自分でもできる養生として、人気の「ツボ」押し。鍼灸師、深町公美子さんによるシリーズです。
心と体にきく 毎日のツボ
第2章 生活習慣病にならないために
第2章では、具体的な症状別に効くツボについてご紹介していきます。
最近では若い人にも増えてきているという「ドライマウス」。
今回は、口が渇くことで口臭が気になってしまうこの「ドライマウス」の症状改善に効果のあるツボをご紹介します。
口の渇き、いわゆる「ドライマウス」は、喉の渇きとは少し違います。口の中の潤いが足りず、口臭が強くなったり、ときには舌が痛くなったりする状態をいいます。
以前は加齢とともに唾液の分泌が少なくなってドライマウスになることが多かったのですが、最近は若い人にも増えています。それは、よく嚙まなくても飲み込めてしまうやわらかい食べ物を食べることが増えたせいと考えられています。唾液の分泌が少なくてすむので、口が渇く傾向に拍車がかけられるからです。
これ以外にもストレスをかかえている人、口呼吸になりがちな鼻疾患のある人もドライマウスの傾向があります。
おすすめのツボは、「客主人(キャクシュジン)」です。それに「水溝(スイコウ)」と顎の中央の「承漿(ショウショウ)」に、体液の流れを促進させる「雲門(ウンモン)」も加えるとより効果的です。「雲門」は、手を上げると鎖骨の下、腕寄りにできるくぼみで脈を感じるところにあります。ガムを嚙むのも唾液分泌促進に効果があります。
これら、顔と体のあわせて4つのツボを押すと効果大です!
「客主人キャクシュジン」「水溝(スイコウ)」
「承漿(ショウショウ)」「雲門(ウンモン)」
「客主人」は、顔の横でもみあげの前のくぼみ、左右にあります。
客主人とはまたおもしろいネーミングですが、別名上関(ジョウカン) ともいって、すぐ下の※下関(ゲカン)とあわせると、ちょうど客と主人が相対しているように見えることから名づけられたもの。「水溝」は、鼻の下で縦に走るくぼみ、いわゆる人中です。
まず客主人を中指で左右いっしょに3回押したら、次は「水溝」「承漿」を、それぞれ中指を重ねて3回、最後を長めに押すと効果的です。
次回は、「乗り物酔いを克服」できるツボをご紹介します。
構成・編集/U T U . h i m u k a イラスト/丸山裕子