京都駅からJR嵯峨野線で20分、最寄りの亀岡駅に到着。
丹波国とよばれ戦国時代末期に、明智光秀が丹波亀山城を築いた、歴史のある城下町です。
出雲神話の大国主命が、亀岡と嵐山の間にある渓谷を切り開き、水を流して土地を干拓し、保津川・保津峡と名付けたという伝説が残っています。
嵯峨嵐山をこえたあたりから、車窓の景色が一変し、深い緑に覆われ、キラキラと輝く力強い水の流れの渓谷が目に飛び込んできます。(線路のフェンスで写真が撮れず、おみせできないのが残念です。)
旅情気分が盛り上がったあたりで、亀岡駅に到着です。
駅前には亀岡の観光名所のパネルがあり、湯の花温泉、保津川下り、トロッコ列車、亀山城と城下町など、訪れたくなるところばかり。
今回は時間の制限もあったので、お目当ての蔵元「丹山酒造」に直行です。
駅から車で5~6分の亀山城
明治15年創業、立派な構えが134年の歴史を感じさせます。
丹山酒造は、山田錦と保津川の豊富な水からつくられる純米酒を醸造しています。
五代目当主の長谷川渚さんは、幼少のころから家業を継ごうと決めていたとのこと。
ご自身の代になって、女性ならではの感性で、新商品の開発や、自社が管理する無農薬有機栽培の山田錦を使うなど、「酒造りは米作り、米作りは土壌から」の理念を体現する試みをされています。
蔵内には、予約なしで試飲ができる場所が2か所。
囲炉裏がきられた奥の間と、醸造所の手前の空間です。
亀岡観光のあいまにお弁当を持ち込んでお酒と楽しんだり、ハイキングの途中によったりと、自由に試飲ができる人気のスポットです。
私が訪れた時も、60~70代と見受けられるハイカーの方々が試飲を楽しんでいました。
混み合っていたので、先に奥の間を見せていただき、そのあと醸造所の手前のスペースで試飲を。
純米酒を、食前、食中、食後とシーン別にとらえ、シャンパーニュのような発泡酒、食前と食後のスウィーツにあわせたアルコール分が低くフルーティーな爽やかさが特徴なもの、しっかりとした味わいのお料理を受け止めつつ邪魔をしないコクのある辛口のものと、長谷川さん自ら、お酒の説明をしてくださいました。ワインには馴染んでいるものの日本酒の知識があまりない私にも、すごくわかりやすくて、日本酒への興味が高まりました。
試飲テーブルにある中で、特に興味をひいたのはこちらです。
左側は純米吟醸の「琳派400年記念祭」ラベル、真ん中は純米吟醸「蔵出一番」、右側は京都御所に奉納した純米酒で、京都の蔵元ならではの品揃え。全てコクのある辛口で、しっかりとした味付けのお料理とともに楽しむ食中酒です。
こちらは、試飲したお酒を購入できるコーナー。
蔵元でショッピングするのも大きな楽しみです。
目移りしてしまうのですが、新幹線で持ち運ぶことを考えてじっくり吟味。
ピンクのフロスティーボトルが女性の心を鷲掴みする「ぽんき」。
低アルコールで甘酸っぱさが新鮮な白ワインのような純米酒で、レモンやライムを絞っていただくのもお奨めだそうです。
家で、お刺身仕立てのサーモンと旬の焼き空豆の前菜とあわせてみました。
とても軽く爽やかな飲み口で、これならお酒の弱い方でも躊躇せずにいただけます。
オンラインショップでお取り寄せができるので、ホームパーティーのお土産や自宅用にストックしようと思います。
京都におでかけの際には、亀岡にも足をのばして市内とは異なる京都の歴史に触れてみるのはいかがでしょうか。