きれいな首をつくるには、頭の位置を正すことが大事
「首の横ジワやたるみは猫背やストレートネック、うつむく姿勢が続くことで、どんどん加速していきます。連載5回目の鎖骨から首まわりのエクササイズで、広頸筋(こうけいきん)を鍛えるのもいいですし、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)という、胸骨と鎖骨から側頭骨まで伸びている筋肉をリリースし、首筋を伸ばすのもいいですね。胸鎖乳突筋は、うつむいてスマホを眺めたりしていると、どんどん縮んでいってしまいますよ」
<胸鎖乳突筋ストレッチ>
片手を耳の後ろ~やや下に添える。反対の手は鎖骨の上へ。両手を軽く上下へ引っ張るように力を入れると、首筋にすっと出てくる斜めの筋肉が、胸鎖乳突筋。現代人の生活はうつむいていることが多いので、胸鎖乳突筋は縮むばかり。こうして手で触れて筋肉を伸ばすだけでも、首のシワやたるみの予防に!反対側の胸鎖乳突筋も、同じようにストレッチ。
<首のシワ・たるみに エリマキトカゲ・エクササイズ>
胸鎖乳突筋をほぐしたら、首の筋トレを。首筋を伸ばして、「いー」と思い切り口角を下げる。このとき、あご、エラのラインから鎖骨にかけての筋肉の硬さを感じたら、使えている証拠。首筋全体の筋力を使って。
イメージしたいのは、OurAge世代には懐かしの“エリマキトカゲ”。顔を前に出して走っていた姿を思い出し、肩を下げて「いー!」の表情で5秒カウントし、脱力。これを何回か繰り返す。前だけではなく、首を左右に動かして。NORIKOさんのように、首の筋が浮き上がっていたら、筋トレができている証拠。筋肉痛になりやすいので、最初のうちは2~3回など、少なめの回数から始めるのがベスト。
<エクササイズ後の調整も忘れずに>
「エリマケトカゲのエクササイズで首筋全体を鍛えたら、今度は、頭の位置を整えていきましょう。このエクササイズをしたあとは、頭がこんな感じで前に出ています。頭が前に出て、背すじが丸まった姿勢だと、首のシワやたるみはとれません」
あごを引き、胸を開き、前に出ていた頭を斜め後ろ方向へと引っ張る。腰は反らさないで、お腹をひっこめる。このポーズのまま、10秒キープ。
NORIKOさんもOurAge世代の一人。最後にメッセージを
骨からアプローチするヤムナボディローリングと、筋肉を鍛えるピラティス、ふたつのメソッドを独自に組み合わせたエクササイズで、ドンヨリ顔の撃退方法を教えてくれたNORIKOさん。ご自身も51歳と、まさにOurAge世代。「自分の体をいたわっていきましょう!」とメッセージが。
「仕事、子育てなど、皆さんいろんなことにがむしゃらに取り組んでこられたと思います。そして今、更年期を迎えつつも、まだ忙しい日々を過ごしている方が大半なのではないでしょうか。
私も同じです。不調や体の気になる部分が出てきたときは、ご自身を見つめ直すいいチャンス。今回の顔ピラティスもそうですが、自分が自分のセラピストになったつもりで、体の部位を知り、優しくケアしてみてくださいね」
【教えていただいた方】
スペイン・バルセロナ在住。骨格矯正メソッド・ヤムナボディローリングとピラティスが専門。モットーは、アラフィフから健康でいるための体作り。Instagram、YouTubeを中心に、大人のボディ&フェイスを快適に整えるエクササイズを発信している。書籍『更年期世代の不調を取り去る 大人ピラティス』(KADOKAWA)も好評発売中。
指導・モデル/NORIKO 取材・文/石井絵里