茶道でめざす心の京美人
圧倒的な品揃え「京都茶華道具館」
京都に暮らし始め、お抹茶を頂く機会が増えました。京料理や呉服の展示会をはじめ、観光で訪れるお寺などでも、お抹茶を頂けるお席がよく設けられています。また、お邪魔したお宅にお茶室がある場合、よくおもてなしを受けます。
ご存知の通り京都には、表千家・裏千家・武者小路千家という茶道の家元があります。自ずと茶道も盛んで、京都育ちは男女を問わず、子供のころからなにかと茶道に接する機会があるそうです。「今は、やってませんけど、昔は習っていました」という人が大勢。
「日本文化を学ぶには、茶道を知らなくては…」と、大人になってから始める人も多く、例えばお茶室を作る数寄屋造の工房「中村外二工務店」などでは、そこで働く職人さんは、全員茶道を習うそう。また、造園家や料理人の方々も、自分の技術を磨くために、茶道をたしなむ方が多いのです。もちろん祇園などの舞妓さんや芸妓さんにとって、茶道のお稽古は、必須科目。さまざまなイベントでも、美しくお点前を披露します。
「茶道をすることで、物腰が美しくなります」と、ある茶道家の友人。京美人といわれる方々のしっとりとした落ち着きと滑らかな物腰は、茶道を嗜むことからでしょうか。
「じっと静かな時間を過ごす…きちんと正座する時間を持つことで、心がとても平穏になりますよ」とも。かつて、花嫁修業の一環だった茶道は、最近は心の修練のために習う人が増えているそう。東京暮らしの頃は、全く茶道と縁のなかった私ですが、これからも京都に暮らすためには、茶道は知っておいた方がいいかも…と思い始めました。
そんな思いを抱きながら四条烏丸を歩いていた時、ふと目に入ったのは、「京都茶華道具館」という看板。
ビルの2階に上がると、そこは茶道関係の道具がズラリと並ぶ広い100坪のスペース。亀岡に本社を置く創業45年というお店の方に伺うと「ここにはあらゆる流儀のお免状を頂くのに必要な道具がすべてそろっています」と。店内の棚には、茶碗だけでなく、掛け軸、香合、建水、炭、火おこしなど、お点前に必要なものがトータルで用意されています。
ここに来れば、お稽古をスタートする人から、茶道教室を開く人まで、必要とするものが即座に揃えられます。「日本でもこれだけ茶道具が揃っているのはうちだけ…」という言葉に納得する豊富な品揃え。
お稽古やお教室などで使う品が多いので、骨董品や美術品といわれるものとは違い、価格も手頃。お茶のお稽古を始めたり、再開する人のお道具選びに、おすすめのお店です。
「京都茶華道具館」という名の通り、華道に関係するお道具もすべて揃っています。
心の京美人をめざし、「○○の手習い」を始めようと思います。
京都茶華道具館
京都市中京区烏丸通蛸薬師上ル烏丸センタービル2F
☎075‐251‐7070
営業時間10:00~18:00 年中無休
地下鉄烏丸線「四条駅」、阪急京都線「烏丸駅」徒歩3分
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」
http://blog.goo.ne.jp/mimoron/