2人のこだわりが融合した“愛されコスメ”は納得のいくものばかり
地球環境も肌や髪も健やかに守りたいと続々登場するアップサイクルコスメ。前回、大手企業が立ち上げた3つのブランドを取り上げました。今回は、夫妻で営む2つのブランドを紹介したいと思います。
それぞれの設立ストーリーなどを聞いていると、環境や地域への配慮はもちろんのこと、夫婦の愛も感じられて羨ましい限り! ともにSNSなどのクチコミでジワジワと人気が上がっていますが、実際に使ってみてブランドの信念と効果を肌で感じることができました。
俳優の井浦新さん夫妻が立ち上げたブランド。
ストイックな製品なのにユルリと使える自然循環型コスメ「Kruhi」
つくる先、使う先にどんな未来が広がるかを第一に考え、環境にも肌にも優しい循環型の製品開発をしているナチュラルコスメブランド「Kruhi(クルヒ)」。俳優の井浦新さんと妻の井浦あいさんが立ち上げたスキンケアブランドです。
設立のきっかけは、家族の髪悩みが石けんシャンプーで改善されたこと。そのため、「地球に還る」をコンセプトに開発した石けんシャンプー&トリートメントからブランドをスタートさせています。
製品はすべて、日本各地の地域ごとにある課題の解決につながるアップサイクル原料を優先的に調達して使用、自然由来成分100%のコスメです。日本の農業・林業・水産業は、少子高齢化による後継者不足や、温暖化による気候変動で収穫の不安化などの課題が山積。化粧品にアップサイクル原料を使うことで、こうした産業を守ることもブランドのねらいです。
新製品のクレンジングと美容液には、米ぬかの研究をリードしてきた和歌山県の「築野食品工業」による国産コメヌカをキー成分として配合。クレンジングはジェルからオイルに変わるテクスチャーで肌の汚れを優しく落とし、ダブル洗顔は不要です。米ぬか由来のイノシトールを配合した蒸留水などをベースにした美容液は二層式で、ハリと弾力のある健やかな肌印象に。
乾燥しがちな肌には、写真中央のマルチバームを併用するのがおすすめです。いずれも、井浦新さんがこだわったオリジナル天然精油ブレンドの癒される香り♡
(左から)
●Kruhi ザフェイスクレンズ 200ml ¥5,445
●Kruhi オールウェイズニューバーム 35g ¥4,950
●Kruhi ザレイヤーセラム 30ml ¥13,200/Kruhi
「Kruhi」では、鹿児島県肝属群の南大隅町に耕作放棄地を利用した「くるひ自然植物園」と併設の蒸留小屋を準備中。時間をかけて作った土で農薬を使わずに植物を栽培し、収穫してすぐに蒸留、原料として活用する計画です。完成したら私も訪れてみたいと思っています!
記事が続きます酒類業界で働く夫妻が立ち上げたブランド。
ワイン用ブドウの副産物を活用したパワフルなエイジングケア「Earth∞You」
長野県産のワイン用ブドウの副産物をアップサイクルしたオーガニックスキンケアブランド「Earth∞You(アースアンドユー)」。キリンビール株式会社に勤務する北林健さんが、ワイン講師をでもある鈴木更紗さんとともに副業として夫妻で設立したブランドです。
北林健さんが仕事中のワイナリーで剪定枝や間引かれた葉などが捨てられているのを見て、「もったいない!」と思ったのが起業の始まり。そこから開発に乗り出し、枝葉と蔓から抗酸化作用の高い成分、ポリフェノール「レスベラトロール」を高濃度に抽出することに成功しました。
スキンケアの製品ラインナップは美容乳液と美容クリームパック、スカルプケア美容乳液の3品があります。いずれもレスベラトロール配合で、肌の乾燥やエイジング対策にバッチリ。それぞれ、ワインをイメージしたオーガニック天然精油のいい香りです。
美容乳液は軽い使用感で肌にスッとなじんでスベスベに。美容クリームパックはリッチな感触で、塗って寝ると翌朝の肌がモチモチに整います。また、スカルプケア美容乳液は頭皮環境を整えて、乾燥・フケ・かゆみを抑えつつハリコシのある髪に。
3品ともオーガニックコスメ認証機関エコサートからCOSMOSオーガニック認証を得ていますが、スカルプケア美容乳液は乳液タイプとして世界初の認証取得なのだそうですよ!
(左から)
●アースアンドユー 美容乳液 50ml ¥4,620
●アースアンドユー 美容クリームパック 40g ¥8,800
●アースアンドユー スカルプケア美容乳液 27ml ¥3,278/アースアンドユー
こちらは「アースアンドユー」の独自原料のもととなるブドウを育てている、長野県上田市のワイナリーにある農園です。私はゴールデンウイークに長野で北林健さんにお会いしましたが、年齢が50歳と聞いてびっくり! 肌も髪もツヤツヤ、10歳ほども若く見えてレスベラトロールの効果に説得力がありました。
今年(2025年)の秋には会社を退職して長野に移住、ブランドの運営に本腰を入れるそう。今後の展開も楽しみです。
商品の詳しい情報は、下記をご覧ください。
取材・文/中込久理