自分でもできる養生として、人気の「ツボ」押し。鍼灸師、深町公美子さんによるシリーズです。
心と体にきく 毎日のツボ
第2章 生活習慣病にならないために
第2章では、具体的な症状別に効くツボについてご紹介していきます。
なかなか人に言えない悩みも、ツボ押しによって症状が軽くなるといいですよね。
今回は、「痔の症状を緩和する」ツボをご紹介します。
痔の症状があると知られるのがなんとなく恥ずかしくて、一人で悩み、医者に行かずにいる人が多いのではないでしょうか。でも、あまり気にしないでください。虫歯に続いて多い病気と言われているくらいですから。
東洋医学では、「痔にきく」有名なツボがあります。
頭のてっぺんにあって、左右の耳の延長線と鼻からの延長線の交差するところにある「百会(ヒャクエ)」と、尾骶骨(ビ テイコツ)の先端にある「長強(チョウキョウ)」です。それらに加えて、もうひとつ、痔の症状を緩和させるツボ「 会陽(エ ヨウ)」も紹介しましょう。
「会陽」は、「長強」の左右、親指の幅の半分外側の位置にあります。まずは「百会」を中指を重ねて5秒ほど押すのを3回繰り返したら、「長強」も中指を重ねて約5秒間3回繰り返し押します。そして「会陽」を、やはり両手でいっしょに約5秒間押すのを3回繰り返します。「長強」と「会陽」のまわりを軽くマッサージするのも有効です。
それぞれのツボを押したり、まわりをマッサージすれば症状が緩和します!
「百会(ヒャクエ)」
「会陽(カイヨウ)」
「長強(チョウキョウ)」
まず、「百会」とその対極にある「長強」を、中指を重ねて5秒ずつ3回押したら、次に「会陽」を、中指で左右同時に5秒3回押します。
【もっとイイネ!】
痔は、肛門部の静脈のうっ血に起因するものなので、ツボ押しで効果を期待すると同時に、冷えや食生活の改善などで静脈のうっ血がおきないよう工夫してみましょう。
次回は、わずらわしい「耳鳴り」をおさえてくれるツボをご紹介します。
構成・編集/ U T U . h i m u k a イラスト/丸山裕子