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あなたも「落ち舌」!?
正しい舌の位置
上の右のイラストのように、舌全体が上あごに沿って貼りついているのが正解です。舌先は前歯に触れず、前歯裏側の歯肉の突起に軽く添えられているのがベスト。上下の歯は2~3mm程度の隙間があり、唇は軽く閉じています。
一方、間違った舌のポジションは、左のイラストのように舌が下あごの歯列の内側にだらんと落ちた状態。落ち舌になるとフェイスラインがもたついてしまいます。
落ち舌セルフチェック
あなたの舌は、どこにありますか?
舌が上あごにべったり貼りついていたらOK。上あごから離れて落ちている人は、舌全体の筋肉が衰えている可能性が
普段の唇は閉じている?
口角が上がりキュッと閉じた口元は、鼻で呼吸できている証拠。ポカンと開いている人は、口呼吸が習慣になっている恐れがあります。
上手に水が飲み込める?
ティースプーン2杯の水を口にふくみ、上あごと舌で水を閉じ込め「い」の形の口のまま飲み込んでみて。できない人は「落ち舌」かも?
小顔音読
長引くマスク生活の影響で、緩みがちな口元をそのまま放置していると口角が下がり、口がポカンと開いて口呼吸になるなど、口元のトラブルを招いてしまいます。
口角が下がるとフェイスラインがたるみ、口呼吸はさまざまな疾患の原因になります。さらに舌の筋力が落ちると、物を飲み込みにくくなり、将来、誤嚥(ごえん)性肺炎を招く原因にも。
そんな口元トラブルを防ぐために実践したいのが、表情筋と舌の筋肉を鍛える、早口言葉を使ったトレーニングです。
小顔音読は、“意味のない、言いにくい言葉”を繰り返し音読すること。
丁寧な発声で音読することで口全体の筋肉を鍛えて小顔になれます、早口言葉を鏡を見ながら3回ずつ繰り返して。
ウオーミングアップⅠ/腹式呼吸
- ①背すじを伸ばし、10秒間、口で息を細く長く吐きます。
- ②吐ききったら、再びお腹に自然と息が入ってくる感覚を意識しながら、鼻で吸い込みます。
気持ちが落ち着くまで何度か繰り返す。
ウオーミングアップⅡ/ロングトーン
腹式呼吸で鼻から息を吸い、吐く息と一緒に「あーーーーー」と声を長く出します。
ポイントは力まないことと、一定のトーンを保って安定させること。最初は10秒程度で。慣れるともっと長く出し続けられるようになります。
早口言葉実践Ⅰ/ちゅまもみみもまちゅ
キリッとした口元づくりに欠かせない、口輪筋を鍛えるトレーニング。続けるうちにリップラインがはっきりしてきます。
ポイントは「ちゅ」の発声。唇を上下均等に突き出すのがコツです。
鏡を見て、あごに梅干しジワが出たら要注意! 口輪筋を使えていない証拠です。どうしても梅干しジワが出る人は、あごに指を置いてクルクルとマッサージしつつ、唇だけを絞って「ちゅ」と言えるよう練習を。
早口言葉実践Ⅱ/かがぐぎぎぐかが
か行とが行が続く早口言葉で、舌の根元を集中的に鍛えるトレーニングです。これがしっかり言えるようになると、口の中で舌が正しいポジションを取りやすくなります。
特に難しいのが「かぐ」と「ぐか」の部分。母音の「あ」と「う」の組み合わせで、口の開きが大きく変わるからです。
素早く、かつ大きく表情筋を動かして乗りきりましょう。言いにくい人は「あうあうあう」と母音だけを繰り返し練習してみて。
早口言葉実践Ⅲ/ばにゅぽみゅみゅぽにゅば
小顔づくりに欠かせない、口輪筋、舌、表情筋のすべてを動かすトレーニングです。
「ば」「ぽ」「みゅ」は、上下の唇を閉じ合わせて、一気に破裂させて出す音になります。口輪筋をしっかり動かして発声しましょう。また「にゅ」「みゅ」では「ゅ」をはっきり発声するために、舌の中央部分を持ち上げる動作が入ります。
頭と終わりの母音「あう/うあ」は、きっちり各音を言い分けることを心がけて。
早口言葉実践Ⅳ/うにふりりふにう
明るい笑顔に有効な、口輪筋と表情筋を鍛えるトレーニングです。
ポイントは、母音の「い」と「う」を繰り返すところ。笑顔にとって大事なのは、唇の口輪筋とそれにつながる表情筋です。母音の「う」のときは唇を上下均等にグッと突き出して、「い」のときは真横ではなく斜め上に持ち上げるように意識するのがコツ。
鏡を見ながら、左右均等にできているかチェックしながら行いましょう。
スプーンを使って舌回しトレ
舌は、ほぼ筋肉でできています。そして落ち舌は、口元のインナーマッスルの筋力低下がおもな原因です。
舌の筋肉は、腹筋や背筋と同じく、自分の意思で動かせる随意筋の仲間。つまり何歳からでも、しっかりとトレーニングをすることで鍛えられる部位。舌のクセを直すには舌回しトレーニングが有効。
なかでも、食べ物が飲み込みにくい人、口呼吸をしがちな人、コロナ禍でおしゃべりの頻度が減っている人は、特に念入りに実践してください。
おすすめの頻度は週2回。簡単なトレーニングなので集中し、全力でやってしっかり休むことが大切です。
舌回しトレ/スプーン相撲Ⅰ
舌足らずな人に効果的!
(1)スプーンの食べ物をすくう面を自分側に向け、舌を軽く突き出します。カレー用スプーンがベスト
(2)スプーンを押す力に逆らい、舌先で面を押し返して対抗。
8秒→休憩。8秒を8セット行います。
舌回しトレ/スプーン相撲Ⅱ
口呼吸しがちな人に!
(1)舌にスプーンの裏(食べ物をすくうほうの裏側)をしっかりと押し当てます。
(2)スプーンを押し当てたまま舌を口の中にしまい、全力でスプーンを押し上げます。
8秒→休憩。8秒を8セット行います。
舌回しトレ/歯ペロ運動
フェイスラインの引き締めに!
(1)舌で歯の表を1本1本を触ります。8周→休憩8秒を4セット。
(2)今度は舌を歯の裏へ。同じように舌で1本ずつ触っていきます。同じく8周→休憩8秒を44セット
マスクの下でもできるトレーニングです。
舌回しトレ/全力べろ引っ込め
落ち舌対策に!
舌先を上前歯の歯茎の突起に添え、全力で舌先から舌全体を奥に引っ込めて。
8秒→休憩8秒を8セット
舌回しトレ/あっかんべー
あご下の引き締めに!
(1)舌を出し、これ以上出せないくらい、限界までグッと下に突き出します。
(2)今度は反対に、口の中で舌を限界まで引っ込めます。これを4秒ずつ8セット繰り返します。
舌回しトレ/上あご押し
顔全体のリフトアップに!
舌全体で上あごを8秒間全力で押して、8秒間脱力。この動作を8セット繰り返します
マスクをつけたままでも鍛えることができるので、場所を選ばずいつでもトレーニングすることができます。ぜひ、トライしてみてください!
【教えていただいたのは】
末光妙子さん
Taeko Suemitsu
歯科医師。日本大学松戸歯学部付属病院、一般歯科医院に勤務。2011年、歯科クリニック「ミュゼホワイトニング」の立ち上げに携わる。同歯科医院を運営する医療法人理事長
イラスト/マスリラ 取材・原文/上田恵子