OurAge
心と体のサプリBOOKS
OurAge世代に読んでほしい、心と体に元気をくれるサプリメントのような本。
ボディサイズを気にするよりも、背筋がピンと伸びて、しなやかに動ける体を目指したい。日本古来の古武術から、注目のアレクサンダー・テクニーク、さらに体を支える心の意味など、骨格の整え方のヒントをくれる12冊をセレクト。
今回は、そのなかからまず6冊をご紹介します。
同じ洋服をまといながら、
西洋人と日本人の歩き方が違うのはなぜか?
『たたずまいの美学』
日本人の身体技法
矢田部英正 著/中公文庫
762円
大学時代、体操選手として活躍した著者は、
ケガや故障にもたびたび見舞われたことから、姿勢の大切さを痛感。
歪みのない自然な基本姿勢を探し求めて、
日本の歴史に根差した体の使い方へとたどり着きます。
西洋とは一線を画す日本人の身体のとらえ方では、腰を重視。
さらに精神のあり方にまで及ぶことに。
まさに故(ふ る)きを温(たず)ね新しきを知る身体論です。
生き延びるために、
自分の体に眠っている能力をどう引き出すか?
『体の知性を取り戻す』
尹 雄大 著/講談社現代新書
740円
インタビュアーとして活躍する著者は、10代で陽明学の「知行合一」に触れ、
心と体の一致を求め、柔道や空手などの研鑽を積みます。
奥義に近づこうと格闘するなかで、おぼろげにつかんだのは幼児の無心さ。
いかに思考が体を不自由にしているか、身体感覚を解き放つことの難しさ、
大切さに至るまでを誠実にたどる渾身のルポルタージュです。
女性が本来持っている季節の変化に順応する
しなやかな体を取り戻す
『人体美学』
今ある悩みに効く 女性のための力学体操
井本邦昭 著/マイナビ
1,400円
豊富な臨床経験に加え、西洋医学も修めた著者は、
整体師の養成に力を注ぐ整体師マイスター。
今回、女性特有の体の不調、生理や更年期などにスポットを当て、
原因から解消法まで一般向けに解説したのが本書です。
加齢とともに後ろに傾きがちな腰を、しっかりと立てられるように整える体操で、
女性度をアップ。季節に順応できる体を目指します。
西洋医学、東洋医学に次ぐ第3の医学、
整体学で不調の原因を取り除く
『ゆがみを直す 整体学』
西洋医学でもない 東洋医学でもない 整体学という第3の医学
宮川眞人 著/彩図社
1,200円
食事や運動などに気をつけていても、病気になるのはなぜか?
長年、整体を研究、実践してきた著者がたどり着いた原因が、体の歪み。
なかでも、肩甲骨と股関節の動きが重要なのだとか。
その理由と、自分でできる歪みを直す体操が紹介されています。
歪みをもたらす原因はさまざま。
自分の体に向き合うことで、よりよいQOLを送りたい人へ。
正しい体の使い方を体得すれば、いつまでも若々しく過ごせる。
体験者が説く入門書
『心と体の不調を解消する
アレクサンダー・テクニーク入門』
青木紀和 著/日本実業出版社
1,400円
舞台俳優のアレクサンダー氏が開発したメソッドは、
欧米では保険適用される国もあるほどメジャーな療法。
体の不調は体の使い方に原因があり、意識的に正すことで改善していきます。
長年の持病だった頭痛が治癒した経験から、
アレクサンダー・テクニーク教師へ転身した著者が、
難解といわれる理論をわかりやすく解説、入門書としておすすめです。
あいまいにしておおらか。
日本古来の身体観は加齢にポジティブ
『日本人の身体』
安田 登 著/ちくま新書
820円
能楽師であり、公認のロルファーという著者。
「舞(まい)」という身体表現について研究する中で、
話は日本文化だけにとどまらず遠くギリシャ神話や聖書にまで及びます。
読み進むにつれ、私たち現代人が忘れてしまった日本人のおおらかな身体観――
年を重ねることで得られる体の力があることに気づかされます。
生涯現役を貫く能楽師の言葉には重みがあります。
構成・原文/鈴木美穂