だしの旨味が導く食材の美味しさ「だし工房 宗達 京都店」
京料理の味の決め手は、だし。昆布とかつおやまぐろの削り節でとる一番だしは、風味豊かで、口の中に広がる旨味が、日本人にとってなにより美味しく感じるもの。今回は、内面から美しくなる、だしです。
江戸時代から大阪で乾物を商う「神宗」が、だし専門店を京都の町中に開業して5年。
天然素材のだしの美味しさを、京都に訪れる人たちにもっと知ってほしいという思いからできたお店です。大きなカウンターがあるモダンな店内に一歩入ると、ほんのりだしの香りが鼻をくすぐります。
最近は、昆布とかつお節などでだしをとる人が減っているそう。確かに馴れないと、だしをとるのは大変そう。「そんな人のために、手軽にだしがつくれる「行平」という商品があるんです」という「だし工房 宗達」の山下さん。それは、細切りの昆布と削り節がブレンドされたもので、ボールに1袋を全部入れて、約500CCの熱湯を注ぎ、2分待ち、ザルなどでこせば出来上がり。短時間で美味しいだしがとれるのです。
この「行平」は、すっきりとした味わいのまぐろ節と天然利尻昆布の「京」。コクのある上品な風味の「上方」。雑味を抑えた濃厚な旨味の「雅」の3種類。店内で試飲ができ、自分好みのだしを選ぶことができます。
「だしを選ぶポイントは、自分が美味しいと感じるものを。薄く感じると、塩などの調味料をたしてしまいます」と山下さん。関東人の私は、やはり濃厚な旨味の「雅」を選びました。
「天然素材のだしは、野菜などの食材の味を際立たせ、味付けの塩や醤油は少量に抑えることができるんです」と。塩分の摂取量が気になる人には、だしは強い味方になりそう。
また、だしの旨味成分は、脳を刺激し、満腹感を感じやすくなるのだとか。美味しいだしで作る料理は、たくさん食べなくても満足度が高いらしい。
「たくさん作ってペットボトルなどに入れて、冷蔵庫で保管してもいいですか?」と伺うと、「冷蔵庫で二日ほどは大丈夫ですが、やはりその日に使い切ることをおすすめします。そのために「行平」は1回分になっているんです」とのお答え。
また、気になるのは、だしをとった後の昆布や削り節。そのまま捨てるのは、なんとももったいない気がするもの。「だしガラは、炒めものに入れたり、佃煮にしたり、炊きこみご飯などに使えるんです。また電子レンジで乾燥させ、ふりかけなども作れますよ」と山下さん。
だしを使った簡単にできる料理は、ホームページでも紹介されています。
大きなカウンターの店内では、だしのとり方が上達する「だし教室」やブリ大根、茶碗蒸しなどお馴染みの料理をプロに学ぶ「料理教室」も開催され、幅広い年齢層の生徒さんが集まるそう。京都の旅に、料理を習う体験もおすすめです。
手軽にだしがとれる「行平」で、京都の味をご家庭で…。だしを上手に使って、内面から美しく、ヘルシーな食事を心がけたいものです。
だし工房 宗達
京都市中京区蛸薬師通堺町東入ル雁金町375の4
☎075‐256‐8752
営業時間:11:00~19:00 定休日:火・水・土曜
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」