中村格子先生直伝の「伸ばす」ストレッチ、たるみの理由としていちばんはっとしたのは、お尻かもしれません。
年とともにたるみが顕著に現れてしまう「お尻」。
スキニーパンツをはけたプリッとしたお尻も、形が崩れ、
脚との境目がぼやけてくればタレ尻と呼ばれる始末!
「これもやはり伸ばすんですよね?」とうかがったところ、
「その前に!!」と先生。
「このたるみ、原因のほとんどは今までの『歩き方』のせいなんですよ」
「えっ? それってどういうことですか?」
このポイント、絶対知ってたほうがいいです!
「BODYたるみ取りの新法則②」の正しい歩き方を実践しつつ、
フォローとしてストレッチをプラスして、美尻を取り戻しましょう!!
では、今回もスタート!
太ももとの境目はどこ? タレ尻。
中村先生が指摘する「タレ尻をつくってしまう歩き方」とは、お尻や太ももを使わない歩き方。
それはすなわち姿勢が悪い、そして膝を曲げて歩いている人です。
お尻の筋肉、ハムストリング、足先をきちんと使って歩くためにも、
今回のStep.1~4を毎日の習慣に。
Step.1
ハムストリングを伸ばす!
ヒップトップが下がるのは、お尻に筋肉が少ない以前に、
ハムストリング(太ももの裏側の筋肉)が使われていないから。
縮んだハムストリングにお尻が引っ張られないよう、
きちんと伸ばすことが大切。
右)椅子に片足のかかとを乗せ、裏側を真っすぐに伸ばします。
柔軟性のある人は脚が90度上がるくらいでもOK。
左)上半身を倒しながら、両手で太ももを上からゆっくり押して、
ハムストリングをじんわりと伸ばします。
●これはNG!
体が硬いと猫背の姿勢になりがちですが、
これでは骨盤が後傾してしまうのでNG。
脚の付け根から体をまっすぐ折るのが正解です。
また、体が横に開いてしまっても正しく伸ばせません。
Step.2
お尻を締めて立つ !
正しく歩くための姿勢づくりともいえますが、
お尻のほっぺをキュッと締めて立つことはたるみ改善に有効。
誰にも悟られずにできるので、人を待っていたり、
乗り物に乗っているときにもトライ!
かかとをつけ、つま先を自然に30度ほど開いて立ちます。
お尻全体に力を入れ、
つま先から頭のてっぺんまで真っすぐに。
●point
意識は外へ!
気をつけたいのは、お尻の筋肉だけ意識するのでなく、
膝頭を前へ向けること。
両脚をつけたうえで、内側へ入りやすい膝は外へ外へ。
同時に太ももやお尻も外側に回すことを意識すると効果的。
Step.3
つま先立ちでさらにキュッ
よりお尻の筋肉に刺激を与えられるのは、
正しい姿勢のまま、つま先で立つこと。
かかとを上げる意識だとふくらはぎに力が入ってしまうため、
指の力で立ち、膝を外に向けるのがポイント。
右)ぐらついてしまう人は、椅子などにつかまって行うのがベター。
左)正しく立ってお尻に力をこめたところから、
つま先立ちで、よりお尻の筋肉を締め上げる気持ちで。
Step.4
できる人はゆっくり脚上げ!
ヒップアップといえば、お馴染みのエクササイズはこれ、脚上げでしょう。
筋力がなくなるとなかなか続けられないものですが、
わずか15度程度上げるだけでも効果は絶大!
右)壁や椅子に手をかけ、Step.2の姿勢から、
お尻に力をこめたまま、ゆっくりと片脚を後ろに引きます。
左)姿勢をキープ、脚を曲げずに、15度くらいまでアップして、
ゆっくりと下ろします。これを何回か繰り返して。
正しい立ち方から、お尻の筋肉へさらに働きかけるストレッチ&エクササイズでした。
次回はBODYたるみのボスキャラ!?
「お腹」のたるみへのストレッチです。
中村格子さん Kakuko Nakamura
1966年生まれ。整形外科医、医学博士。
Dr. KAKUKO スポーツクリニック院長。横浜市立大学整形外科客員教授。
2014年4月に、スタジオを備えた整形外科クリニックを
代官山にオープンしたばかり。
トップアスリートのケアのほか、一般の女性向けに
美と健康を目指すエクササイズを提案。著書も多数
撮影/広瀬壮太郞 ヘア&メイク/渡辺みゆき
取材・原文/蓮見則子