前回は埋もれていた鎖骨の位置を正し、きれいなデコルテを作るエクササイズに挑戦しました。そこでNORIKOさんから、さらなるアドバイスが。
「首、デコルテ、肩のまわりは、体の“前側”だけを鍛えるのではなく、“後ろ側”も重要なんですよ」
確かに年々気になるのが、「肩の肉が分厚くなっている問題」。ニットやシャツ、ブラウスを着た際に肩のシルエットがもっさりして見え、「まるで何かを背負っているのか⁉」と思うことも。蓑笠をまとっている“妖怪・子泣きじじい”さながらのシルエットを、どうにかすっきりとさせたい…(泣)!
大人の肩甲骨は、気づけば横に広がっている!
「前から見たときに肩のまわりが分厚くなってしまう原因は、姿勢が丸くなり、同時に肩甲骨が横に広がり、首と肩をつなぐ筋肉・肩甲挙筋(けんこうきょきん)も上がってしまっているからなんです」
確かに、このだる~んとした姿勢は、何気なく座っているときや立っている際に、とってしまいがちかも。
これは前から見たところ。「肩甲骨は鎖骨や胸骨とつながっています。肩甲骨が丸くなり横へ広がると、脂肪が体の前側に覆いかぶさってきてしまうんですよね。その結果、この写真のように肩に何かが乗っかって、首が短くなり、鎖骨が埋もれるようなシルエットに。肩甲骨まわりを鍛えて、脱・子泣きじじいな肩まわりを目指しましょう!」
というわけで、早速エクササイズ開始です!
肩甲骨の内側を寄せ、少しだけ上げ&しっかり下ろす。
たった2ステップで肩すっきり!
1.姿勢を正して座る。
2.肩甲骨を、肩の内側に寄せるようにする。
3.その状態のまま、肩甲骨の内側に力を入れながら、肩全体を少しだけ上に持ち上げる。
4.お腹はへこませて、呼吸は止めないようにする。
1. 肩甲骨を内側に引き寄せたまま、肩をしっかり下ろす。
2. ゆっくりと「肩甲骨を寄せて少しだけ上げる→しっかり下ろす」を繰り返す。
肩まわりの丸さ・分厚さやもっさり感が正され、バストの位置もアップ!
「肩甲骨を内側に寄せ、少しだけ上げ&しっかり下ろす」、なんとたったの2ステップで、首から肩にかけてのラインが見違えるようにきれいに! 着ぶくれが気になるこれからの季節も、厚手のニットやアウターを自信を持って着こなせそうです。
「肩甲骨まわりの筋肉が硬くなると、肩甲挙筋と首から肩の後ろにある僧帽筋(そうぼうきん)が硬くなり、肩全体が上へと盛り上がってきてしまいます。この2ステップエクササイズで筋肉をほぐし、肩甲骨、鎖骨、胸骨の位置を整えることで、肩が本来の位置に戻ってきます。ほら、ちゃんと首も出てきたでしょう?」
またこのストレッチは、肩こりの人にもおすすめなのだとか。
「うつむき姿勢が続いたり、肩こりがひどい人は、肩甲骨まわりが動かしづらいと感じるはず。焦らず、力を入れずに、ゆっくりとやってくださいね。続けていくうちに、がちがちになった背中が柔らかくなりますよ。さらに胸骨を引き上げるので、胸の位置も正されます」
脂肪という名の外套を脱ぎ捨て、身軽になった大人の肩まわり。となるとさらに整えたいのは、首。次回は、首全体の筋肉を鍛えていきます!
【教えていただいた方】
スペイン・バルセロナ在住。骨格矯正メソッド・ヤムナボディローリングとピラティスが専門。モットーは、アラフィフから健康でいるための体作り。Instagram、YouTubeを中心に、大人のボディ&フェイスを快適に整えるエクササイズを発信している。書籍『更年期世代の不調を取り去る 大人ピラティス』(KADOKAWA)も好評発売中。
撮影/藤澤由加 取材・文/石井絵里