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十和子道第10回「冷えたカラダに幸せのオーラはやってこない~十和子流冷え退治~」

君島十和子

君島十和子

君島十和子. 1966年生まれ。モデルとして活躍後女優に。1996年、結婚を機に芸能界を引退。現在は自身のコスメブランド「FTC」のクリエイティブディレクターとして数々のヒットを生み出している。2女の母。

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取材期間1年以上、収録写真は約400点。自宅で撮影し、オール私服で登場した〝ライフスタイルブック〟の決定版、それが『十和子道』。発売されるや瞬く間に大増刷され、なんと6刷を記録した大ヒット本です。その本のもととなった連載(過去にOurAgeにて配信されたもの)の一部をお見せします!

「十和子道」第10回

「冷えたカラダに幸せのオーラはやってこない~十和子流冷え退治~」

 

「冷えたカラダの人」と「温かいカラダの人」どちらが、しあわせそうかと言えば、文句なしに「温かいカラダの人」でしょう。

例えば肌。

温かい肌は血色がよく、艶っぽくて色っぽく、「老け」とは無縁。一方、冷えた肌は温かい血が巡らず、体温とともにキレイが逃げて、カサカサと枯れたようにみえます。

 

とはいえ、若かった頃の私は「おしゃれ=意地とやせ我慢」だと思っており、筋金入りの冷え性のくせに、防寒のためのインナーを着ることはありませんでした。

1mmでも太って見えてしまうのが我慢ならなくて…。冷たい素足でパンプスをはき、鳥肌をたてながらノースリーブを着ていた20代。なんと無茶で無謀で「冷えたカラダ」だったことか。

 

今でこそ、平均体温は36.5℃ありますが、20代の頃は35℃台前半しかなく、立派な「低体温」。

冷え性な体質に加えて不規則な生活習慣と、若さゆえのやせ我慢や女優業のストレスも加わり、肌荒れ、肩こり、不眠、頭痛、重い倦怠感…と不調のオンパレード。

冷えたカラダが訴える慢性的な不調に心が塞ぐことも…。今思えばまるで更年期のような症状に悩む日々でした。

 

「冷えは万病と不調のもと、いや、もはや不幸のもと」であることがわかったのは、長女を出産した後でした。

 

そんな経験もあり、どんなストレスにも寛容でありたいとは思っていますが、こと「冷え」に関しては「百害あって一利なし」と徹底的に抵抗し、カラダを温める努力は惜しみません。

十和子道第10回「十和子流冷え退治」

40才を過ぎてからは、若い頃忌み嫌っていたババシャツとも言われるアンダーシャツに、厚手のタイツとすっぽりとお腹を包むアンダーパンツ(薄手のショートパンツ)は、冬を快適に過ごすための必需品になっていて、軽くて温かいインナー探しはここ数年の私の冬の風物詩といっていいほど。

「冷えないカラダ」のために情熱を注ぐべきは、直接肌に触れ、体幹の温度を恒常的に守ってくれるインナーでしょう。

 

私は機能性肌着といわれるユニクロのヒートテックをはじめ、釣りやトレッキングなどのアウトドア用の肌着なども愛用しています。

 

スポーツ用品メーカーのMIZUNOが開発した「ブレスサーモ」(下の写真)のようなインナーは、生地も薄く可動性にも保温性にも優れており、これを見逃す手はありません。

十和子流冷え退治ーMIZUNOのインナー「ブレスサーモ」

 

そしてアンダーパンツはユニクロの「ボディシェイパーシームレスショーツ」。

娘が制服着用時に愛用していたのに倣いました。ストレッチが適度に効いていて、ウエストラインまですっぽりと包んでくれる深穿きタイプなので、アウターにも響きにくくなによりお腹周りが温かいのはありがたい限り。

 

そして冷たい外気から守るべきは首、手首、足首のいわゆる〝3首〟。

「首と名のつくところを冷やさない」というのを聞いたことがある方も多いと思いますが、私もそれに習い、外出の際は手袋、マフラー、タイツで完全武装。

「ちょっとそこの本屋さんまで」というときでもきっちり武装して出かけます。

主人や娘から「ここは雪国?」と笑われてもちっとも気にしません(笑)。

 

家の中でも絶対に素足では歩きません。

冬は、靴下とスリッパ込みで私の足(笑)(ときどき娘の靴下を拝借して怒られていますが、厚さといい、丈といい、木綿のソックスが蒸れず、滑らず、いちばんいい感じ)と捉えています。

十和子流冷え退治の靴下

秋も深まる頃になると、お気に入りのバブーシュから冬毛を蓄えた猫のようなもこもこのスリッパにチェンジし、12月に入るとベッドまわりもカシウエアのシーツから羊毛100%のふかふかシーツ(通称ひつじちゃん)へと、冬仕様に切り替わります。

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十和子流冷え退治ー冬用スリッパ

就寝時、首元に三つ折りに畳んだタオルを首に巻いて(着物の半襟みたいな感じです)、襟元から入ってくる冷気をシャットアウト。

これで本日最後の「冷え退治」が終了。

熱めのお湯に長めにつかる入浴とストレッチのおかげで就寝前のカラダはぽかぽかととても温かく、手先足先が冷たくて…ということはありません。

一日のうちで一番温かく、しあわせなカラダのできあがりです。

 

……と、ここまでは守備編(笑)。

 

 

「温かなカラダ」に必要な栄養と血行の改善には、積極的に「温」を取り込むことが必要になってきます。

 

まずは食事。

食事は「温かさ」を生み出す大事な熱源です。撮影や講演会やテレビ収録などで薄手の衣装やドレスを着用しなければならないときは、必ず温かい和食の朝ごはんをいただくようにしています。

 

炭水化物はもちろん、たんぱく質をしっかり摂ることが大事。

お豆腐のお味噌汁、納豆、ゆで卵。炭水化物は素早く熱やエネルギーになりますが、燃焼が早いゆえにすっと急激にさめてしまいます。

食べた直後はいいのですが、しばらくすると「あ、きれた…冷めた」そういう時間が突然来ます。なので、エネルギーを効果的に効率よく持続させるためにも必ずたんぱく質と一緒に摂ること。

 

 

もうひとつのオススメは「小さな運動で末端から血流を促すこと」。

 

「冷え」とは要は血行不全のことですから、軽い運動をマメに行なうことで、血が巡り、体温は上がります。

私が日々隙あらばやっているのが、

指先のマッサージ(指先や爪周りにある副交感神経を刺激し血行を促進)と

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足の指のグーパーグーパー(閉じて開いて)運動。

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特に足指の感覚を強化するグーパー運動は冷えの改善はもちろんのこと、外反母趾の防止にもなりますし、甲のアームの維持にも一役買ってくれます。

会社で何時間もヒールを履いていると足指がぎゅっと縮こまってしまうので、会議中や電話中やメールを作成しているときに、無作法は承知で(人様には見えないところで)ちょっとだけヒールを脱いで、机の下でグーパーグーパーと足指を広げたり曲げたり。

すると10回ぐらいで足がにわかに温かくなってきます。血流は意識次第だということがよくわかる瞬間です。

 

 

問題は春や夏。

この季節の不意打ちのような冷えが怖い。

建物の中はどこもかしこも冷房が効いていて、カフェやオフィスやスーパーは寒いくらい。

 

会社もオフィス機器がある関係上、けっこう低めにエアコンの温度設定がされており、長時間いるとシンシンと骨まで冷えてくるので、「ひざかけ、薄手のカーディガン、ストール」の3点セットが常備してあります。

新幹線や飛行機(特に長いフライトのとき)で移動するときは、ユニクロのウルトラライトダウンは必携です。もはや日焼け止めと同じくらいのマストアイテムといっていいほど。「冷えの本丸は夏にあり」と肝に銘じています。

暑い夏に「あと一枚」を持ち歩くのは、面倒くさいことかもしれませんが、そのひと手間を惜しまないでください。

「カーディガンなんか持って行っても、羽織る機会なかったわ。持っていって損しちゃった」ということがほとんだと思います。でも、ぜひ損してください。「冷え」に限らず、損する覚悟、面倒くさいことをする覚悟、手間をかける覚悟をした人がキレイになれると思うのです。

 

肌の美しさは血流にあり、と言っても過言ではありません。

血管は体中に張り巡らされていて、体をまるまると包んでいます。血液は体重の約1/13。

流れるものが滞ればよどみ、不調が起こるのは当然のことです。

血の気のない青白く透けるような肌も、ある種の退廃的な美しさなのかもしれませんが、私が目指す肌の美しさはイキイキとした色艶のある丈夫な肌。

「血色のいい色気のある肌」なら、シワもシミすらもハツラツとした魅力的な個性に見せてくれます。

生理周期の問題や閉経などにともなうホルモンの分泌低下など、とかく私たちは「血の巡り」に影響を受けやすい世代。だからこそ血の巡りと血の質には特別の思い(執念とでもいいくらい)を寄せるべきだと思うのです。

 

 

そして「冷え」が罪作りなのは、健康や美容上の問題であること以上に、冷えたカラダではときめくことができないという事実。

寒い冬を冬眠して過ごす動物たちのように、いろいろなことが億劫になり動けなくなる。

「映画を観にいこう」「大事な人へ贈るプレゼントを探しに行こう」「冬のきりりとした空気の中、少し歩いてみようかな」…そんなきらきらとした好奇心や積極的な気持ちが発動できなくなります。

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いちばん簡単に幸せになる方法、それは「温かいカラダ」になることかもしれません。

血色のいい人はわけもなくしあわせそうに見え、若々しく、エネルギッシュで、オーラまで温かく相手をふわりと包みこみます。

体温や血流は生命力であり、エネルギーそのもの。

血の巡りのいい温かなカラダは確かにその人をしあわせそうに見せるのです。

 

友人や知り合いや家族に「あたたかそう」「元気そう」「幸せそう」と感じてもらえる人でありたい。

寒さなんてものともせず雪が降るのが楽しみで仕方がない子どものように、寒い日も生活を楽しめるカラダでありたい。

そんな人は生涯美しく、しあわせな人だと思うから。

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★編集部からのおまけ

「十和子道」の取材は、ロケ以外は全て十和子さんのご自宅で行っています。

取材スタッフの滞在時間は一回の取材あたり、だいたい5~7時間(!)におよびます。

ひとさまのお宅に長時間居座り、ワイワイがやがやと写真を撮ったり、根堀葉掘りとインタビューしたり…。

下のお嬢さんが夕方学校から帰宅した際は「おかえりなさ~い、お邪魔してまぁす!」とみんなで大合唱。

君島ご一家からみたら、大変迷惑な存在であろう私たちです。

なのにいつも頃合を見はかりながら、ご主人の誉幸さんがおやつを出してくださるのです。

その内容はバラエティ豊か。

おしゃれなチョコレートだったり、カラフルなマカロンだったり、トリュフ味のポテトチップだったり、話題のお店のサンドイッチだったり、新潟名物の笹団子だったり…。季節や天候、サーブする時間帯に合わせてセレクトされたとわかる美味しいものたちばかりなのです。

 

そんななか今回お邪魔した日は、冬本番の寒い寒い日でした。

「あ~、寒かった!」とロケから君島邸に戻った私たちに「ハイ、熱いうちに召し上がってくださいね」とすかさず出してくれたのはホカホカの肉まん。

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ご主人のあたたかい心遣いが、冷えたカラダにとてもしみたひとときでした。

取材・文/稲田美保 撮影/冨樫実和 ヘア/黒田啓蔵

*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点

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