実は年齢とともに鼻も「肥大化」している!
前々回、前回では、顔についた肉を引き締め、むくみや疲れて見える表情を解消。そこで気になってくるのが「鼻の大きさ」です。最近、鏡を見ると顔の横幅と同様に、こちらも「肥大化」「デカ鼻化」しているような…?
「そうかもしれませんね。試しに自分の小鼻を手で軽くつまんでみてください。硬~くこわばっている、または逆にふにゃふにゃになっている部分はありませんか?」とNORIKO先生。
「鼻は軟骨や筋肉でできています。そして日々の表情グセや筋力の低下などで、地味に形が変化しやすいパーツでもあるんです。特にわかりやすいのは、小鼻。おしゃべりしたり笑っているとき、つい小鼻を膨らませがちになっていませんか? イキイキした表情は魅力的ですが、小鼻のまわりに力が入りすぎたり、逆に緩みすぎたりすると、鼻の肥大化の原因になります」
【BEFORE】勢いよくしゃべったり、笑ったり……。または「ちょっと聞いてよ~!!」とマシンガントークをする際に、力が入りがちな小鼻。上のNORIKOさんの表情に「私の顔だわ」と思った人は要注意。BEFORE状態の表情グセを放置しておくと、小鼻や鼻の穴が広がり、だんだんと顔の中で鼻の存在感が増してきてしまう。
「小鼻の穴の部分に付着している鼻筋(びきん)の、鼻翼部(びよくぶ)と鼻孔開大筋(びこうかいだいきん)を緩め、鼻に貼った絆創膏のような形の鼻筋の横部と、鼻先にくっついている小鼻孔圧迫筋(しょうびこうあっぱくきん)を鍛えることによって、広がった鼻を、ちゅっと先が整った細い鼻にすることができます。つまり小鼻まわりをつまんでほぐし、そのままつまんだ鼻の状態を、くさいときに鼻を狭めるような感覚でキープするのです」
小鼻をリリース&引き締めると、大人上品な顔に!
「小鼻の部分には鼻筋という筋肉があります。鼻筋には横部と、鼻翼部に分かれます。横部は鼻を細くし、鼻翼部は鼻を膨らませる作用があります。40代、50代の小鼻は、鼻筋の中でも下にある部分の鼻翼部を緩め、さらに小鼻の上にある筋肉と鼻先の筋肉も引き締めると、メリハリのある小鼻に。これだけで、顔全体の印象がかなりすっきりとしますよ」
早速、エクササイズを伝授していただきました!
1.小鼻の上のほうを指で優しくつまみ、前へ出すように動かす。強いにおいを感じたときに「臭~い!」と、思わず小鼻をつまむでような要領でできたらOK。力を入れて引っぱりすぎないこと。
2.実はこのつまんでいる小鼻の上部分が、表情グセなどで地味に力が入りがちな部分。触ると硬さを感じる人も少なくないはず。そのまま何秒か優しくつまんで、こりをリリース。息は止めないで。
3.小鼻の上部のリリースから、続けて鼻筋の内側の引き締めエクササイズへ。先ほどの位置よりも少し下、小鼻の根元を指でつつみ込み、そのまま前に引っ張るようにしながら小鼻全体を鼻の中心部に集めていく。息は吸ったほうが、小鼻の筋肉の引き締めを意識しやすい。
4.つまんでいた手を、そのまま前へ引っ張るようにしてゆっくりと離し、鼻から息を吸う。このとき、小鼻は手で軽く圧を加えていたままの状態をキープ! 小鼻の上の部分(絆創膏を貼るあたり)と鼻の先端のあたりが引き締まっている感覚があればOK。
【AFTER】
「小鼻まわりのこりをほぐし、小鼻上から根元の筋肉と鼻先の筋肉は鍛える」。とってもシンプルなエクササイズですが、やってみると意外と思い通りにならなくて驚きます。それにしても小鼻に、こんな微細な筋肉の動きがあったとは…!AFTERの写真は、膨らんでいた小鼻が整えられて、鼻の穴もキュッと上向きに。顔全体が上品な印象に!表情も柔らかく、落ち着いて見えます。
「小鼻の筋肉の位置を探りながら、やわらげる→引き締めるとやってみて。少しコツが必要かもしれませんが、何度かやってみると、小鼻の筋肉の硬くなっているところと緩んでいるところが、少しずつわかってきますよ」とNORIKO先生。
大人のすっきりした鼻を手に入れたら、次回は顔の「左右の歪み」にアプローチしていきます!
【教えていただいた方】
スペイン・バルセロナ在住。骨格矯正メソッド・ヤムナボディローリングとピラティスが専門。モットーは、アラフィフから健康でいるための体作り。Instagram、YouTubeを中心に、大人のボディ&フェイスを快適に整えるエクササイズを発信している。書籍『更年期世代の不調を取り去る 大人ピラティス』(KADOKAWA)も好評発売中。
撮影/藤澤由加 取材・文/石井絵里