメかと思ったけど、なんとか持ちこたえてくれた頑張り芋は、縁起も良さそうだ!とお節料理に活躍させようと計画中。
こう振り返ると、この一年は全く「あっという間」には過ぎ去っておらず、畑と野菜、畑師匠ファミリーや畑メイトさんからたくさんの楽しみと喜び、時に悲しみまで十分すぎるほどの充実を与えてもらっておりました。
自然との共存の中で、どれも想像したように育てられたわけではなかったけど、その分手の中にあるものを無駄なく生かそうと思えたのも大きな学び。
この一年で得た経験をまた2019年に繋げ、美味しくて楽しい野菜作り時間を過ごしていけたらなあ・・と願いつつ、このページに遊びに来て下さった心優しき読者の皆様が素晴らしき新年を迎えられること、心からお祈り申し上げます。
今年も一年お付き合いくださいましてありがとうございました。
また来年も引き続き、宜しくお願いします!!
加藤紀子
公式ブログ 「加藤によだれ」 https://ameblo.jp/katonoriko/
「加藤紀子のエスプリ カフェ プラス」 http://www.ellebeau.com/electore-journal/n_kato/