おでこのシワは前頭筋の“頑張りすぎ”が原因!
「前回は、大人のドンヨリ顔の原因は、頭頂部と眼窩(がんか)・鼻の間をつなぐおでこの骨・前頭骨が、加齢による縮小や、重力、うつむき姿勢によって前に落ちてくることから起こる、というお話をしました。さらにおでこのシワは、この前頭骨の下にある前頭筋がこわばることからできてしまうんです」と、NORIKOさん。
「前頭骨が落ちてくると、その下にある目のまわりの筋肉、眼輪筋の位置も下がり、目があけづらくなってきます。そうすると無意識のうちに、前頭骨の上にある前頭筋が、おでこ全体を持ち上げて目を見開こうとして、収縮し、シワができます。おでこの骨を引き上げながら、上にある前頭筋が縮こまっているのを緩めてあげましょう」
<おでこのしわエクササイズ・1>
1.画像では標本を持っているが、自分でやる場合は、片手を後頭部に当て、頭全体を支える。もう片方の手のひらで、正面は眉間の少し下、横はこめかみの手前までの前頭骨を包み込む。肩の力を抜き、あごを引く。
2.前頭骨に当てた手のひらをゆっくりと、①眉間の少し下、②おでこの真ん中、③おでこの生え際と、3つの位置でそれぞれ5~10秒ほど優しく圧をかけながら、頭頂部に向けてゆっくりとスライドさせていく。手は皮膚に密着させ、肌はこすらない。「気持ちいい」と感じられるくらいの強さがベスト。自分を労るような感覚で。
<おでこのしわエクササイズ・2>
片手をおでこの生え際まで持ち上げ、前頭骨を引き上げたら、そのまま目線だけをゆっくりと下に落とす。このときも、もう片方の手は、後頭部で支えておくこと。前頭骨を頭頂部へ引き上げたのち、筋肉を下に伸ばす動きで、前頭筋のこわばりがリリースされていくのがわかるはず。
眉間のシワは皺眉筋(しゅうびきん)を緩める
次に気になるのが、眉間のシワ。
「眉頭をしかめてみてください。モリッとした筋肉が浮き上がってきます。これが皺眉筋という、眉毛の内側からまん中にある表情筋。この筋肉がこり固まると、眉間にシワが寄っていきます。
目をしかめてものを見る、怒ったり、物事をシリアスに考えたり、悩んでいるときなどに、知らずと皺眉筋は力んでいるもの。これはね、直せというのは難しい。大人世代ならではの表情グセですね(笑)。でも皺眉筋に力が入るのは、眉の間をずーっと縮ませ、眉間に縦ジワをつくる筋トレをしているようなもの。皺眉筋を緩めて、ほぐしていきましょう。すっごく簡単ですよ!」
<眉間エクササイズ>
まずは少し眉をしかめ、皺眉筋の存在を確認。眉の内側から中央にかけて、小指の第一関節ぐらいの部分が浮き上がるのがわかるはず。眉頭から斜め上方向に(例えば右側まであれば右斜め上方向に)指でなぞりながらゆっくりと引き上げる。10秒ぐらいかけ、優しく伸ばして。両方を一緒にやると眉間の皮膚だけが伸ばされてしまうので、片方の眉ずつやるのがポイント。
「この動きだけで、眉間にシワが寄らなくなり、目もぱっちりしてくるはずです」とNORIKOさん。
「また、おでこのシワも、前頭筋自体を固めてしまう施術などもありますが…。それだと目だけが不自然にカッと見開いた感じになってしまいがち。私は、あまり好きな表情ではないんです(笑)。落ちてくるおでこの骨を整え、さらにその上にあるおでこの筋肉を動かすことで、生き生きとした表情に!ぜひ、やってみてくださいね」
次回は、おでこの骨の下にある、目のまわりの筋肉を鍛え、まぶたのたるみを改善していきます!
【教えていただいた方】
スペイン・バルセロナ在住。骨格矯正メソッド・ヤムナボディローリングとピラティスが専門。モットーは、アラフィフから健康でいるための体作り。Instagram、YouTubeを中心に、大人のボディ&フェイスを快適に整えるエクササイズを発信している。書籍『更年期世代の不調を取り去る 大人ピラティス』(KADOKAWA)も好評発売中。
指導・モデル/NORIKO 取材・文/石井絵里