「幸せ美人顔」メイクのカリスマ、レイナさん。
洗練顔の源は「ベースメイクのひと手間」にあり!
40代、50代になり、ファッションでおしゃれをしても、顔の老け感がじゃまして、思うように素敵に見えない、あかぬけないと感じている人も多いはず。
それは、額の生え際の後退やフェイスラインのもっさり感、Tゾーンのテカリ、シミなどが原因。
これらが少しずつ、見た目の生命力や清潔感を奪い、洗練度をマイナスにしているのです。
そんな悩みを持つ40代、50代はどうしたらいいのでしょう?
同じOurAge世代でもあるレイナさんに、メイクでの解決法を教えていただきました。
レイナさんは、プロのメイクアップアーティストとして第一線で活躍しながら、自身のプライベートサロンで長年にわたって一般女性にメイクレッスンを行ってきた、美人顔づくりのカリスマ。
そのメイク術は、メイクに苦手意識を持つ女性でも簡単に実践でき、見違えるようにイキイキとしてメリハリ感がアップすると評判です。
「鏡を見たとき、生命力、清潔感、洗練度に欠けているなと感じると、センスのいい方ほど自分にがっかりしてしまいます。そんなときこそ、メイクの出番。
ベースメイクの最後、気になるポイントに適材適所なアイテムを使ってひと手間加えることで、美しさがアップし、がっかりしていたことがウソのように気持ちも晴れ晴れしますよ」(レイナさん)
今回のテーマは、ベースメイクの「ちょっとしたひと手間」。
過度なメイクにならず、美人印象、洗練度がアップ
「今回紹介するテクニックは、これまでチャレンジしたことのないアイテム、かつ、初めましてのメイク法かもしれません。ファーストトライはどんなことでも勇気が必要ですよね。
でも、実際やってみるととても効果的なので、これまでメイクを教えた生徒さんも、今回紹介するテクニックをずっと続けてくださっています」
ルーティン化したメイクではない新テクニックを取り入れることも、年齢を重ねた顔立ち、肌をイキイキと見せ、美人印象、洗練度を上げていくには必要です。
■ベースメイクの「ちょっとしたひと手間」
加える前と加えた後を比べると…
上は、この連載の第3回で血色を仕込んだ後のレイナさん。
下は、シェーディング、フェイスパウダー、コンシーラーのひと手間をプラスした顔。
より顔立ちがすっきりし、すっとした美人印象に。
第3回までのメイクでまとっていた幸せ感のある優しい印象に、知的さ、清潔感といった洗練度が加わりました。
角度を変えて、斜め前からも見てみましょう。
上はひと手間プラスする前の顔。
下は、シェーディング、フェイスパウダー、コンシーラーのひと手間をプラスした顔。
フェイスラインのもたつきがシュッとしました。
鼻筋もすっと通って、メリハリも小顔印象もアップ。
■ベースメイクの「ちょっとしたひと手間」・プロセス1
「イカスミシェード」を額の生え際、フェイスライン、眉頭の下に
ちょっとしたひと手間のファーストステップは、シェーディング。
グレージュのカラースティックを使って、額の髪の生え際、フェイスライン、鼻筋に影を。
気になっていた額の生え際の後退、フェイスラインのもたつき、平面的な顔立ちが自然とカムフラージュされ、誰にも気づかれずに美人印象、洗練度が上がります。
「イカスミシェードのカラーを見ると、こんなダークな色を塗るの? と誰しも不安に思うのですが、指でなじませると薄くのびて透けるし、肌に溶け込んで自然な影になるので大丈夫なんです!
ポイントは、思い切って大胆にのせること。失敗を恐れずにチャレンジしてみましょう」
スティックで直接、線を引きます。
額の生え際の、うぶ毛がもともと生えていた部分と、耳の前からあごにかけてのフェイスラインには斜線を引きます。
鼻筋には、眉頭の下から1cmほど、ノーズシャドウにするための短い線を。
この線を指の腹でぼかすと、自然と肌になじみ、あたかもうぶ毛が生えているような、もともとメリハリがあったような影が生まれます。
使ったアイテムはこれ
●シンクー バームスティック シェード ¥3,520/ほぼ日
骨格を際立たせる、グレージュのカラースティック。
天然由来成分100%のバーム状で、肌に溶け込み自然な影に。
■ベースメイクの「ちょっとしたひと手間」・プロセス2
「ゴーグルTゾーン」にセミマットなフェイスパウダーを
Tゾーンのテカリは、ギラついて見えるだけでなく、眉やリップメイクのにじみの原因にも。
目元も含めたゴーグルTゾーンを、フェイスパウダーでサラサラに仕上げれば、清潔感のある涼しげな印象に。
「このフェイスパウダーのひと手間で、眉やアイメイクがにじみにくくなり、鼻まわりの毛穴がある部分もすべすべ状態がキープされ、いいことずくめです!
フェイスパウダーはセミマットのトランスルーセント(透明)タイプを選ぶのが正解。
フェイスパウダーをつけるとき、くずれやすいところ(Tゾーン)や、これからメイクをするところ(目元や眉まわり)はスポンジを使って、キュッとフィットさせます。
ただし、面積が広い部分(頰や額など)は、スポンジではなくフェイスブラシを使って、ふわっと軽くのせます。
広い範囲にスポンジを使うと、硬い印象の仕上がりになってしまうので、ここはフェイスブラシがベターです。
場所と仕上がりのイメージによって、使い分けることがポイント」
眉から目元にかけての部分を網羅するゴーグルゾーン、鼻、鼻の下、あごは、パウダリーファンデーション用のスポンジを使ってなじませるのがおすすめ。
しっかりと余分な皮脂やスキンケアの油分をキャッチして、メイクのりのいい状態になります。
左右の口角にもなじませると、リップのヨレ防止にも。
使ったアイテムはこれ
●オリジナル ミネラルベール プレスト パウダー トランスルーセント ¥4,950/ベアミネラル
ミネラル成分のシリカがメイクくずれを防ぎ、毛穴や小ジワが目立たない、サラリとマットな肌に。
■ベースメイクの「ちょっとしたひと手間」・プロセス3
コンシーラーでシミをカバー
気になるシミは、クリームタイプのコンシーラーでピンポイントにカバーするのが効果的。
「スポンジチップのアプリケーターがついたクリームタイプのコンシーラーなら、シミの範囲に合わせて的確に置くことが可能です。確実にカバーできて目立ちません。
フィットさせるために使用するのは、アイシャドウパレットに入っているスポンジチップがおすすめ。
平たいので適度なフィット感があり、のせたコンシーラーをこそげ落とすことなく、周囲の肌に自然に溶け込ませることができます」
コンシーラーをシミの範囲に合わせてのせ、アイシャドウ用のスポンジチップでなじませます。
アイシャドウ用のスポンジは清潔なものを使用して。
使ったアイテムはこれ
●カネボウ デザイニングカラーリクイド 02 ¥3,300/カネボウインターナショナルDiv.
肌のシミや濃い色ムラも、自然にカバーするニュートラルベージュ。
肌にピタッとフィットし、表情が動いてもヨレません。
「40代、50代からの幸せ美人顔を目指すには、メイクのアップデートが必要。
20代、30代のときとは顔立ちも肌も変化していますから、その頃に覚えたメイク法ではうまくいかなくて当然なのです。
今はメイクアップコスメがとても進化していて、難しいテクニックいらずで、誰でもプロ並みのメイクがかないますよ」
──OurAge世代であるレイナさんは、いつも白やモノトーンの服をセンスよく着こなし、清潔感にあふれ、あかぬけた印象。
今回紹介したメイクテクが、レイナさんのスタイルをより素敵に際立たせています。
レイナさんをお手本に、これまでやったことがないちょっとしたひと手間を、ぜひ取り入れてみたいですね。
※この連載で紹介した内容は、レイナさんのYouTube「REINA CHANNEL」で動画で見ることもできます!
【教えていただいた方】
1978年生まれ。大学卒業後、大手化粧品メーカー勤務を経て独立。その人本来の美しさを引き出すメイクを得意とし、文化人からの指名も多数。女性向け媒体のメイク特集などで活躍するほか、完全予約制のメイクレッスンサロン「Crystalline(クリスタリン)」を主宰。著書も多く、近著に『45歳からの自分を好きになるメイク』(主婦と生活社)などがある。YouTubeの「REINA CHANNEL」でレイナさんが実演するメイクレッスンも必見!
撮影/藤澤由加(人物) ヘア&メイク・モデル/レイナ 取材・文/小田ユイコ