ほうれい線は眼輪筋とつながっている
頰の骨を引き上げてから筋肉を鍛える
加齢や太った印象を与えやすいのが、頰からあごにかけての部位。特にほうれい線、唇の痩せ、マリオネットラインは気になるところです。
「ほうれい線は眼輪筋とつながる頰の骨を引き上げる、唇をふっくらさせるには口のまわりにある円形状の筋肉・口輪筋を鍛える、マリオネットラインは下唇下制筋(かしんかせいきん)という口角を下げる筋肉が収縮しすぎているので、鍛えるのではなく、そのまわりにある筋肉をリリースし、顔全体を引き上げていきます。今回は、頰から鎖骨まで、どんどんエクササイズしていきましょう!」
<基本のおでこ上げエクササイズ>
まずは基本のおでこ上げエクササイズから。片手を後頭部の下に添え、もう片方の手のひらでおでこを包み込む。両手で頭をサンドイッチのように挟み、優しく頭頂部へ向かって引き上げる。ゆっくりと10秒カウント。正面を向いて、あごを引き、肩の力を抜いて。
<ほうれい線・頰の骨を上げるエクササイズ>
1.前頭骨を引き上げたら、頰骨のいちばん高い位置を手のひらで包み込むようにし、そのままゆっくりと真上に引き上げていく。10秒カウント。
2.片手で頰骨を包み込んだまま、今度は骨全体を斜め上へと引き上げる。手は皮膚にぴったりと密着させて。上のエクササイズも、この動きも、後頭部を手に添えて行う。あごを引き、肩の力は抜いておく。反対側の頰も、同じように真上→斜め上と、手のひらを使って引き上げる。
<ほうれい線・筋肉を鍛えるエクササイズ>
1.頰の骨を引き上げたら、「えー」と声を出し、そのときの顔の筋肉の形をキープする。最初は両方の人差し指を口角の脇に添えるとやりやすい。口角をこめかみ方向に引き上げる感覚で。慣れてきたら少しずつ指を顔から離していく。
2.「えー」の口角を上げた口の形の後は、「おー」と口に出し、口をすぼめる。この「えー」と「おー」を繰り返す。最初はゆっくりと。慣れてきたら「え」「お」「え」「お」と動きを素早く! 頰~口角まわりの筋肉が鍛えられ、ほうれい線、顔のたるみ対策に。
口のまわりをぐるりと囲む
口輪筋を鍛えてふっくら唇に!
<唇の痩せ エクササイズ>
1.「あー」と声を出し、口を大きく開ける。このとき、おでこや目の力を使わず、口まわりの筋肉だけを使うように。あごが上がったり前に出すぎないように気をつける。
2.そのまま「うー」と声に出し、唇を思いきりすぼめる。口笛を吹くイメージで。これも「あー」とセットで。最初はゆっくりと、慣れてきたら「あ」「う」「あ」「う」と速度を上げ、開く&すぼめるのメリハリをつけて動かす。口のまわりにある口輪筋が刺激されて、唇がふっくらし、縦ジワも減る!
マリオネットライン解消のコツは
“鎖骨から首まわり”をほぐすこと
<マリオネットライン エクササイズ>
1.鎖骨の上に両手を重ねる。手のひらは鎖骨にぴったり密着させ、そのまま皮膚を下の方向へ優しく伸ばす。ストレートネックの人、頭が前傾ぎみの人は、あごを引き、頭の位置を少し後ろにもっていく。肩に近い鎖骨のきわの部分も、同じように手を重ねて下の方向へと伸ばす。
2.鎖骨の上に両手を重ねて皮膚を引き下げながら、あごを上げる。首筋を伸ばし、後頭部はつぶさないようにするのがポイント。そのまま口をパクパクとさせながら、首を傾けたり、首筋を動かしてみて。
広頸筋(こうけいきん)という、あごの下から胸の上までつながる筋肉をほぐし、かつ鍛えるエクササイズ。この部位は下唇下制筋ともつながっていて、ほぐせば口角を下げる筋肉のこわばりも取れ、マリオネットラインの改善・予防に。きれいなデコルテ・首をつくる効果も。反対側の鎖骨も、上のエクササイズとセットで同じようにやる。
「少し数が多いですが、できる人は頰骨から鎖骨まで、セットでやるのをおすすめします。続けていくと顔全体が引き上がり、あごがキュッと引き締まってきます。フェイスラインが自然な卵形になってきますよ」
次回は、さらにフェイスラインの引き締めについて教えていただきます!
【教えていただいた方】
スペイン・バルセロナ在住。骨格矯正メソッド・ヤムナボディローリングとピラティスが専門。モットーは、アラフィフから健康でいるための体作り。Instagram、YouTubeを中心に、大人のボディ&フェイスを快適に整えるエクササイズを発信している。書籍『更年期世代の不調を取り去る 大人ピラティス』(KADOKAWA)も好評発売中。
指導・モデル/NORIKO 取材・文/石井絵里