化粧品選びの新指標。
日本初の「ナチュラルコスメ認証制度」が誕生!
「年齢とともに肌が敏感になったので、肌に優しいものを使いたい」「環境問題を考慮している企業のコスメを使いたい」といった声などから、OurAge世代にも人気が高いオーガニック・ナチュラルコスメ。その日本独自の認証制度が、JNOCA(ジャノカ)(日本ナチュラル・オーガニックコスメ協会)によって2020年7月にスタートしました。
JNOCA ナチュラル第1号認証製品は、京都生まれのナチュラルコスメ「VINTORTÉ ミネラルシルクファンデーション」。
JNOCAは、広告代理店や小売店を展開する「オズ・リンク ホールディングス」が発足した一般社団法人。「認証制度をスタートするにあたり、約4年の準備期間を要しました」と語るのはJNOCA代表の大嶌修平さん。
「オーガニック・ナチュラルコスメ市場は、05年の改正薬事法により、異業種やスタートアップ企業が次々と参入して大盛況な状態です。しかしその半面、企業側にとっては製品のよさを十分にアピールできていなかったり、消費者からは『選ぶ基準がわからない…』という声も多く上がっています。そのような背景から、他商品との差別化や、消費者が選ぶときの指標になる認証制度の必要性を感じるようになりました」
ナチュラルコスメの認証である「JNOCAナチュラル」は肌への低刺激性を重視して「アルコール類を使用していない」などが審査項目に。「JNOCAオーガニック」は「原料の90%以上に自然原料を使用」「原料の5%以上にオーガニック認証の原料を使用」など12項目が審査基準に。
記事が続きます
オーガニックの認証制度は、欧州のエコサートやコスメビオ、米国のUSDAなどが有名ですが、日本の消費者目線での、日本独自の認証制度はまだ広く定着していないのが現状です。
「今回の認証制度では『JNOCAナチュラル』と『JNOCAオーガニック』のふたつを設けています。5つの共通項目(下記参照)をベースに、ナチュラルはおもに低刺激性で“肌への優しさ”を、オーガニックは成分のオーガニック率による“環境問題へのこだわり”を重視した基準をプラスしています」
基本的な5つの審査項目
●原料の90%以上に自然原料を使用している。
●石油由来の成分を使用していない。
●合成の着色料・香料・防腐剤・ポリマー、石油由来の合成界面活性剤、旧指定成分、遺伝子組み換え植物を使用していない。
●製造過程において動物実験をしていない。
●CSR(企業の社会的責任)を意識し、サステナビリティを追求する取り組み・活動を行っている。
特に、ナチュラルコスメの認証制度は日本初。単に自然原料を使用しているだけでなく、植物エキスを抽出する際にも石油由来成分を使用しないことや、環境配慮のSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)への取り組みといった項目も。あくまでも消費者目線でわかりやすく、かつ厳しい基準になっているため、商品の信頼性の大きな指針になると、美容業界からも大きな期待が寄せられています。
成分などに関する必要書類を提出し、審査を受けて合格したら認定証と認証マークが発行されるシステム。このマークが製品の安全性や品質の高さの証明となり、消費者にとっては商品選びの大きな指針のひとつに。ホームページはこちら
取材・原文/山村浩子