自分の横顔を見たとき、「への字」にたるんだ目尻に愕然!
人気ヘアメイク広瀬あつこさんが提案する「目尻リフト」メイクで
下がり印象を払拭し、軽やかで生き生きとしたまなざしに
MyAge、OurAgeをはじめ、数々のメディアのメイク特集で活躍する、ヘア&メイクアップアーティストの広瀬あつこさん。
広瀬さん自身が日々実践しているエイジングケアメイク術をご紹介する連載です。
広瀬あつこさんは、大人女性からも多くの指名を受ける人気のヘア&メイクアップアーティスト。
大人を生き生きと美しく変身させる天才です。
常識にとらわれない少し大胆なメイクテクニックで、エイジングが進んだパーツを修正し、無理なく若い印象に見せてくれます!
この連載では、「ちょっとだけズルい」目からウロコのメイクテクニックが炸裂。
顔立ちのエイジングでメイクに悩む大人女性の皆さんに「そんな手があったのか!」と大好評です。
今回のテーマは「目尻リフト」。
上まぶたのたるみで下がってしまった目尻を
すっきり見せ、リフトアップ!
年齢を重ねると上まぶたがたるみ、緩んだ皮膚が垂れ下がって、目尻にかぶさってきます。
目の輪郭が「への字」のように見え、特に真横や斜めから見たとき、重くのしかかって瞳を隠してしまうとともに、眉との距離があき、間のびして見えます。
「たるんだ目元に黒いアイラインを目頭から目尻までばっちり入れると、しじみのように目が小さく見えてしまいがち。
また、黒いアイライナーで目尻を跳ね上げるのも不自然。伏目になったとき目立ちますし、まばたきをするうちにかぶさり、まぶたでこすれて消えていってしまいます」と広瀬あつこさん。
大人のアイラインは、薄いブラウンのアイライナーで目尻から「水平に」のばすのがおすすめだと言います。
「『影』のような薄いブラウンを使うことでアイラインが目立ちすぎず、また、水平にのばすことで、アイラインがたるんだ目尻に隠れてしまうこともありません。
しかも『への字』のすべり台感をくい止めて、生き生きとしたまなざしが復活します。
影色の「水平アイライン」で目尻の下垂をせき止め、
すっきり&パッチリのまなざしに
左の写真は、目尻に「水平アイライン」を入れる前の広瀬さん。
右の写真は、目尻の赤みを消し、「水平アイライン」を入れた広瀬さん。
アイラインが目張りっぽくなることなく自然と入り、目幅が広がって見え、小さくしぼみがちな目元がくっきり。
すべり台のような「への字」ラインにストップがかかり、軽やかに。
眉との目尻の間の“”間のび感”も払拭されました。
「『影色』の薄いブラウンのアイライナーだと、目尻だけアイラインを描いても浮いて見えません。また、目尻から水平にのばすと、アイラインが隠れることなく、自然と目がくっきり大きく見えるんです」
ちなみに、右のアフター写真の目元を見ると、左のビフォア写真と比べて「むしろ目が小さくなってない?」と思う人がいるかもしれません。
実はその通りで、目尻の赤みなどを消して肌を補整した段階だと、目が小さく見えてしまいがち。
しかし、これを土台にして、この後さらに若見えするメイクを行っていくので、今の段階で目が小さく見えても、気にしなくて大丈夫です。
■プロセス1
コンシーラーで
目尻の三角ゾーンの赤みを消す
細いブラシにコンシーラーを少量取り、目尻の三角ゾーンの赤みをカバー。
「大人の目尻は、メイクなどによる長年の刺激、涙のにじみなどが原因で、三角ゾーンが赤黒くくすみがち。
ここがくすんでいると、影となり、「への字」が余計に強調されてしまいます。後から入れる「水平ライン」を際立たせるためにも、赤黒さを消しておきましょう」
■ここで使用したコスメ
緩んだ肌にもピタリと密着。薄づきでカバー力抜群。
「まわりの肌の色に合わせ、下段右のベージュ、または下段左のライトベージュをチョイス。目尻の三角ゾーンの赤黒さを自然とカムフラージュしてくれます」
●トーンパーフェクティング パレット 00 ¥4,950/コスメデコルテ
■プロセス2
薄いブラウンのアイライナーで
目尻から水平にアイラインを引く
スタート地点は、上まぶたのいちばん目尻側に生えているまつ毛の根元。そこから7mm外側に、水平にアイラインを引きます。
「まつ毛の延長線のように見えるので、アイラインを引いていないかのように自然です」
●ここで使用したコスメ
「これは自然な二重に見せるためのアイライナーなのですが、大人の下がった目尻を矯正する『水平アイライン』にうってつけ!」
まさに“影”になりすます、薄いブラウン。にじみに強く、描きたての細いラインをしっかりキープ。お湯で簡単に落とせます。
●セザンヌ 描くふたえアイライナー 影用ブラウン ¥660/セザンヌ化粧品
■プロセス3
シャンパンベージュのアイシャドウで
アイラインの下にハイライトを入れる
シャンパンカラーのようなパール入りのベージュシャドウを細いチップに取り、水平アイラインのすぐ下をなぞるように、水平に入れます。
「シャンパンベージュのハイライト効果で、水平アイラインがより高い位置に見え、目尻がリフトアップして見えます」
●ここで使用したコスメ
「パレット左上のシャンパンベージュを使用。ナチュラグラッセのアイシャドウはパールが上品で、ギラつきません」
アルガンオイルを配合し、アイシャドウでありながら保湿効果も。肌あれ防止効果のあるトウキンセンカも配合。目元に優しい処方。
●ナチュラグラッセ アイカラーズ 01 ¥4,290/ネイチャーズウェイ
──広瀬さんから、40代、50代のOurAge世代に向けてのメッセージです。
「大人のアイメイクは、濃く、強く、すればするほど、老け感が強調されてしまいます。
ちょっともの足りないくらいの見え方なのに、実はエイジングの悩みがきちんと解消されている、というのが理想的です。
ついつい「映え」させたくなるアイメイクを、大胆に引き算する潔さも、この連載のテーマでもある『ちょっとだけズルい』メイクのテクニック。
頑張りすぎず、イタくならず、センス良く見える若見えの秘訣です。
まだまだ『ちょっとだけズルい』テクをご披露していきますので、次回以降もご期待ください!」
撮影/藤澤由加(人物) ヘア&メイク・モデル/広瀬あつこ 取材・文/小田ユイコ
【教えていただいた方】
大物女優や人気モデル、著名美容家から指名が殺到するほどの人気。さまざまな女性向けメディアの美容企画で、誰でも簡単に真似できて美人になれるメイクテクニックを紹介していて好評。著書に『スマイルメイク』(世界文化社)。 撮影/天日恵美子