個性的なスキンケア製品が創生される京都。2015年8月に三条通にある国有形文化財に指定されている洋館の1階に、シンプルなスキンケアを提唱する「キメラボ」のショップがオープンしました。
「キメラボ」を創業した安達貞雄さんは、さまざまなシステムを作るIT企業の経営者でもあります。美容とIT?あまり関係なさそうに思えますが、安達さんは、10万人を超える人の肌分析をしてきたエンジニアで、その膨大な肌分析結果から、「美肌とはなにか?」と考えるようになったそう。
「肌分析をした人の中には、いろいろ努力をなさっているにも関わらず、肌に悩みを持つ人が少なくなく、その人たちの肌を見ると、肌のキメが整っていない人も多かったんです。一方、美しい肌は、キメがはっきりと整っていたことがわかりました。つまり、美しい肌になるためには、肌のキメを整えることが大事だと…」と安達さん。
そこで、肌のキメは、どうしたら整えられるのかを、研究し、辿りついたのが、肌を蘇らせる本来備わっている“肌力”をアップさせることで、肌のキメを整えるスキンケアです。
ショップでは、まず、肌のキメをチェックします。そのチェック方法が画期的。安達さんが考案した特殊レンズをタブレットやスマホのカメラのレンズに装着。そして肌に密着させて撮影すると、自分の肌のキメが画像として保存できるのです。このレンズは、将来、製品に付属させる予定とか。これさえあれば、自分で簡単に肌のキメを確認できます。
次ページに続きます。
「キメラボ」の基本的なスキンケア製品は、「ミネラルソープ」という固形石鹸と「アジャスターローション」という化粧水の2つだけ。
肌の潤いをそのままに、肌表面の汚れだけを落とすソープは、オリーブ油、ヤシ油、バーム油、コメヌカ油といった天然の油脂を石鹸素地とし、加熱しないコールドプロセス製法で、油脂の成分を壊すことなく、時間をかけ、丁寧に作られたもの。そこには、石鹸化するときできる保湿成分のグリセリンも自然に配合され、洗い上がりはしっとり。
またやさしいバラの香りがするローションは、女性ホルモンのバランスを整えることが期待される鹿児島産のダマスクローズと赤ワインの約30倍のポリフェノールを含むといわれる沖縄産の月桃から抽出した水でできています。そこには水を加えていないそう。さらにミネラルやアミノ酸などを含むハチミツのほか、医療現場で使用される新型ビタミンC誘導体も配合。なんともしっとりとした感触が肌に広がります。
この2つのスキンケア製品には、合成香料、石油系界面活性剤、防腐剤、合成着色料、シリコン、エタノールなど、肌に負担をかける物質は、一切使用していないそう。
「本当に2つでいいんですか」と聞くと、「空気が乾燥する冬には、気になれば、ハチミツを薄くのばしたり、ホホバオイルやスクワランオイルなど天然の油をちょっとつければ大丈夫ですよ」と安達さん。あくまでシンプルに…それが肌のキメを整えるコツのだそう。
「これは、たまに使えばいいんです」と見せてくれたのは、小さな容器にはいった「ブライトニングパウダー」。肌の奥まで浸透するという新型ビタミンC誘導体のパウダーで、水に少量溶いて、肌へ。肌の回復力を高めることが期待でき、肌のキメが整うのを促進するという優れもの。
石鹸と化粧水だけでも、不思議と十分しっとりと…。ともかく手間がかからないシンプルケアは、大きな魅力。毎日、バラの香りに包まれるひとときも楽しみになります。
キメラボ
京都市中京区三条通富小路西入ル中之町20 SACRAビル1F
☎075‐252‐0808
営業時間/11:00~19:00 火曜休み
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」