自分でもできる養生として、人気の「ツボ」押し。鍼灸師、深町公美子さんによるシリーズです。
心と体にきく 毎日のツボ
第2章 生活習慣病にならないために
第2章では、具体的な症状別に効くツボについてご紹介していきます。
寒い時期はもちろん、夏でも足元が「冷える」と悩んでいる方もいます。
今回は、万病のもととも言われる「冷え」を改善してくれるツボをご紹介します。
寒くなってくると足は冷えるし、肩こりもひどくなるなんて経験はありませんか? 人によっては真夏の暑い盛りでも足元が冷たいこともあります。これらは両方とも「冷え性」です。
そして温めてもたくさん服を着込んでも解決しにくいのが、「冷え性」の典型的な症状です。
東洋医学では、冷え性と肩こりはワンセットで考えられています。「上実下虚(ジョウジツカキョ)」といい、血行が悪くて気の巡りがつま先まで行かず、上半身にばかり気が巡って片寄っている状態をさします。その結果、肩がこり、足は冷えるのです。だから冷え性を改善すれば、自然に肩こりも軽くなります。
おすすめは、足の裏にある「湧泉(ユウセン)」です。足指を曲げるとできるくぼみの位置にあり、「押せば命の泉湧く」ともいわれる元気のツボで、あっという間に血の巡りが良くなります。
まず、足の裏と手のひらを合わせてこすってから、「湧泉」を約3秒間、親指を重ねて押すのを数回繰り返します。
「冷え」の改善には、「押せば命の泉湧く」ともいわれる元気のツボが効果的!
「湧泉(ユウセン)」
「湧泉」は足裏にあって、足指を底のほうに曲げると、第2指と第3指で「人」の字の形のへこみができますが、その交わる谷の部分です。
右足を左太ももにのせ、左手は右足指に添えます。右手のひらと右足裏を合わせてこすり血行を良くしてから、添えた左手で右足指を曲げ、くぼみを確認したら親指を重ねて約3秒間押し、これを数回繰り返します。反対側も同様に。
【もっとイイネ!】
シャワーより湯船に浸かって十分温まる習慣も効果があります。
次回は、「四十肩の痛みを軽くする」ツボをご紹介します。
構成・編集/ U T U . h i m u k a イラスト/丸山裕子