自分でもできる養生として、人気の「ツボ」押し。鍼灸師、深町公美子さんによるシリーズです。
体と心にきく 毎日のツボ
第4章 これで安心して仕事ができる
第4章では、仕事や職場の様々な場面に応用できるツボを紹介します。
【アフターファイブのセルフケア】
感情の乱れから起こるストレス。そのストレスによって調子が悪くなってしまうこともあるようです。
今回は、その「ストレス」を感じたその日に解消できるツボをご紹介します。
現代はストレス社会ともいわれ、病気のなかにはストレスが誘因となるものも多いようです。東洋医学では、自然界を木・火・土・金・水の五行に分けて、それらを相互関係で診ますが、ストレスは感情をつかさどる「五情」のなかの木の怒り、火の喜び、土の思い、金の悲しみ、水の恐れに大いに関係しています。
第10回の【「五行」は、体と深くかかわっている】でご紹介したように、「五情」は「五臓」と関連させるとわかりやすくなります。たとえば怒りすぎると木の肝を痛め、喜びすぎると火の心を痛め、思い込みすぎると土の脾を痛め、悲しみすぎると金の肺を痛め、恐れすぎると水の腎を痛めるという関係です。
このような感情が乱れたところにストレスがひきおこされるのです。だからいきすぎた感情がないようにすることが、ストレス知らずの健康でいられる秘訣。ストレスに強くなる「ストレス力」をつけましょう。
それに有効なツボは、「労宮(ロウキュウ)」と「内関(ナイカン)」、そして「身柱(シンチュウ)」です。
感情の乱れが落ち着き、健康でストレスに強くなります!
「身柱(シンチュウ)」「内関(ナイカン)」「労宮(ロウキュウ)」
「身柱」は、脊柱の上にあって第3胸椎棘(キョウツイキョク) 突起の下に位置します。首を前に倒すと飛び出す首の後ろの第7頸椎棘突起。そこから順に突起を触っていって3つ下がったところの第3胸椎棘突起の真下が「身柱」。ここを中指でぐりぐり揉みほぐします。
手のひらにある「労宮」、手首からひじ方向に上がったところにある「内関」も同じように揉みほぐします。
次回は、いやなことがあった時の気持ちの「興奮をおさえる」ツボをご紹介します。
構成・編集/U T U . h i m u k a イラスト/丸山裕子