前回、にっくき宿敵・顔デブ(前回のURL)を対処したものの、同じくらい気になるのが、大人の“顔ゲソ”問題。頰の肉が垂れ下がるとともにゲッソリとして見え、周りからも「疲れてるの?」と聞かれたり…。また顔ゲソが進みすぎて、笑っているつもりが無表情になっていることも。この大人ならではの“やつれ見え”、“お疲れ顔”はどうしたらいいでしょうか?
「大人の顔ゲソは、加齢で頰の骨が縮まり、その上にのっている筋肉が衰えてだら~んと下がることで起こります。だから頰はゲッソリしていても、あごのまわりは上から落ちてきた脂肪でたるみ、輪郭が四角くて下ぶくれ状態になっている方もいるはず。顔ゲソは顔デブの変化形ともいえるんです」とNORIKOさん。なんと! デブの延長線上のゲソだったとは(涙)!
「まずは頰骨の位置を上げるのが一番なので、顔ピラティスの基本になる、前頭骨の引き上げエクササイズをやってみてくださいね。そのうえで、口のまわりにある筋肉・口輪筋(こうりんきん)と、その上にある大頰骨筋(だいきょうこつきん)と小頰骨筋(しょうきょうこつきん)という、頰の筋肉を鍛えていきましょう。今回は、顔のエアロビクスだと思って。あちこちの筋肉を動かしていきますよ~!」
「オー」、「エー」の動きで、口輪筋と大頰骨筋&小頰骨筋を鍛える!
1.正面を向き、前を見る。
2.そのまま「オー」と声を出しながら、口のまわりの筋肉を顔の中心にまとめるような感覚で力を入れる。目や眉間、おでこに力を入れすぎないように。あくまでも意識して動かすのは、口のまわりの筋肉。
1. 続いて、「エー」と口に出しながら口角を斜め上へと引き上げる。このときも目、眉間、おでこを見開きすぎないように。「エー」の口角上げがうまくできない人は、口の横のほうれい線ができるあたりに両手の指を添え、軽く口角を引き上げてもOK。
2.「エー」のポーズのまま10秒キープ。その後、リラックス。
3.「オー」、「エー」の動きを繰り返す。
【このエクササイズ、ワンセットで行うとこんな感じ】
「“エー”で口角を上げるときは、昭和の昔に流行った口裂け女をイメージし、思い切り斜め上に引き上げて! 口裂け女の筋トレは、頰のたるみの原因・大頰骨筋&小頰骨筋の衰えと下垂を防いでくれます。口角を上げるときには、つい目を開きすぎたり、逆に細めてしまったりしがちですが、これはNG。目のまわりの筋肉に頼るのではなく、頰を動かしていきましょう!」
2ステップのエクササイズだけでも、顔がかなりポカポカしてきます。
「そうでしょう? このエクササイズがなめらかにできるようになったら、次は、さらに頰を丸くしていきましょう。“たこ焼きエクササイズ”で仕上げていきます!」
頰が丸くなる! 顔ゲソ撃退・たこ焼きエクササイズ
1. 再び「オー」と声に出しながら、口をすぼめて口輪筋に力を入れる。
2. そのまま、軽く口角を上げながら、頰を膨らます。
3. 先ほど「エー」のポーズで行った、頰の筋肉の部分あたりが動いている感覚があればOK。目は開きすぎず、細めすぎず。眉間の力も抜いて。
*顔ゲソ撃退のために意識したいのが、NORIKOさんが指で押さえている部分。目元の筋肉は使わずに、この部分に膨らみを作るように頰を動かして。
【このエクササイズ、ワンセットで行うとこんな感じ】
「イメージは、筋肉を意識して頰を膨らませながら“もりっとしたたこ焼き”を作る、です。私のようにスピードをつけて行うのは難しいと思うので、最初はゆっくりと行って。慣れれば頰の筋肉が鍛えられ、大きなたこ焼きが作れるようになりますよ(笑)!
コツがわかるようになった頃には頰全体が上がって丸くふっくらし、疲れ見えする顔ゲソからも卒業。表情もイキイキしてくるはず。またこの動きは、ほうれい線の解消にも役立ちます!」
というわけで、口のまわりと頰の筋肉を思い切り動かし、鍛えた今回。次回はパーツに注目。なぜか大人になると肥大化しがちな「鼻」を整えていきます!
【教えていただいた方】
スペイン・バルセロナ在住。骨格矯正メソッド・ヤムナボディローリングとピラティスが専門。モットーは、アラフィフから健康でいるための体作り。Instagram、YouTubeを中心に、大人のボディ&フェイスを快適に整えるエクササイズを発信している。書籍『更年期世代の不調を取り去る 大人ピラティス』(KADOKAWA)も好評発売中。
撮影/藤澤由加 取材・文/石井絵里