旅行大好き、南の島やアジアのリゾートがやっぱりいい!ミーナです。中でもタイ渡航歴は15回くらい。エアーの便が多くて行きやすくて、ゴハンがおいしくて、素敵なホテルがいっぱいあって、そして何よりも、スパやマッサージが充実。そんなタイのスパ事情を、タイ大好きなトラベル・ライター、坪田三千代(つぼみち)さんと語り尽くしました!
つぼみち タイ旅行で、やっぱり欠かせないのは、スパですよね。山にも、海にも、町にも、タイには、いろいろなところにいいスパがある。
ミーナ そうそう。素敵なホテルのスパに行くのももちろんいいし、町の中のスパでも技術が高いところもあるし。ラグジュアリーからデイリーまで、全部揃ってるのがスゴイ。私は、バンコクのタイ古式マッサージでとても気に入っているところがあるので、必ずバンコクで1泊して、そこで受けることが多いの。値段がすごくリーゾナブルなのに、セラピストの当たり外れがなくて、みんな上手〜。毎日でも通いたくなるレベルの高さとオサイフにやさしい料金なんです。
つぼみち タイには、マッサージで、コリをほぐしたり、体のエネルギーの流れをよくしたりして、心身のリラックスをすることが健康に繋がる、という発想が昔からあるらしいですよ。もともとはインドの伝統的医学であるアーユルヴェーダから来ているようです。 昔は、仏教寺院での療法として、タイ古式マッサージやハーブを使った蒸し風呂などをやっていたとか。サウナのようなところで、天然のハーブの香りで燻蒸して、体の毒素を出す療法が行われていたと聞きましたよ。
ミーナ あれは、いいですね~。スパのスチームサウナで、ハーブのよい香りが中に満ちていて、すごく癒されたなー、という体験があるけれど。もともとはお寺でやっていたんですね。
つぼみち そんな伝統が、今のタイでのスパトリートメントの原型になっているのかもね。タイには、実は、長~い癒しの歴史がある。
ミーナ タイの人は、やさしい方が多くて、セラピストの人が施術前ににっこり笑ってくれたりするのも、また癒されるよね~。さすが!微笑みの王国。
つぼみち タイは観光立国で、ホテルの数がものすごく多いので、付随するスパ施設も充実していますよね。スパだけで考えると、日本よりも、タイのほうが進化しているんじゃないかと思います。裾野も広いし、レベルも高い。いいスパだと、施設もゆったりしているし。日本のスパって、いまひとつ、ゆったり感がないような。
ミーナ タイでも、超高級ホテルのスパはそれなりにお値段は張りますが、といってももちろん日本よりは安いし、施設や施術には間違いがない、ってところが多いですよね。ほんとにラグジュアリー♡ それに、スパで使うためのプロダクトがとても充実していますよね。オーガニック製品も多いしね。
つぼみち タイでは数年前から、国を挙げて、スパをはじめとするウェルネス産業をバックアップしているようですよ。スパのプロダクトを作る産業や、トリートメントを担当するセラピストに対する教育なども、国レベルでサポートしている。
ミーナ 最近は、日本でもナチュラル系のお店に行くと、タイ製のハーバルボールが売っていたりするけれど、そうしたウェルネス産業の発展があってのことなんですね~。タイ以外の外国のスパ、たとえば、ヨーロッパのスパなどに行っても、最近はタイ人のセラピストがいたりしますよね。それも、きちんと教育を受けた人がプロフェッショナルとして、海外に働きに出ているんですね。
つぼみち ほんと、世界各地のいいスパに、腕のいいタイ人セラピストが働いていますよね。世界中のどこでも、セラピストがタイ人の方であれば、技術がしっかりしているし、応対もやさしいので、なんかほっとするみたいなところがありますね。
ミーナ 最近は、スパそのものを目的に何日か滞在するデスティネーションスパも、美と健康に気を遣う人には人気が高いですよね。 3泊以上じっくりと滞在して、各種トリートメントはもちろん、ヨガやピラティスなどをも組み込んだプログラムを作ってもらって、食事や運動などまで、個別にアドバイスしてくれる。 本格的にしっかり体をメンテナンスするために、ご夫婦で定期的に毎年通う、という方もいらっしゃいますよ。
つぼみち デスティネーションスパで、ビューティ系のお仕事をしている方々を中心に人気の高いのは、ホアヒンの「チバソム」。自然派が好きな人には、チェンマイの「タオ ガーデン ヘルス スパ&リゾート」も話題ですね。どちらも、東洋の癒しと西洋医学とを融合させたウェルネス系スパだと言えます。
ミーナ バンコクでは、医療を駆使したメディカル系スパも増えているみたいね。一口にタイのスパといっても、エリアや受ける人の目的によって、いろいろなタイプがあるということですね。
つぼみち タイは、気候もいいですよね。
ミーナ 年間を通して、暖かいというのがいいですよね。マッサージなどでも、風や光を感じながら、屋外で受けるのが、最高に気持ちがいい。あと、南国ならではの、お花が豊富。水盤にとってもきれいにお花を飾ってあるのも素敵だし、フットバスとかでもたっぷりと生花が使ってあるし。うっとり〜
つぼみち タイには、もともと仏様にお花を備える習慣があることから、お花の文化が生活に根づいてますからね。とってもキレイに、花で細工をしているホテルやスパが多い。あと、ふっと薫る生の花の香りでも、癒されますよね~。ジャスミンとか、イランイランをはじめ、南国ならではのよい香りの花がいろいろあります。
ミーナ タイのスパにあるメニューの中では、まず、必ずトライしたいのは、タイ古式マッサージ!
つぼみち 私も、タイ古式マッサージは大好きです~! タイ古式マッサージは、“セン”と呼ばれるエネルギーラインを押す手技と筋を伸ばすストレッチの手法とが混じっているけど、それって “人にやってもらうヨガ”がルーツだという話も聞きましたよ。もともとインドのアーユルヴェーダに由来し、仏教とともに伝わったとか。宮廷医師によって治療法がまとめられて、記録されたものが、バンコクの寺院ワット・ポーに残っているそうです。
ミーナ へ~、そうだったんだ。私はすごく体が固いから、自分でするヨガは苦手なんです。タイ古式マッサージは、自分で伸ばしきれないところまで、セラピストがグーッと伸ばしてくれるので、とっても気持ちがいいです!
つぼみち 鼠蹊部のところを、セラピストがしばらくグーッと両手で押えてから、ぱっと放す手技があるじゃないですか。あれ、すごく下半身の血行がよくなる実感があるんですよね~。
ミーナ タイ古式マッサージは、終わったあとで、ほんとうに体全体がすっきりします!
つぼみち タイ古式マッサージは、総本山の「ワット・ポー」で受けるのもおすすめですよ。ワット・ポーでは、古来から伝わるタイ式ヨガのルーシー・ダットンもやってますね。
ミーナ ルーシー・ダットンは、最近、日本でもお教室もあるし、いいみたいね。ルーシーは、修行僧の意味で、ダットンは……
つぼみち えーと、ダッは伸ばすとか引っ張る、で、トンは、自己という意味。で、自己整体! まさしくヨガですね、タイ式ヨガって感じかな。
ミーナ タイ伝統のトリートメントでは、天然のハーブを詰めたコットン製のハーバルボールもいいですよね。「サムンプライ」と呼ばれていて、各種ハーブが詰ったハーバルボールを蒸して温め、体じゅうのツボにあててゆくことで、固まった筋肉が和らいで、血液の循環がよくなる効果があるの。
つぼみち 肌表面だけではなくて、体の中のほうから、じわーっと温まるし、香りもよくて、癒し効果が高いトリートメント。個人的には、ストーンセラピーよりもハーバルボールのほうが好きかも。私は、首や肩がすごく凝っているので、そのあたりをハーバルボールでほぐされると、ほっとします!
ミーナ ハーバルボールは、小さいものをお土産に買って帰ってことも。自宅で蒸して温めて、こめかみをぐりぐりマッサージするの、PC仕事で疲れたときなどには、とってもいいわよ~
つぼみち タイのレベルの高いスパには、そうしたタイならではのトリートメントのほかにも、インド伝統医学のアーユルヴェーダに基づく薬草オイルを用いた「アビヤンガ」や「シロダーラ」などのトリートメントや、最新の皮膚科学に基づいて開発されたスパコスメを用いた西欧的な発想によるフェイシャルやボディなど、さまざまなメニューが揃ってますよね。
ミーナ 選択肢がいろいろとあるのも、タイのスパの良さ。話すほどに、行きたくなりますよね~、タイのスパ。
「タイの大人スパ旅」、2回目の記事では、おすすめの地域とスパをご紹介しますね!
坪田三千代
profile
タイ渡航歴30回超。仕事でもプライベートでも、タイ旅好きなトラベルライター。スパはもちろん大好きで、アジアスパ歴は20年余り
写真(※以外全て)/増島実 文/坪田三千代