やっと着物が似合う年齢になりました
「千明ちゃん、これから着物を着て欲しいのよ。」
連休の一日、今日は私の着物の先生、喜久子先生のお宅にお邪魔しております。
外は暑いけれど、部屋の中はヒンヤリと冷やしてもらって、自分で着物を着てみます。
着物を着る時は、部屋も少し寒いくらいにしておかないと、後ろ手で帯を手繰るだけでかなり汗ばんできますから。
ここ数年、忙しかったのと色々で、しばし着物の世界から離れていた私ですが、すっかり気分は復活。
着物ラバー度は前にも増しています。
先生のおっしゃる通り、「今こそ着物を着ないでどうするの!」
やっと着物が似合う年齢になってきたというのですから。
喜久子先生は、仕事も着物で行ったら!?とおっしゃる。
それは素敵。かなりのゴージャス。
着始める前にスマホで写真をパチリ。
産まれた赤ん坊はお乳を飲むより前に、衣(きぬ)に包まれる
衣は単なる布でなく、魂を包むものと教わってきました。
私達日本人にとって、「衣」はとても大事なもの。
服も着物も魂を包む、その人の生き方を表す大切なものと思うと、
私達女性が服や着物にとても魅かれるのは自然なことです。
鳥が羽を繕うように、生き物、動物としても、自分が飾って美しく見えるようにする行動は、
健康的なこと、とても自然なことだと思います。
今年の夏は、点々と墨を落としたような白い麻の着物を探して欲しい
とリクエストを出していました。昔の書生さんが着るような着物です。
夏の暑い日に、真っ白な麻の着物が着てみたい。
私が思い描いていたのは、小千谷縮の井桁絣、小千谷の麻の着物でした。
苧麻—からむしの帯
何て読むのか、難しい字ですが、「からむし」とか「ちょま」と読むそうです。
イラクサ科の多年草、とても強い植物の繊維を紡いで織った帯です。
国の重要無形文化財にもなっている織物ですが、小千谷の真っ白な着物にこの帯を当ててみました。
そりゃあ、カッコいい!
これは私には素晴らし過ぎて手がでませんが、名前だけでも覚えておかなくちゃ!
なんてモダンな帯。渋いなあ〜。カッコいい!
「先生、格好良すぎませんか?わたし、これを着るのだったらキャラを変えなくちゃ!」
自分のものにはならなくても、これを締めてどこかへ出かけている自分を想像するだけで楽しくなります。
それが着物遊びのいいところ。
着物一枚に帯3本と言います
紫の帯を当ててみます。
女性らしい優しい雰囲気に変わります。
着物1枚に帯3本と言いますが、帯でこんなに着物が変わるのですね。
この紫の帯は、京都の捨松(すてまつ)さんの帯。
捨松さんの唐草模様の紫の帯。こんな帯を締めて、夏の夜にどこへ行きましょうか?
仕事一辺倒の勇ましい毎日から、自分の中の女性らしさを取り戻したいものです。
この帯には、どんな帯〆があうのだろうか?
帯〆、帯留、帯あげとコーディネートを考えてみる。
楽しい悩みごとが尽きません。
捨松さん、特別な物作りをしている伝統ある帯匠さんなので、HPを載せました。
屋号の由来もおもしろいので読んでみてください。
http://obiyasutematsu.co.jp/cont2.html
私には私の着方
首元が細い私は、あまり襟を開けない方がよいようで、襟は少し抜きますが、
襟の合わせ、襟元はきっちり締めるようにしています。
着物の着方にはその人のキャラや生き方がでるようです。ふわっとラフに着るのが私流。
少しずつ慣れていくと自分らしい着方ができるようになります。
かつては、子供でも学生でも、正式だろうと作業だろうと、男も女も着物を着ていたのですから、
自分らしく楽に着られないはずがありません。
うんと慣れて、どこへでもふわっと着て行ければよいなあと思っています。
着物はじめは夏が一番。重装備でなくて夏のゆかたから始めればよいですし、
何がゴージャスって、暑い最中の夏の着物ほど贅沢でセクシーなものはありません。
皆さま、一緒に着物に狂ってみませんか?
女に産まれて良かった、年をとってきて良かったと心から思えます。
吉川千明さんの毎日YOJO は こちら