今年は葉の色づきがいい、という噂話と、国道から見える山並みが、美しく彩られていくのを目にして、秋田三大地主であり、東北三大地主でもある、国指定名勝・池田家の、旧池田氏庭園払田分家(ほったぶんけ)庭園へ、母を連れて紅葉狩りへ。私のパートナーくんも、おつき合いしてくれました。
車イスを使わずに、頑張って歩いて行くという母と、しっかり手を繋いだ私、正門前で親子の影をパシャリ。
実はここは、隠れた紅葉の名所で、平日のこの日も、ご夫婦らしき方々、お若いカップル、本格的なカメラを携えた方々など、私たちがいるうちにも次々と来園してました。
午後3時頃の陽射しを受けた、まっ赤なモミジの木が得も言われぬ美しさ。
苔の緑が目を惹く石は、腰を下ろすのにちょうどよかったのかなと、想像が広がります。
地面や、懐古的な雰囲気を感じる木の通路に落ちた葉が、儚げで綺麗です。
赤や黄色のモミジが、ホントに綺麗でうっとり。光に透けてキラキラと、自然の輝きにただただ見惚れてました。
おでかけ女史組1年目に、旧池田氏庭園を見学しブログを書きまして、そこでも触れましたが、その昔、私の母方の祖父が池田家に勤めていて、現・大仙市内の、旧仙北町(せんぼくまち)にあった池田家分家の兄さん(あにさん、と母が言ってました)が、大曲(私の住む地域)の町へ来たときは、必ず「いるかい!?」と言ってうちに寄って行ったものだと、懐かしそうに話していました。庭園内の東屋にある写真や、正門前にある説明書きを、熱心に見ていた母の姿が印象的です。
その東屋でひと休みしているうちに、眩しいお日様が夕日に変わりつつあり、そろそろ帰る時間に。
紅葉の彩りを目に心に焼きつけ、たくさん写真も撮って、また正門をくぐり庭園を出ました。
その正門周りに、幼少期でも見たことがなかったぐらいのトンボの大群が飛び交っていて、入るときもビックリでしたが、出たときもやっぱりビックリ!自分の胸あたりにとまったトンボを見て、「あらあら〜!」とハシャいでいる母が、なんだか可愛らしいなぁ、なんて思いました(笑)
私もトンボの大群を、ジーっと観察。
そんな私をパートナーくんが写真に撮り、近くでアップ写真を撮られるまで気づかないほど、トンボの観察に夢中でした〜。攻撃してこない虫は、けっこう好きなので観察したくなります。
後日、モミジはさらに綺麗に赤くなっているかしらと再訪してみたら、通路や池がまるでそこだけ別世界のように、声が出なくなるほど美しく、赤く染まっておりました。
さらにその数日後、雨の日になんとなく寄ってみたら、風雨に負けずしっとりと濡れたモミジが、これまた美しく……ため息と共に感動でした。濡れた質感、おわかりになるでしょうか?
余談ではありますが、1日の出来事を、その日の夜にはすっかり忘れてしまう母が、紅葉狩りに行ったことは、夜ばかりか翌日もしっかり覚えていたんですよ。美しいもの、印象深いものを目にすると、認知症の人の脳にも何かいい影響が、きっとあるんだろうなと、そんなことを感じた晩秋の1ページでした。